辻村深月の著作まとめ
辻村深月は1980年山梨県生まれの小説家。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。ミステリーを基軸に、青春、恋愛、ホラーなど幅広いジャンルを手掛ける。若者の繊細な心理描写に定評があり、読者の心の痛みや葛藤に寄り添いながらも、最後には希望を感じさせる温かさを持つ物語が特徴。作品間で登場人物や世界観がリンクすることも魅力の一つ。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で直木賞、『かがみの孤城』で本屋大賞を受賞するなど受賞歴多数。代表作に『傲慢と善良』『ハケンアニメ!』などがあり、多くが映像化されている。ドラえもん好きとしても知られ、映画脚本も担当した。
小説一覧
1

冷たい校舎の時は止まる
辻村深月
講談社
雪の日に8人の高校生が無人の校舎に閉じ込められる。開かない扉、止まった時計。2ヶ月前の学園祭で同級生が自殺したが、8人は誰が死んだのか思い出せない。不可解な現象が続く中、消えていく仲間たち。彼らは真実を求め、止まった時間の中で記憶を辿り始める。
2

子どもたちは夜と遊ぶ
辻村深月
講談社
大学受験を控えた高校生が行方不明になり、世間が騒然とする中、木村浅葱は真相を知っていた。姿の見えない『i』に会うため、浅葱はゲームを始める。孤独な子供たちが引き起こす事件は、さらなる悲劇を招いていく。
3

凍りのくじら
辻村 深月
講談社
写真家の父が失踪し、病気の母と暮らす高校生の理帆子。彼女は周囲の人物を「少し・〇〇」と名付ける癖があり、自身を「少し・不在」と感じている。そんな中、理帆子は写真のモデルを依頼され、孤独な心を癒されていくが、過去の恋人の存在が事態を思わぬ方向へ導く。家族と大切な人との繋がりを描いた物語。
4

ぼくのメジャースプーン
辻村深月
講談社
「ぼく」には、相手に選択を強制する特殊な能力があった。小学4年生の時、幼馴染のふみちゃんが、学校で起きた兎の惨殺事件で心を閉ざしてしまう。ふみちゃんの心を救うため、「ぼく」は禁じられた能力を使う決意をする。それは、悪意に満ちた犯人との、たった一度の闘いだった。
5

スロウハイツの神様
辻村深月
講談社
人気作家チヨダ・コーキの小説が原因で人が死んだ事件から10年。脚本家の赤羽環がオーナーを務めるアパート「スロウハイツ」では、コーキと友人たちが共同生活を送り、夢を語り、物語を作る日々を送っていた。そんな中、空室に新たな住人がやってきて、彼らの生活に変化が訪れる。
6

名前探しの放課後
辻村 深月
講談社
高校生の依田いつかは、クラスメイトの自殺を3ヶ月前に遡って阻止するため、タイムスリップしたことに気づく。しかし、誰が自殺するのか思い出せない。彼はクラスメートの坂崎あすなや友人たちと協力し、「誰か」を探し始める。いじめられている河野基が候補に挙がるが、彼は自殺を否定。いつか達は河野を救おうと奔走する。
7

太陽の坐る場所
辻村 深月
文藝春秋
高校卒業から10年、毎年開かれるクラス会に、女優になったキョウコは今回も欠席。同級生たちは彼女を呼ぼうとするが、高校時代の苦い記憶が蘇る。実はキョウコと呼ばれる人物は二人存在し、それぞれの人生が交錯する中で、過去の秘密と向き合っていくことになる。
8

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
辻村深月
講談社
幼馴染のチエミが母親を殺害。みずほは、仲が良かった母娘に何があったのか、なぜ自分の母親ではなかったのかと疑問を抱く。過去を捨て上京したみずほは、チエミの行方を追う。第一章はみずほ視点、第二章は逃亡中のチエミ視点で描かれる。全ての娘は、自分の母親に等しく傷つけられている。
9

V.T.R.
辻村深月
講談社
3年前に別れたアールから突然電話があり、「今から私の酷い噂を聞くことになる。でも私は変わってない」と告げられる。アールを心配する「ティー」は、彼女の情報を集めるうちに、信じられない噂を耳にする。『スロウハイツの神様』に登場する人気作家チヨダ・コーキのデビュー作。
10

