森博嗣の著作まとめ

森博嗣は1957年愛知県生まれの作家。工学博士で元大学助教授。妻はイラストレーターのささきすばる。1996年、彼をデビューさせるために設立されたとも言われる第1回メフィスト賞を『すべてがFになる』で受賞。同作はドラマ化やアニメ化もされ、理系ミステリーの旗手として不動の地位を築く。怜悧で知的、ロジカルかつシンプルな作風が特徴。代表作は犀川助教授と西之園萌絵が活躍する「S&Mシリーズ」や、押井守監督によりアニメ映画化された『スカイ・クロラ』シリーズなど多数。ミステリ、SF、エッセイなどジャンルは多岐にわたり、著作は300冊を超える。緻密な世界観と独特のキャラクター造形、哲学的な問いを投げかける作風で、多くの読者を魅了し続けている。

小説一覧

1
表紙
すべてがFになる
森博嗣
講談社
孤島の研究所で隔離生活を送る天才工学博士・真賀田四季。研究所を訪れたN大助教授・犀川創平と学生・西之園萌絵は、四季の部屋からウエディングドレスを着た両手両足を切断された死体を発見する。部屋には「すべてがFになる」というメッセージが残されていた。犀川と萌絵は不可解な密室殺人に挑む。
2
表紙
冷たい密室と博士たち
森博嗣
講談社
犀川と萌絵は、喜多の誘いで極地研へ。その夜、極地研内でコンパ中に、密室状態の実験室から男女2人の大学院生の死体が発見される。外部からの侵入は不可能。犀川と萌絵は、限られた情報から密室の謎を解き明かそうとする。
3
表紙
笑わない数学者
森博嗣
講談社
天才数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」でパーティが開かれ、博士はオリオン像を消してみせる。翌朝、オリオン像が再び現れた時、2つの死体が発見される。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが、館の謎と殺人事件の真相に挑む。
4
表紙
詩的私的ジャック
森博嗣
講談社
大学施設で女子大生が密室で連続殺人される。被害者の肌には文字状の傷。捜査線上に浮上したのはロック歌手の結城稔。彼の歌詞が事件と酷似していた。犀川創平と西之園萌絵が、事件の構造を解体していく。
5
表紙
封印再度
森博嗣
講談社
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残し密室で謎の死。家宝と風采の死の秘密は未解明のまま、今度は林水が死体で発見される。犀川と西之園コンビが二つの死と家宝の謎に迫る。鍵は壺の中に再度封印される。
6
表紙
幻惑の死と使途
森博嗣
講談社
天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショー中に殺害され、遺体は霊柩車から消失。犀川と萌絵は、幾重にも重なる謎に挑む。匠幻は最後の脱出を成功させたのか?愛弟子の死、巧妙なトリック、そして「名前」の考察が、事件の真相へと導く。
7
表紙
夏のレプリカ
森博嗣
講談社
夏休み、大学院生の杜萌は帰省先で仮面の男に誘拐される。家族も拉致されるが、兄だけが行方不明に。杜萌は事件の真相を追う。同時期に萌絵と犀川は別の事件を追っており、杜萌が主体となり事件を解決していく。眩い光、朦朧とする意識、事件に隠された過去とは?
