歌野晶午の著作まとめ
歌野晶午は1961年千葉県生まれの推理作家。東京農工大学卒業後、1988年に島田荘司の推薦を受け『長い家の殺人』でデビュー。新本格ミステリの旗手として、巧妙なトリックと予測不能などんでん返し、深い人間ドラマを描くことで知られる。代表作『葉桜の季節に君を想うということ』は日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得するなど高く評価された。同作は「必ず二度読みたくなる」と言われるほど伏線が巧みに張り巡らされている。他にも『密室殺人ゲーム』シリーズなど人気作多数。読後に切ない余韻を残す作風も魅力で、多くのミステリファンを惹きつけている。
小説一覧
1

長い家の殺人
歌野晶午
講談社
大学生バンド「メイプルリーフ」が解散ライブの練習で訪れたペンションで殺人事件が発生。メンバーの1人が密室で殺害される。その後、解散ライブでも事件が。完璧な密室とアリバイの中、メンバーたちは次々と不可解な死を遂げる。
2

白い家の殺人
歌野晶午
講談社
八ヶ岳の別荘で、女子高生が逆さ吊り死体で発見。密室状態に騒然となる中、青年探偵・信濃譲二が調査を開始するも、第二の惨劇が。一冊の日記から猪狩家の過去が明らかになる。信濃は完全犯罪を暴けるのか?
3

動く家の殺人
歌野晶午
講談社
劇団「マスターストローク」にマネージャーとして参加した信濃譲二。公演初日、劇で使用するはずのナイフが本物とすり替えられ、劇団員の住吉が刺される。6年前の稽古中の死亡事故との関係が疑われる中、信濃が真相解明に挑む。
4

放浪探偵と七つの殺人
歌野晶午
講談社
「家シリーズ」の探偵・信濃譲二が活躍する短編集。密室、死体消失、アリバイ崩しなど、奇想天外な難事件に挑む。ドア⇔ドア、幽霊病棟、不在者名は罪、水難の夜、二重解決、死者の তাস、盗まれた手紙、の7つの短編で構成され、読者への挑戦状とも言える作品。
5

密室殺人ゲーム王手飛車取り
歌野晶午
講談社
ネットで知り合った奇妙なHNの5人が、互いに殺人の推理ゲームを出題。しかし、それは現実の殺人を元にしたものだった。巧妙なトリックが仕掛けられた連続殺人ゲームの果てに、驚愕の真相が明らかになる。リアル殺人ゲームの行く末は?
6

密室殺人ゲーム2.0
歌野晶午
講談社
ネットで繋がった5人が、互いの殺人を推理し合うゲームをしていた。しかし、それは現実の殺人事件。前作の事件を模倣した新たなグループが現れ、ゲームは更なる狂気へ。模倣犯たちはオリジナルを超えようと、凄惨な密室殺人を繰り返す。衝撃の結末とは?
7

密室殺人ゲーム・マニアックス
歌野晶午
講談社
ネット上で奇妙なハンドルネームを持つ5人が推理バトル。出題者は実際に密室殺人を実行し、トリックを解けと挑発。謎解きに勝つためだけに人を殺す非情な連中の命運は尽きるのか?リアル殺人ゲームが今日も行われる。
8

名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート
歌野 晶午
KADOKAWA
ワーカホリック気味の刑事・舞田歳三は、高利貸しの女が被害者の放火殺人を捜査。容疑者は浮上するも証拠がない。そんな中、11歳の姪・ひとみの言葉から事件の盲点に気づき、驚きの真相が明らかに!叔父と姪の日常に巧妙な伏線が張り巡らされた、どんでん返し満載の連作ミステリ。
9

名探偵は反抗期 舞田ひとみの推理ノート
歌野 晶午
KADOKAWA
水泳部を辞めた中学2年の愛美璃は、友人の家族を騙した募金詐欺師の女を追う羽目に。旧友の舞田ひとみも加わるが、女は殺されてしまう。容疑者が浮上するも、ひとみの言葉から事件は意外な展開へ。校内の盗難事件、先生が見た幽霊、少年が残した暗号など、街の難事件に少女たちが挑む青春ミステリー。
10

誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート
歌野 晶午
KADOKAWA
引きこもりの少年、馬場由宇は近所の幼児虐待を疑い、真珠を助け出すが連れ去られる。由宇は友人、舞田ひとみに助けを求める。ひとみの推理で解決したかに見えた事件は思わぬ形に変貌していく。謎が謎を呼ぶ誘拐ミステリ。
11