本日は大安なり
辻村 深月
KADOKAWA
ある大安の日、結婚式場で同時刻に式を挙げる4組のカップル。新郎を試すため入れ替わる双子、過去を清算できないウェディングプランナー、叔母の毒殺計画を目撃した少年、浮気相手との式を中止させようとする新郎。それぞれの思惑が交錯し、予期せぬドラマが繰り広げられる。
11

オーダーメイド殺人クラブ
辻村 深月
集英社
中学2年生の小林アンは、死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、友達との関係に悩んでいた。閉塞感を抱くアンは、同級生の徳川に自分自身の殺害を依頼する。二人は人々の記憶に残る殺人事件を計画する。
12

水底フェスタ
辻村深月
文藝春秋
過疎化が進む睦代村に、女優の織場由貴美が帰郷。高校生の広海は彼女に惹かれ、村のロックフェスで再会する。由貴美は村への復讐を企てており、広海は彼女の計画に巻き込まれていく。村の秘密と由貴美の嘘が絡み合い、過去の事件が再び動き出す。閉鎖的な村社会の闇と、それぞれの思惑が交錯する物語。
13

島はぼくらと
辻村深月
講談社
瀬戸内海の冴島で暮らす朱里、衣花、源樹、新は高校の同級生。卒業後島を出ることを考えていた彼らの前に、「幻の脚本」を探す青年が現れる。淡い恋心、友情、島を想う大人たちの覚悟。それぞれの想いが交錯する中、彼らは未来へと歩み出す。
14

盲目的な恋と友情
辻村深月
新潮社
タカラジェンヌの母を持つ蘭花は美貌に無自覚で恋を知らなかったが、大学オケの指揮者・茂実に惹かれ恋愛に溺れる。しかし茂実の裏切りを知り、5年間の恋は衝撃的な終焉を迎える。友人・留利絵の目からその歳月を見つめると、別の真実が浮かび上がる。男女と女友達の妄執を描いた長編。
15

ハケンアニメ!
辻村深月
マガジンハウス
アニメ業界を舞台に、覇権(ハケン)を争う2つの作品。天才監督・王子千晴とプロデューサー・有科香屋子の「運命戦線リデルライト」。新人監督・斎藤瞳とプロデューサー・行城理の作品。それぞれのチームが、アニメ制作の現場で奮闘し、様々な立場の人間模様が交錯する群像劇。
16

朝が来る
辻村 深月
文藝春秋
栗原清和・佐都子夫婦は不妊治療の末、特別養子縁組で朝斗を授かる。夫婦は朝斗と平穏な日々を送っていたが、ある日、「息子を返してほしい」という電話がかかってくる。それは朝斗の生母を名乗る女性からの電話だった。中学生で出産し、子供を手放した過去を持つ女性と、夫婦の葛藤を描く。
17

東京會舘とわたし
辻村 深月
文藝春秋
大正11年創業の東京會舘は、訪れる客や従業員に寄り添い、様々な物語を紡いできた。戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したカクテル、クッキングスクール。震災や空襲、GHQの接収を経て、昭和、平成、そして新元号の年まで、建物は人々の記憶とともに歴史を刻んでいく。
18

クローバーナイト
辻村深月
光文社
小さな会計事務所で働く鶴峯裕は、妻・志保と共働きで二人の子供を育てている。保育園でのママ友、パパ友との関係や、子供の育児にまつわる難題や謎が鶴峯家に押し寄せる。裕はそれらの問題を解決し、家族の幸せを守るために奮闘する。
19

かがみの孤城
辻村深月
ポプラ社
学校で居場所をなくし不登校になった中学生・こころは、部屋の鏡が光り出したことをきっかけに、見知らぬ城に招かれる。そこには似た境遇の6人の中学生がおり、「オオカミさま」と呼ばれる少女から、城に隠された鍵を見つければ願いが叶うと告げられる。鍵を探すうち、7人には共通点があることが分かり、次第に心を通わせていく。
20