8
表紙
今はもうない
森博嗣
講談社
避暑地の別荘で、美人姉妹が隣り合った密室の部屋でそれぞれ死体で発見される。部屋は映写室と鑑賞室で、発見時スクリーンには映画が。折しも嵐で電話も不通に。婚約者の伝手で別荘に来ていた笹木は、西之園萌絵と出会い、密室の謎に挑むことになる。
9
表紙
数奇にして模型
森博嗣
講談社
模型交換会で、モデル女性の首なし死体が密室で発見される。現場にいた大学院生・寺林高司は、別の密室殺人事件の容疑者でもあった。犀川と萌絵は、二つの密室事件に挑む。読者の思い込みを揺さぶり、犯人の心理へと誘うミステリー。
10
表紙
有限と微小のパン
森博嗣
講談社
日本最大のソフトメーカーが経営するテーマパークを訪れた萌絵と友人たち。そこでは過去に死体消失事件が発生していた。萌絵らを待ち受ける新たな事件と謎。一方、犀川はゲームに現れる不可思議な演出の話を聞き長崎へ向かう。事件の影には天才プログラマ真賀田四季の存在が。現実離れした出来事、交錯する虚構と現実。核心に存在する偉大な知性の正体とは。
11
表紙
黒猫の三角
森博嗣
講談社
那古野市で、ある規則に従い毎年連続殺人が発生。今年は小田原静江に脅迫状が届く。探偵・保呂草は、静江の誕生日パーティーが行われる桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江が殺害される。瀬在丸紅子が事件の謎に挑む。
12
表紙
人形式モナリザ
森博嗣
講談社
蓼科の私設博物館「人形の館」で乙女文楽の公演中、人形役の岩崎麻里亜が毒殺され、操り手の岩崎雅代が刺殺される。2年前には麻里亜の夫も不可解な死を遂げていた。瀬在丸紅子と阿漕荘の面々は、美しい避暑地で起きた事件に遭遇し、真相に迫る。
13
表紙
月は幽咽のデバイス
森博嗣
講談社
薔薇屋敷と呼ばれる館で、オオカミ男の噂が立つ中、瀬在丸紅子たちがパーティに出席。密室のオーディオルームで衣服が引き裂かれた惨殺死体が発見される。現場には血痕が飛び散り、紅子たちが事件の真相を追う。
14
表紙
夢・出逢い・魔性
森博嗣
講談社
瀬在丸紅子らはクイズ番組に出演するため東京のテレビ局へ。プロデューサー柳川は20年前に死んだ恋人の夢に悩まされ、探偵の稲沢に調査を依頼する。しかし柳川は密室で殺害され、アイドルタレントの立花亜裕美が失踪。小鳥遊練無は事件の核心に迫る少女と共に行方不明になる。紅子は論理的な推理で真相に迫る。
15
表紙
魔剣天翔
森 博嗣
講談社
航空ショーで、アクロバット飛行中のパイロットが機内で射殺される。同乗していた女性記者が容疑者となるが、状況は密室。一方、保呂草は「エンジェル・マヌーヴァ」と呼ばれる宝剣の捜索を依頼されていた。事件と宝剣、二つの謎に阿漕荘の面々と瀬在丸紅子が挑む。
16
表紙
恋恋蓮歩の演習
森博嗣
講談社
世界一周豪華客船ヒミコ号で、天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀が。保呂草と紫子は仕事で、紅子と練無は無賃乗船。航海中、密室で男性客が消失。謎が交錯し、ロマンチックな罠が仕掛けられるVシリーズ長編。
17
表紙
六人の超音波科学者
森博嗣
講談社
山奥の超音波研究所でのパーティに招かれた紅子たち。しかし、研究所へ続く橋が爆破され、所内で科学者の死体が発見される。外部との連絡が途絶え、紅子たちは真相究明に乗り出すが、第二の事件が発生し、研究所は孤立無援となる。
18
表紙
捩れ屋敷の利鈍
森博嗣
講談社
メビウスの帯のような構造の捩れ屋敷で、宝剣「エンジェル・マヌーヴァ」が消え、密室で死体が発見される。さらに第二の死体も。招待客の保呂草潤平と西之園萌絵は事件の真相を追う。S&MシリーズとVシリーズが交錯するミステリー。
19
表紙
朽ちる散る落ちる
森博嗣
講談社