ガラス張りの誘拐
歌野晶午
講談社
さえない中年刑事、佐原の娘が誘拐された。犯人は現金1億円を要求し、衆人環視の中での身代金受け渡しを指定。過去の連続少女誘拐殺人事件との関連も疑われる中、佐原は犯人の奇想天外な要求に翻弄される。やがて娘は帰ってくるが、誘拐自体がなかったと主張し…。
12

死体を買う男
歌野晶午
講談社
江戸川乱歩の未発表作「白骨鬼」が発見され話題に。同時期、南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺。乱歩と詩人・萩原朔太郎は事件の調査に乗り出す。実は「白骨鬼」には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。
13

さらわれたい女
歌野晶午
講談社
「私を誘拐してください」美しい人妻は便利屋にそう依頼した。夫の愛を確かめる狂言誘拐。報酬は百万円。シナリオ通り誘拐は成功するが、身を隠していた彼女が殺されていた。金に目が眩んだ便利屋は、予期せぬ事態に巻き込まれていく。二転三転する誘拐ミステリー。
14

ROMMY 越境者の夢
歌野晶午
講談社
人気絶頂の歌手ROMMYが絞殺死体で発見される。ROMMYの音楽に惚れ込んだ中村は奇妙な行動を取り、一瞬の隙にROMMYの死体は何者かに切り刻まれ奇妙な装飾が施されていた。一体誰が何のために?天才歌手に隠された驚愕の真相とは。
15

正月十一日、鏡殺し
歌野晶午
講談社
夫を亡くした妻は、同居する姑への憎しみを募らせていた。彼女が働きに出たのは、このままでは姑を殺してしまうと感じたから。日常に潜む恐怖を描いた、歌野晶午の短編集「正月十一日、鏡殺し」の一編他。
16

ブードゥー・チャイルド
歌野 晶午
KADOKAWA
僕は前世の記憶を持つ中学生・晃士。前世は黒人の少年で悪魔に殺されたという。HPで前世を調べると、義母が殺され、父も襲われる。天才少年ジュリアンが現れ、晃士の出生の秘密と殺人事件の真相が明らかになる。読者の誤認を利用したミステリー。
17

安達ヶ原の鬼密室
歌野晶午
講談社
太平洋戦争末期、疎開先から逃げ出した梶原兵吾少年は、ある屋敷で宿を借りる。その夜、少年は窓から忍び入る鬼を目撃。翌日から、虎の像の口にくわえられた死体をはじめ、屋敷内で異様な死が続く。50年後、「直観」探偵・八神一彦が真相を解明する。
18

生存者、一名
歌野 晶午
祥伝社
都内で爆弾テロを起こした宗教団体の実行犯4人と幹部2人は、屍島という孤島へ逃れる。しかし幹部の一人が消え、残された5人は孤立。食料を巡る疑心暗鬼の中、一人ずつ殺されていく。誰が犯人なのか?最後に生き残る者は?
19

世界の終わり、あるいは始まり
歌野 晶午
KADOKAWA
東京近郊で誘拐事件が連続発生。被害者は身代金受け渡し前に殺害される。富樫修は、息子・雄介が事件に関わっているのではと疑念を抱く。雄介の部屋から被害者の父親の名刺が見つかり、疑惑は深まる。父親は真相を追ううちに衝撃的な事実に直面する。
20

館という名の楽園で
歌野 晶午
祥伝社
N大ミステリ研OBの冬木から、同期の仲間たちに「三星館」という館の新築披露パーティーの招待状が届く。冬木は館で推理イベントを提案し、参加者は役割を決めてゲームを行う。しかし、ゲームが進むにつれて、奇妙な現象が起こり、最後に惨劇が待ち受けていた。館で起こる架空の殺人ゲームを描いた作品。
21

葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午
文藝春秋
元探偵の成瀬将虎は、ひき逃げで亡くなった愛子の祖父の事件調査と、自殺を図った麻宮さくらとの出会いを経験する。愛子の祖父は悪徳商法に巻き込まれており、将虎は調査を進める。さくらとの関係を深める一方で、事件の真相に迫るにつれ、二つの出来事が複雑に絡み合っていく。
22