青空と逃げる
辻村深月
中央公論新社
劇団員の父が交通事故を起こし失踪。母・早苗と息子の力は、世間の追及から逃れるように東京を飛び出す。高知、兵庫、大分、仙台と各地を転々とする中で、様々な人々と出会い、それぞれの過去と秘密を抱えながら、壊れてしまった家族の再生を目指すロードムービー。
21

小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記
藤子・F・不二雄
小学館
月面探査機の白い影をのび太が月のウサギだと主張するも笑われる。ドラえもんの道具で月の裏にウサギ王国を作ると、謎の転校生ルカが仲間に。月でエスパルに出会うが、彼らを狙う宇宙船が現れる。ルカはエスパルの子孫で、故郷を守るため戦う決意をし、のび太達も協力する。
22

傲慢と善良
辻村 深月
朝日新聞出版
39歳西澤架は、婚活アプリで知り合った真実と婚約。結婚式を間近に控えていたある日、真実が忽然と姿を消す。架は真実の居場所を探すため、彼女の過去と向き合うことになる。それは、彼女の嘘や秘密、そして意外な人間関係を知る旅でもあった。
23

琥珀の夏
辻村 深月
文藝春秋
弁護士の法子は、かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉跡地で発見された白骨死体が、自身の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。小学生の頃、法子も同学校の夏合宿に参加し、そこで出会った少女と友情を育んだ。もし、あの少女が死んでいたとしたら…。30年前の記憶を辿り、少女の行方と学校の秘密を追う中で、子供を翻弄する大人の姿が浮かび上がる。
24

闇祓(やみはら)
辻村 深月
KADOKAWA
転校生の白石要は、クラスに馴染めない少し不思議な青年。委員長の澪は彼に親切に接するが、要は「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したりと不審な行動を繰り返す。恐怖を覚えた澪は先輩に助けを求めるが、身近な悪意が増殖していく。
25

この夏の星を見る
辻村 深月
KADOKAWA
コロナ禍の2020年、茨城の高校に通う亜紗は天文部で活動するも、合宿やスターキャッチコンテストが中止に。渋谷の中学生・真宙も同様の状況下で、リモートで繋がった全国の天文部員とコンテスト開催を目指す。長崎の円華は吹奏楽部でコンクール中止、実家の旅館も苦境に立たされ葛藤する。困難な状況下でも星を見上げ、未来への希望を見出す青春物語。
26

ロードムービー
辻村深月
講談社
小学校6年生になる前の春休み、トシは、万引きの噂がある内気なワタルを助けるため、S県へ家出を計画。クラスでの孤立やいじめ、児童会長選挙などを経て、ワタルの家の借金を誘拐の身代金にする計画を実行する。道中、弁護士タカノと出会い、過去と現在が交錯する中、友情と成長を描いた物語。
27

ふちなしのかがみ
辻村 深月
角川書店(角川グループパブリッシング)
冬也に一目惚れした加奈子は、恋の行方を知りたくて禁断の占いに手を出してしまう。鏡の前に蝋燭を並べ、向こうを見やると……。学校の七不思議、花子さんの噂。幽霊を見る人は、それを見るだけの理由をもつ。これは、あなたを映す鏡である。
28

光待つ場所へ
辻村深月
講談社
自信家の大学生・清水あやめは、才能に打ちのめされる経験をする(「しあわせのこみち」)。卒業旅行でベルリンを訪れた大学生は、大切なことに気づく(「アスファルト」)。嘘で塗り固めた人生を送る女性が「本当」を語る(「チハラトーコの物語」)。扉が開く瞬間を描いた5編を収録。
29

ツナグ
辻村深月
新潮社
一生に一度だけ死者との再会を叶える「使者(ツナグ)」。依頼人は、突然死したアイドルが心の支えだったOL、癌を告知できない息子、親友に嫉妬する女子高生、失踪した婚約者を待つ会社員。再会を通して、生者はそれぞれの想いを抱え、何を得るのか。
30

サクラ咲く
辻村 深月
光文社
本好きで内気な中学一年生、塚原マチは図書館で「サクラチル」と書かれた便箋を見つける。誰が書いたのか?顔の見えない相手との文通が始まり、二人の距離は近づいていく。青春の喜びや痛みを描いた表題作を含む三編の傑作集。
31