土井超音波研究所の地下密室で奇妙な死体が発見。一方、数学者・小田原の示唆で紅子は周防教授に会う。彼は帰還した有人衛星の乗組員が殺されていたと語る。地下と宇宙、二つの密室の謎に挑むVシリーズ第9作。
20
表紙
赤緑黒白
森博嗣
講談社
深夜のマンション駐車場で、赤い塗料を塗られた男の死体が発見される。探偵の保呂草は、被害者の恋人だという女性から、犯人の証明を依頼される。その後、緑色の塗料を塗られた第二の犠牲者が発生。連続殺人事件の真相を追う物語。
21
表紙
女王の百年密室
森博嗣
講談社
エンジニアリング・ライターのミチルとロイディは、女王が統治する幸福な楽園「ルナティック・シティ」を訪れる。そこは百年もの間、外部との接触を絶っていた。しかし、その平和な国で密室殺人が発生。ミチルは事件の真相を追うが、住民たちは「殺人」という概念さえ理解しない。
22
表紙
迷宮百年の睡魔
森 博嗣
講談社
22世紀、ジャーナリストのミチルは相棒ロイディと、一夜にして海に囲まれた伝説の城塞都市イル・サン・ジャックへ。取材中、宮殿で首なし死体が発見され、ミチルが疑われる。閉鎖的な島で、ミチルは事件の真相と都市の秘密に迫る。
23
表紙
赤目姫の潮解
森博嗣
講談社
霧の早朝、語り手の「私」と鮭川は、声を持たない赤目姫とボートに乗っていた。目指す屋敷、チベット、ナイアガラを舞台に、意識は混線し、視点は時空を行き来する。幻想かSFか?自分が誰なのかもわからなくなっていく、百年シリーズ最終作。
24
表紙
四季 春
森博嗣
講談社
天才科学者・真賀田四季の幼少期を描いた物語。病院に入院している透明人間の栗本其志雄は、病院長の姪である5歳の四季と出会う。四季は天才的な知能を持ち、大人びた話し方をする。其志雄と四季は交流を深めるが、病院内で看護婦の阪元が密室で殺害される事件が発生。事件は四季の知性に影響を与えていく。
25
表紙
四季 夏
森博嗣
講談社
13歳の天才少女、真賀田四季は、プリンストン大学で修士号、MITで博士号を取得。叔父と遊園地へ行った際、誘拐される。四季が望んだものとは?孤島の事件の真相が描かれる。「四季」シリーズ第2弾。
26
表紙
四季 秋
森博嗣
講談社
妃真加島で再び起きた殺人事件後、姿を消した四季の噂が広まる。現場に居合わせた萌絵は四季の存在を意識せずにはいられない。犀川が解読したメッセージに導かれ、二人は四季との接触を試みる。四季の知られざる一面が描かれる物語。
27
表紙
四季 冬
森博嗣
講談社
天才科学者、真賀田四季の孤独と成熟を描く物語。「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」という四季の言葉通り、生も死も、時間さえも解体し再構築する彼女。両親殺害、妃真加島の事件、失踪、その後の軌跡を通して、彼女の心の奥底に潜むものが、ある殺人事件を背景に浮かび上がる。
28
表紙
φは壊れたね
森 博嗣
講談社
おもちゃ箱のような部屋で、Y字に吊るされた芸大生の死体が発見される。現場は密室で、室内には一部始終を記録した「φは壊れたね」と題されたビデオテープが残されていた。スーパー大学院生の西之園萌絵が、学生たちと事件の謎を追う。
29
表紙
θは遊んでくれたよ
森博嗣
講談社
転落死した男性の額には「θ」の文字。半月後、手のひらに赤いθが書かれた女性の死体が発見される。その後も「θ」がマーキングされた転落死体が続く。自殺か連続殺人か?西之園萌絵は旧友の反町愛から情報を得て、事件の真相に迫る。
30
表紙
τになるまで待って
森博嗣
講談社
森の中の洋館・伽羅離館に、探偵の赤柳初朗ら7人が集まる。そこは超能力者・神居静哉の別荘。嵐の夜、豪華な晩餐の後、密室で神居が殺害される。彼は死ぬ直前、ラジオドラマ「τになるまで待って」を聴いていた。
31
表紙
εに誓って
森博嗣
講談社