家守
歌野 晶午
KADOKAWA
何の変哲もない家で主婦が死亡。密室状態だったため事故死と思われたが、捜査で30年前の事件が浮上する。他に、洋館で失踪した幼馴染の行方、フリーターに持ちかけられた不可解な仕事、片田舎の人間模様、主婦を悩ませる一家惨殺事件など、「家」にまつわる5つのミステリー。
23

ジェシカが駆け抜けた七年間について
歌野 晶午
KADOKAWA
アメリカの陸上クラブで、日本人選手アユミが監督を呪い自殺。同僚のジェシカは監督を憎む。7年後、ジェシカは監督を前に、アユミのために復讐を決意する。
24

魔王城殺人事件
歌野 晶午
講談社
星野台小五年一組の佐藤翔太たちは探偵クラブを結成。二学期最初の活動は、町外れの洋館「デオドロス城」の探索。ゾンビ女を目撃し、庭の小屋で死体を発見する。謎を解明するため再潜入するが…。本格ミステリの楽しさ満載の冒険譚。
25

女王様と私
歌野 晶午
KADOKAWA
冴えないオタクの真藤数馬は無職で独身。ある日、彼は「女王様」と出会い、それは悪夢の始まりだった。次々と起こる殺人事件に巻き込まれ、彼は犯人に仕立て上げられる。真犯人を追ううちに、彼は事件の真相に近づくが、更なる罠が待ち受けていた。
26

そして名探偵は生まれた
歌野晶午
祥伝社
名探偵・影浦逸水の助手である武邑は、影浦の俗物的な面に辟易していた。慰労会で訪れた伊豆の山荘で社長が密室殺人される。影浦が推理を始めるが、事件は意外な展開へ。実は武邑は、影浦を陥れるために事件を仕組んだのだった。
27

ハッピーエンドにさよならを
歌野 晶午
KADOKAWA
『ハッピーエンドにさよならを』は、歌野晶午による短編集。幸せな結末を迎えることのない、後味の悪い、しかしどこか中毒性のある物語が詰まっている。合コンで出会った内気な男の不気味な行動、夏休みに訪れる田舎での恐ろしい体験、骨髄移植のために生まれた姉妹の物語など、日常の裏に潜む狂気や、予想外の結末が読者を待ち受ける。ミステリーの企みに満ちた、驚愕のアンチ・ハッピーエンド・ストーリー。
28

絶望ノート
歌野晶午
幻冬舎
いじめを受けている中学2年生の照音は、「絶望ノート」に苦しみを綴っていた。ある日、彼は石を神と崇め、いじめの中心人物の死を願うと、その人物は死んだ。しかし、いじめは終わらず、彼は次々と殺人を依頼する。警察が捜査を始めるが、事態は思わぬ方向へ向かう。
29

春から夏、やがて冬
歌野 晶午
文藝春秋
スーパーの保安員・平田は万引き犯のますみを捕まえるが、彼女の生年月日に特別な意味を感じ、警察へ突き出すのを止める。偶然の出会いを経て、二人は驚くべき因縁で結ばれていたことが判明する。これは絶望と救済のミステリー。
30

ずっとあなたが好きでした
歌野 晶午
文藝春秋
国内外の様々な場所で、様々な男女が恋模様を繰り広げる連作短編集。バイト先の女子高生への淡い恋、転校生へのときめき、人生の夕暮れの穏やかな想いなど、一筋縄ではいかない恋愛小説集…だが、ミステリーの仕掛けが隠されている。
31

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは
歌野 晶午
KADOKAWA
カメラマンの「私」は渋谷で少年・聖也と知り合う。ある日、道玄坂のバーで話していると向かいの薬局の様子がおかしい。駆けつけると女性が倒れており、2人で事件を探ることに。しかし、「私」はあることに気づき、元の世界には戻れなくなる。
32

明日なき暴走
歌野晶午
幻冬舎
TV人気企画「明日なき暴走」は、実はディレクター長谷見のヤラセ。それを知らないネクラ美容師が若者と交錯し殺人鬼に変貌、凶行を重ねる。長谷見は視聴率アップを狙い職務停止になるも、警察の裏をかき殺人鬼とコンタクト、映像に収めようとする。
33

間宵の母
歌野晶午
双葉社
小学三年生の詩穂と紗江子は親友だったが、紗江子の父が詩穂の母と失踪。残された紗江子の母は狂乱し、詩穂も父親からDVを受けるようになる。間宵家に関わる人々を巻き込み、狂気が連鎖していく。やがて意外な真相が明らかになる。