鍵のない夢を見る
辻村深月
文藝春秋
地方都市を舞台に、平凡な女性たちがふとしたきっかけで窃盗、放火、逃亡、殺人、誘拐といった犯罪に手を染めてしまう5つの短編からなる物語。彼女たちが抱える日常の不満や欲望、そして魔が差す瞬間をリアルに描き、読者の心に潜む闇を映し出す。
32

家族シアター
辻村深月
講談社
7つの短編からなる家族小説集。姉を「イケてない」と思っていた妹、親父会に入った大学准教授など、各家庭で起こる事件を通して、家族のややこしさ、そして愛おしさを描く。「妹」という祝福、サイリウム、私のディアマンテ、タイムカプセルの八年、1992年の秋空、孫と誕生会、タマシイム・マシンの永遠を収録。
33

きのうの影踏み
辻村 深月
KADOKAWA
小学生の頃流行った嫌いな人を消せるおまじない、電車の中で出会った女の子から奇妙な現象が始まる。交通事故で亡くした子を待ちわびる母の願い。日常に潜む「スイッチ」で異形の存在が見える。怪談や都市伝説を中心に、幻想的な物語や摩訶不思議な体験を描いた短編集。
34

噛みあわない会話と、ある過去について
辻村深月
講談社
「噛みあわない会話と、ある過去について」は、辻村深月による4つの短編からなる作品集。過去と向き合う人々を描き、それぞれの物語が日常で生まれる「噛み合わなさ」や、そこに秘められた過去の傷をリアルに描いています。登場人物たちが抱える「気付かないふりをした感情」や「許せない相手」との再会を通して、予想外の結末を迎えます。
35

ツナグ 想い人の心得
辻村 深月
新潮社
死者との面会を叶える使者の渋谷歩美は、会社員として働きながら使者の務めを続けていた。「代理」で依頼に来た若手俳優、歴史学者、亡くした娘を思う二人の母親。様々な依頼に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れる。生者と死者の想いが交錯する中で、歩美は自らの役割と向き合っていく。
36

レジェンドアニメ!
辻村深月
マガジンハウス
『ハケンアニメ!』のスピンオフ。アニメ業界で働く人々の、夢、希望、情熱、プライド、愛、敬意が詰まった物語。天才監督、有能なプロデューサー、新人監督など、覇権を争った人々の過去や未来を描く。6つの短編で構成され、アニメ制作の舞台裏やクリエイターたちの人間模様が描かれる。
37

嘘つきジェンガ
辻村 深月
文藝春秋
『嘘つきジェンガ』は、幸せを求めて嘘にすがる人々の悲哀を描いた3つの物語からなる短編集。ロマンス詐欺、裏口入学詐欺、サロン詐欺をテーマに、騙す側と騙される側の心理をリアルに描き出し、嘘が積み重なって崩れていく様を描く。それぞれの嘘の裏にある人間関係や再生の物語。
38

すきって いわなきゃ だめ?
辻村 深月
岩崎書店
小学生の主人公は、クラスで恋の話が盛り上がる中、「好きな人はいないの?」「好きな人がいるなら、好きって言わないの?」と聞かれる。「わかんない」と答えるけれど、本当はこうくんが好き。自分の気持ちを伝えるべきか悩む、みずみずしい心の風景を描いた物語。
39

ネオカル日和
辻村 深月
講談社
小学生の頃に出会った本の記憶、夏休みに訪れた田舎の古い土蔵、放課後の駄菓子屋での買い食い。それら全てが物語を紡ぐ。日本の新文化を徹底取材したルポを中心に、著者の好きな物を詰め込んだエッセイ集。掌編と短編小説も収録した贅沢な一冊。
40

図書室で暮らしたい
辻村深月
講談社
辻村深月の“好き”が詰まったエッセイ集。グアムで見つけたわが家そっくりの本棚、単行本を詰め込み壊したリュック、憧れの作家のサイン会など、“好き”で彩られた世界が描かれる。小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの…辻村ワールドがもっと好きになること間違いなし!