山吹早月と加部谷恵美が乗った深夜バスが、「εに誓って」を名乗る集団に乗っ取られる。犯人たちは都内に爆弾を仕掛けたと主張。恵美は、犯人の目的を探りながら、爆弾の場所を特定しようと奔走する。複雑に絡み合った人間関係と、意外な真相が明らかになるミステリー。
32
表紙
λに歯がない
森博嗣
講談社
密室の研究所で4人の銃殺死体が発見され、全員のポケットには「λに歯がない」と書かれたカードが。被害者たちは全員歯を抜かれていた。事件の謎に迫るにつれて、西之園萌絵は過去の記憶を取り戻していく。
33
表紙
ηなのに夢のよう
森博嗣
講談社
地上12メートルの松の枝に首吊り死体が発見され、そばには「ηなのに夢のよう」と書かれた絵馬が。その後も同様の自殺が相次ぐ。一方、西之園萌絵は両親の飛行機事故の真相に迫る。事件と天才・真賀田四季との関連は?Gシリーズの転換点となる作品。
34
表紙
目薬αで殺菌します
森 博嗣
講談社
関西で劇物入りの目薬「α」が発見され、加部谷恵美が発見した変死体も同じ目薬を握っていた。探偵・赤柳初朗は調査を始めるが、事件の背後には謎のプロジェクトが。一方、萌絵はテーマパークで死体消失事件に巻き込まれる。それぞれの事件が複雑に絡み合う中、真相に迫っていく。
35
表紙
ジグβは神ですか
森博嗣
講談社
芸術家たちが自給自足の生活を営む宗教施設・美之里。夏休みを利用しそこを訪れた加部谷恵美たちは、調査のため足を運んでいた旧知の探偵と再会する。そんななか、芸術家の一人が全裸で棺に入れられ殺されているのが発見される。
36
表紙
キウイγは時計仕掛け
森博嗣
講談社
建築学会が開催される大学に、γの字が刻まれたキウイが届く。それはプルトップが刺さった手榴弾のようなものだった。その夜、大学の学長が射殺される。学会に参加していた加部谷恵美、雨宮純、犀川創平、西之園萌絵らが事件に巻き込まれる。
37
表紙
χの悲劇
森博嗣
講談社
香港で仕事をする島田文子の元に、過去の飛行機事故について質問する男が現れる。その日、トラム内で殺人が発生、死者の手に「χ」の文字が。島田は警察の捜査に協力するが、ある交換条件を持ちかけられ、事件に巻き込まれていく。天才を追い、追い詰められる後期Gシリーズ開幕作。
38
表紙
ψの悲劇
森博嗣
講談社
八田洋久博士が遺書ともとれる手紙を残し失踪。一年後、博士と縁のある者たちが八田家へ集まり、島田文子と名乗る女性が実験室のコンピュータから「ψの悲劇」という小説を発見する。その夜、屋敷で死が訪れる。
39
表紙
イナイ×イナイ
森博嗣
講談社
美術品鑑定事務所に、佐竹千鶴という女性が兄の捜索を依頼。兄は母屋の地下牢に幽閉されているという。助手・小川と真鍋が調査に向かうと、謎の探偵・鷹知が現れる。屋敷内で女性の悲鳴を聞き、地下への入り口を発見。そこには気を失った千鶴と、殺害された双子の妹・千春が。
40
表紙
キラレ×キラレ
森博嗣
講談社
満員電車で女性が切りつけられる事件が続発。探偵の鷹知と小川令子は、被害者が同じクリニックに通っていることを突き止める。しかし、新たな切り裂き魔事件が発生し、殺人事件へと発展。犯行の動機が明らかになるにつれ、真相が浮かび上がる。
41
表紙
タカイ×タカイ
森博嗣
講談社
人気マジシャン牧村亜佐美の自宅で、マネージャーの死体が15メートルのポールの頂上に括りつけられて発見される。探偵の鷹知祐一朗は調査を依頼され、同業者の小川令子や西之園萌絵も事件に関わる。事件は複雑に絡み合い、意外な真相が明らかになる。
42
表紙
ムカシ×ムカシ
森博嗣
講談社
東京近郊の広大な屋敷で資産家の老夫婦が殺害された。遺された美術品を鑑定するため、SYアート&リサーチのメンバーが屋敷へ。そこは大正時代の女流作家・百目一葉を輩出した旧家で、更なる悲劇が。古井戸や蔵、多くの骨董品が残る旧家で、過去と現在が交錯するミステリーが展開される。
43
表紙
サイタ×サイタ
森 博嗣
講談社
