柚月裕子の著作まとめ
柚月裕子は1968年岩手県生まれ、山形県在住の推理作家です。2008年に『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し40歳でデビューしました。その後、『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞するなど、数々の文学賞を受賞・ノミネートされています。『孤狼の血』シリーズや「佐方貞人」シリーズなどの代表作は映画化やドラマ化もされ、「令和のベストセラー作家」とも呼ばれています。社会の理不尽や不条理をテーマに、緻密な取材に基づいたリアリティと、人間の心理を深く掘り下げた描写、読者の予想を裏切る展開が魅力です。極道ものから法廷ミステリー、人間ドラマまで幅広いジャンルを手がけています。
小説一覧
1

最後の証人
柚月裕子
KADOKAWA
元検事の弁護士、佐方貞人が担当するのは殺人事件。物的証拠は被告人を有罪と示すが、本人は否認。佐方は事件の背後に隠された真相を追い、ある証人の証言が鍵となると確信する。それは過去の交通事故と繋がり、法廷で真実が明らかになる法廷ミステリー。
2

検事の本懐
柚月裕子
KADOKAWA
連続放火事件を捜査する米原東署。17件も続く事件に、署長は焦っていた。新人検事の佐方貞人は、別件逮捕された男の取り調べを担当するが、唯一被害者が出た放火事件の手口に疑問を抱く。権力と策略が交錯する中、佐方は事件の真相を追求する。
3

検事の死命
柚月裕子
KADOKAWA
米崎地検の佐方貞人検事の元に、痴漢容疑で送致された本多弘敏。本多は容疑を否認し、女子高生に恐喝されたと主張。佐方は女子高生からも事情を聞くが、彼女は投げやりな態度。佐方は事件の真相を追い、権力に立ち向かう。
4

検事の信義
柚月裕子
KADOKAWA
佐方貞人は、認知症の母親を殺害した罪で逮捕された昌平の裁判を担当。昌平は介護疲れを自供するが、佐方は遺体発見から逮捕までの「空白の2時間」に疑問を抱き、独自に捜査を開始。やがて昌平の意外な素顔が見えてくる。(「信義を守る」)。他にも、実業家の非嫡出子が高級腕時計を盗んだとされる事件など、佐方が真実を追求する姿を描く短編集。
5

孤狼の血
柚月裕子
KADOKAWA
昭和63年、広島。暴力団担当の呉原東署に配属された新人刑事・日岡は、ヤクザと癒着する刑事・大上に出会う。金融会社社員失踪事件を追う中、市内では暴力団同士の抗争が激化。大上と日岡は抗争を防ぐべく奔走するが、警察と極道のプライドが激突する事態に。
6

凶犬の眼
柚月裕子
KADOKAWA
所轄から駐在所に異動した日岡は、ヤクザから紹介された男が指名手配中の国光だと確信する。逮捕すれば現場復帰できると考えた日岡に、国光は「時間がほしい」と懇願。国光と接するうち、日岡は思いもよらない行動に出る。
7

暴虎の牙
柚月裕子
KADOKAWA
昭和57年、広島呉原。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ暴力で勢力を拡大。刑事・大上章吾は、沖と暴力団・五十子会の抗争を阻止しようと奔走する。時は流れ平成16年、出所した沖が再び動き出す。暴対法施行で焦る沖は暴走し、大上の薫陶を受けた刑事・日岡秀一が接近する。
8

朽ちないサクラ
柚月裕子
徳間書店
県警広報広聴課の泉は、親友の新聞記者が変死した事件を独自に捜査する。捜査を進めるうちに、警察内部の不正や隠蔽が明らかになり、公安の存在が浮かび上がる。正義を貫こうとする泉は、組織の圧力に屈せず、事件の真相を追い求める。
9

月下のサクラ
柚月裕子
徳間書店
広報職員から刑事になった森口泉は、機動分析係へ配属される。配属当日、会計課から一億円が盗まれる事件が発生。内部犯行の疑いが強まる中、殺人事件も発生し、組織の闇が露わになる。泉は記憶力と語学力を武器に事件解決を目指すが、正義が揺さぶられる。
10

合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
柚月裕子
講談社
弁護士資格を剥奪された上水流涼子は、IQ140の貴山を助手に探偵エージェンシーを運営。金遣いが荒くなった妻に疑念を抱く夫、賭け将棋で必勝を期すヤクザ、野球賭博絡みのトラブルなど、欲に塗れた人物たちの難題を知略と美貌で解決する。
11