爆弾魔チューリップによる連続発火事件が都内を騒がす中、椙田の探偵事務所に奇妙な依頼が舞い込む。それは「ある人物の行動を1週間見張ってほしい」というもの。事務所の小川令子は、対象者の佐曾利隆夫を尾行するうちに、爆弾事件に遭遇し、やがて殺人事件へと発展していく。世間を騒がす爆弾魔とストーカーの接点を描く物語。
44
表紙
ダマシ×ダマシ
森博嗣
講談社
上村恵子は銀行員の鳥坂大介と結婚したはずが、彼は預金と共に消えた。小川令子は鳥坂の捜索依頼を受け、彼が他にも女性を騙していたことを突き止める。しかし鳥坂は死体で発見される。SYアート&リサーチのメンバーは、事件の真相とそれぞれの新たな局面を迎える。Xシリーズ最終話。
45
表紙
馬鹿と嘘の弓
森博嗣
講談社
探偵は匿名の依頼で、社会に絶望した穏やかで理知的なホームレス青年を調査。尾行中、青年の知人の老ホームレスが急死し、遺品から青年の写真が見つかる。青年と元大学教授だった老ホームレスの関係、依頼の目的とは?社会のあり方、人の繋がりを問いかける物語。
46
表紙
歌の終わりは海
森博嗣
講談社
探偵事務所に、作詞家の夫の浮気調査依頼が舞い込む。調査を進めるうち、夫の姉が首を吊って死亡しているのが発見される。浮気の兆候は見られないものの、調査を続けるうちに、華やかな業界の裏側と、家族の秘密が明らかになっていく。
47
表紙
情景の殺人者
森博嗣
講談社
被害者同士に接点はないにもかかわらず、時期も場所も異なる複数の殺人事件で、現場の状況に類似性が見られるという奇妙な事件が発生。最初の被害者の夫が撮った映画には、事件を彷彿とさせるシーンがあった…。そんな中、女性2人の探偵事務所に、映画監督で舞台演出家、作家でもある男の2番目の妻に関する浮気調査の依頼が舞い込み、浮気の証拠を掴むための張り込み中、都内では珍しく雪が降り始める。
48
表紙
スカイ・クロラ
森博嗣
中央公論新社
永遠に大人にならない子供「キルドレ」である戦闘機パイロット達の物語。主人公の函南優一は、過去の記憶がなく、新たな基地に着任する。そこで出会った上官の草薙水素に惹かれていく。戦争と並行し、キルドレと呼ばれる存在が物語に大きく関わるが、詳細は謎に包まれている。
49
表紙
ナ・バ・テア
森 博嗣
中央公論新社
永遠に死なない子供、キルドレのクサナギは戦闘機乗り。新しいチームで憧れの撃墜王と出会い、彼から認められる事に喜びを覚える。しかし彼はパイロットには珍しい大人の男だった。クサナギ・スイトの物語はここから始まる。
50
表紙
ダウン・ツ・ヘヴン
森 博嗣
中央公論新社
女性エースパイロット、クサナギは広報活動に利用され鬱屈とした日々を送る。そんな中、実戦の指令が下る。多くの敵を撃墜しスター・パイロットとなるが、上層部は彼女の出撃を嫌がる。次が最後になるかもしれない戦いで、憧れの永遠の目標との一対一の空中戦に挑む。
51
表紙
フラッタ・リンツ・ライフ
森 博嗣
中央公論新社
戦闘機乗りのクリタは、地上の澱んだ空気にうんざりしている。上司であるクサナギの幼馴染に会うため基地を訪れる女性、戦死した同僚の家族である女性サガラ・アオイ。空に生きる「僕」たちは、最後の瞬間に光を放つ命を見つめる。転換の第四弾。
52
表紙
クレィドゥ・ザ・スカイ
森 博嗣
中央公論新社
病院を抜け出した「僕」は、フーコと名乗る女性と逃避行を始める。記憶が曖昧な「僕」は自分が何者なのか分からず、フーコとの関係も定かではない。旅の途中、「僕」はかつて空を飛んでいたことを思い出す。空への憧憬と喪失感を抱えながら、「僕」は自分がキルドレと呼ばれる存在であること、そして再び空に戻りたいと願う。しかし、その日は来ないと予感していた。
53
表紙
スカイ・イクリプス
森博嗣
中央公論新社
スカイ・クロラシリーズの短編集。本編では脇役だった人物が主人公となり、彼らの日常や過去が描かれる。クサナギとカイの出会い、カンナミが海に墜落した時の様子、基地近くのドライブインに集う人々の物語など、様々な視点から「スカイ・クロラ」の世界が広がる。シリーズの謎を解く鍵も隠されている。
54
表紙
工学部・水柿助教授の日常
森博嗣
幻冬舎
N大学工学部助教授・水柿小次郎は、ミステリ好きの妻に日々の些細な謎を披露するのが日課。大学で起こる不思議な出来事や、日常に潜む不可解な現象に、水柿は真面目に取り組み、妻を感心させようとする。ほのぼのとした日常ミステリ。
55
表紙
工学部・水柿助教授の逡巡
森博嗣
幻冬舎
N大学工学部助教授の水柿は、成り行きで書いた小説が売れて作家デビュー。ミステリ好きの妻・須摩子に酷評されつつも、小説家として多忙な日々を送る。大学での研究、小説執筆、そして日常の些細な謎。ユーモア溢れる筆致で、水柿助教授の日常と逡巡が描かれる。
56
表紙
工学部・水柿助教授の解脱
森博嗣
幻冬舎
元助教授作家である水柿が、突然の断筆・引退宣言。実名は愛犬パスカルだけという、限りなく実話に近いM(水柿)&S(須摩子)シリーズが、絶好調のまましみじみと完結する。日常の些細な謎や夫婦の会話劇が、ユーモラスに描かれる作品。
57
表紙
ZOKU
森 博嗣
光文社
犯罪未満の悪戯を目的とする非営利団体ZOKUと、彼らの悪行を阻止せんとする科学技術禁欲研究所TAI。秘密基地は漆黒のジェット機と純白の機関車。謎の振動、笑い声、ばらまかれる芸術作品。被害者が気づかないほどの迷惑行為をめぐる、悪と正義の暗闘を描く物語。
58
表紙
ZOKUDAM
森 博嗣
光文社
遊園地の地下秘密基地で、黒古葉博士が開発した巨大ロボット「ゾクダム」。ロミとケンは戦士としてロボットに乗り込み怪獣と戦うはずが…。対抗組織TAIGONの揖斐と永良は様子を窺う。前作と設定が変わり、巨大ロボット開発の現実、技術者の苦悩、そして敵対組織との関係を描く、脱力系ロボット小説。
59
表紙
ZOKURANGER
森 博嗣
光文社
ロミ・品川は大学教員となり、研究環境改善委員会に所属。メンバーはなぜか色違いのユニフォームを着用することに。永良野乃が体のサイズを測りに来たり、他のメンバーも一癖も二癖もある人物ばかり。大学を舞台に、奇妙な委員会が繰り広げる脱力系の物語。
60
表紙
ヴォイド・シェイパ
森博嗣
講談社
山奥で育った剣士ゼンは、師の死後、旅に出る。道中、様々な人物と出会い、剣を交え、別れを経験する。世間知らずだったゼンは、旅を通じて成長し、強さの意味を問い、己の道を見出していく。
61
表紙
ブラッド・スクーパ
森 博嗣
中央公論新社
不老不死をもたらす秘宝「竹の石」を巡る時代劇。竹の中で育つその石は、天下人への献上品だったが、一つだけ庄屋が秘匿していた。正体不明の賊が強奪を企てていることを知った庄屋の娘は、用心棒のゼンに警護を依頼。祭りの日に賊が来襲する。
62
表紙
スカル・ブレーカ
森 博嗣
中央公論新社
勘定役のヤナギは職を失い故郷へ。悪事が露見することを恐れる勢力は彼の動向を窺う。騒ぎに巻き込まれたゼンは城の御前武芸会で剣術を披露することに。城主の姉とも奥方とも言われる女性がゼンに興味を示し、山寺で待つよう指示する。
63
表紙
フォグ・ハイダ
森 博嗣
中央公論新社
都を目指すゼンは、峠で山賊に襲われる。山賊の用心棒は凄腕の剣士だった。ゼンは辛くも逃れるも、剣士キクラとの再戦を望む。キクラには、守るべきもののために剣を振るう理由があった。旅の中で、若き侍は成長していく。
64
表紙
マインド・クァンチャ
森博嗣
講談社
炭焼き小屋で眠るゼンは、トビヒと名乗る男に命を狙われる。絶対的な力の前に最期を覚悟するも、その強さと美しさに胸が震える。敵襲、瀕死、そして記憶喪失。ゼンは己の剣を磨き、戦乱の世を生き抜く。貧困と自由、豊かさと不自由の間で葛藤し、己の道を切り開く転換の物語。
65
表紙
彼女は一人で歩くのか?