合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明
柚月裕子
講談社
美人探偵・上水流涼子が帰ってきた!頭脳明晰な貴山を助手に、今回も知略と美貌を武器に難事件を解決。空港に届いた荷物を乗せた車の捜索、離婚した夫から親権を取り戻したい看護師、自殺未遂を繰り返す女子大生の救済など、涼子の荒療治が炸裂する。
12

臨床真理
柚月裕子
KADOKAWA
臨床心理士の佐久間美帆は、知的障害者更生施設で起きた少女の自殺事件を担当する。入所者の青年・藤木司は、少女の死は他殺だと主張。彼は人の感情が色で見える共感覚の持ち主で、少女が「生きたい」と願っていたと訴える。美帆は司の言葉を信じ、事件の真相を追うことになる。
13

蟻の菜園〜アントガーデン〜
柚月裕子
KADOKAWA
フリーライターの由美は、結婚詐欺と殺人容疑で逮捕された円藤冬香について調査を始める。冬香にはアリバイがあり、捜査は難航。由美は冬香の生い立ちを辿るうちに、彼女の壮絶な過去と、事件の真相に近づいていく。慟哭のサスペンス。
14

パレートの誤算
柚月裕子
祥伝社
新人ケースワーカー牧野聡美は、尊敬するベテラン山川の突然の死に直面する。山川は仕事熱心だったが、訪問先で殺害されていた。聡美は彼の後を継ぎ、生活保護受給者と向き合う中で、山川がヤクザと関係を持っていた疑念を抱く。生活保護の闇に迫りながら、事件の真相を追う社会派ミステリー。
15

ウツボカズラの甘い息
柚月裕子
幻冬舎
高村文絵は、家事と育児に追われる主婦。ある日、中学の同級生・加奈子と再会し、化粧品販売の仕事で成功を収める。しかし、殺人事件の容疑者として逮捕。文絵は無実を訴えるが、加奈子は姿を消し、詐欺容疑も浮上する。刑事・秦は事件を捜査するうちに、文絵の過去と加奈子の謎に迫る。
16

あしたの君へ
柚月裕子
文藝春秋
家庭裁判所調査官補の望月大地は、窃盗を犯した少女、ストーカーの高校生、親権を争う夫婦の息子など、心を開かない少年たちと向き合う。彼らの背景にある事情を探り、寄り添おうと奮闘する中で、真実にたどり着き、彼らの未来のために悩み、成長していく姿を描く。
17

慈雨
柚月裕子
集英社
定年退職した元警察官の神場は、妻と四国遍路の旅に出る。旅先で16年前の幼女殺害事件と酷似した事件が発生。過去の事件で犯した過ちの贖罪のため、神場は捜査に協力する。消せない罪悪感を抱えながら、事件の真相を追い求める。
18

盤上の向日葵
柚月裕子
中央公論新社
山中で発見された白骨遺体と名匠の将棋駒。刑事たちは駒の足取りを追い、異端の天才棋士・上条桂介にたどり着く。上条は実業界から将棋界へ転身し、竜昇戦に挑もうとしていた。捜査が進むにつれ、上条と伝説の真剣師・東明重慶との関係が浮かび上がる。衝撃の結末が待ち受ける将棋ミステリー。
19

ミカエルの鼓動
柚月 裕子
文藝春秋
大学病院で手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、ミカエルを用いない手術を完遂する。難病の少年の治療方針を巡り対立する二人。西條を慕う若手医師が命を絶ち、大学病院の闇を暴こうとする記者も現れ、西條は翻弄される。
20

チョウセンアサガオの咲く夏
柚月裕子
KADOKAWA
認知症で寝たきりの母を介護する三津子は、献身的な娘として医者から褒められることが喜びだった。幼い頃から病弱だった三津子は、母の看病が心の支えだった。しかし、母の容態が悪化するにつれ、三津子は無意識のうちに母の体調が悪くなることを望むようになる。
21

教誨
柚月裕子
小学館
吉沢香純は、遠縁の死刑囚・三原響子から身柄引受人に指名される。響子は10年前、幼女2人を殺害した罪で死刑囚となっていた。響子の遺骨を引き取った香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味を探るため、響子の教誨師だった住職の力を借り、事件の関係者と面会を重ねる。事件の真相に迫るにつれ、響子の過去と事件の意外な繋がりが見えてくる。
22

風に立つ
柚月裕子
中央公論新社
南部鉄器職人の父・孝雄が、非行少年を預かる補導委託を引き受けた。息子の悟は、仕事一筋だった父の行動に戸惑う。補導される春斗はエリートの父との確執から万引きをしていた。それぞれの家族が抱える問題が明らかになる中、親と子の絆が描かれる。