森博嗣
講談社
人工細胞で作られた生命体ウォーカロンが暮らす近未来。研究者のハギリは、ウォーカロンと人間を識別する研究をしていたため、何者かに命を狙われる。保護に来たウグイによると、それが襲撃の理由らしい。人間性とは何か、命とは何かを問う物語。
66
表紙
魔法の色を知っているか?
森博嗣
講談社
ハギリはチベットのナクチュへ。そこは外界から隔離された特別居住区。「人工生体技術に関するシンポジウム」に出席するため、警護のウグイとアネバネと訪れた。生殖による人口増加がほぼゼロになった世界で、なぜ彼らは人を産めるのか? 知性が生命の物語を紡ぐ。
67
表紙
風は青海を渡るのか?
森博嗣
講談社
人口増加がほぼゼロの未来、子供が産まれるチベット・ナクチュを再訪したハギリは、子供誕生の理由に仮説を立てていた。聖地にある神殿の地下遺跡で試料を調査する中、別の遺跡の存在を知らされる。小さな気づきから、知性が奇跡を掬い上げる物語。
68
表紙
デボラ、眠っているのか?
森博嗣
講談社
フランス西海岸の古い修道院で、生殖可能な一族とスーパーコンピュータが発見。施設はナクチュと相似。ヴォッシュ博士は調査にハギリを呼ぶ。一方、ナクチュの頭脳が再起動し、失われたネットワーク再構築が開始。新たにトランスファの存在が明らかに。
69
表紙
私たちは生きているのか?
森博嗣
講談社
警察も立ち入らない閉鎖された富の谷。ハギリは、脱走したウォーカロンたちがそこに潜んでいるという情報を得て、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端を訪問。地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。
70
表紙
青白く輝く月を見たか?
森博嗣
講談社
北極基地の閉鎖後、海底で稼働し続けるスーパーコンピュータ、オーロラ。データを集積し思考を重ねるうち、ジレンマに陥る。放置すれば暴走の可能性もあるため、ハギリに停止が依頼されるが、接触もできない。孤独な人工知能が描く夢とは。
71
表紙
ペガサスの解は虚栄か?
森博嗣
講談社
国際法で禁じられたクローン技術。研究者のハギリは、スーパーコンピュータ「ペガサス」から、博覧会から逃亡したウォーカロンにクローンを産む機能があったという情報を得る。ハギリはインドへ向かい、自分の子供に不審を抱く資産家と出会う。知性が虚構を喝破する物語。
72
表紙
血か、死か、無か?
森博嗣
講談社
人間を殺した最初の人工知能と呼ばれる軍事用AIイマン。電子空間で対立勢力と通信の形跡があったイマンの解析のため、ハギリはエジプトへ。しかしイマンには外部との通信手段はなかった。一方、蘇生したナクチュの冷凍遺体が消息を絶つ。
73
表紙
天空の矢はどこへ?
森博嗣
講談社
カイロ発ホノルル行きの旅客機が消息を絶ち、乗客にはウォーカロン・メーカ、イシカワの社長らが含まれていた。同時期に、イシカワの開発施設が武力集団に占拠される。事態打開のため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣。知性が忘却と回帰を追懐する物語。
74
表紙
人間のように泣いたのか?
森博嗣
講談社
人がほぼ不死となった数百年後の世界。キョートで人工知能と人工生命の国際会議が開かれ、ハギリは実行委員をしていた。会議中、彼はウォーカロンメーカーの連合組織WHITEの発表を阻止するため政府が武力介入を行うという情報を得る。ハギリは真相を探るべく奔走するが、何者かに拉致されてしまう。
75
表紙
それでもデミアンは一人なのか?
森博嗣
講談社
ドイツで楽器職人として暮らすグアトの元に、刀を背負ったデミアンと名乗る男が現れ、「ロイディ」というロボットの行方を尋ねる。デミアンは軍事用ウォーカロンで、廃棄を逃れて逃走中だった。グアトはロイディを知っていたため、デミアンに関わることになる。彼は情報局に追われ、その目的は謎に包まれていた。
76
表紙
神はいつ問われるのか?
森博嗣
講談社
アリス・ワールドという仮想空間でシステムダウンが発生。利用者は強制ログアウト後、自殺や体調不良を訴え社会問題となる。人工知能との対話者に選ばれたグアトは、パートナーのロジと仮想空間へ。そこで出会ったのは、熊のぬいぐるみを持つアリスという少女だった。
77
表紙
キャサリンはどのように子供を産んだのか?
森博嗣
講談社
国家反逆罪の被疑者キャサリン・クーパ博士と検事局員8名が、研究所内の無菌ドームから姿を消した。博士は先天的な疾患でドームから出られず、研究所はAI管理下。捜査官グアトは、博士が無菌ドーム内で出産し、母子で暮らしていた情報を得る。
78
表紙
幽霊を創出したのは誰か?
森博嗣
講談社
小高い丘の古い城跡で、グアトとロジは幽霊のような男女に遭遇する。幽霊の弟と名乗る老人が現れ、兄の生存を調査していると告げる。二人は別荘に招待され、そこで現実と仮想が入り混じる世界に足を踏み入れる。幽霊の正体、人工知能の関与、そして人間の意識とは何かを探るミステリー。
79
表紙
君たちは絶滅危惧種なのか?
森博嗣
講談社
国定自然公園で釣り人が襲われ重傷を負う事件が発生。同時期、公園内の動物園では職員が殺害され、研究動物と飼育係が行方不明に。グアトらは情報局の依頼で動物園へ。正体不明の大型動物の目撃情報や、兵器利用目的の動物「ウォーカロン」の噂も浮上する中、グアトは事件の真相を追う。
80
表紙
リアルの私はどこにいる?
森博嗣
講談社
ヴァーチャル国家センタアメリカが独立。リアル世界の格差解消を期待し移住希望者が殺到する中、リアルで行方不明になりヴァーチャルから戻れない女性が現れ、グアトに捜索依頼が。人間とは何かを問いかける物語。
81
表紙
君が見たのは誰の夢?
森博嗣
講談社
ドイツでの精密検査でロジに不具合が見つかり、グアトと共に日本へ帰国。情報局近くの病院へ入院するが、ロジの診断データが外部に漏洩。ロジは未知のウィルスに感染しており、その情報を何者かに狙われる。病院でロジの姉と名乗るスズコに出会う。
82
表紙
何故エリーズは語らなかったのか?
森博嗣
講談社
人工知能たちがグアトに「エリーズ・ギャロワ博士が会いたがっている」と告げる。面談の理由に心当たりがないまま、博士は行方不明に。彼女はヴァーチャル世界に貢献する研究で「究極の恵み」と呼ばれる成果を上げたという。博士は自ら姿を消したのか、事件に巻き込まれたのか。
83
表紙
まどろみ消去
森博嗣
講談社
大学のミステリィ研究会が企画したミステリィツアー。参加者は屋上で踊る30人のインディアンを目撃するが、現場には誰もいない。見張りも何も見ていないと言う。「誰もいなくなった」他、美しく洗練された11の、時に冷徹な短編集。
84
表紙
地球儀のスライス
森博嗣
講談社
S&Mシリーズの犀川と萌絵が登場する作品や、Vシリーズの小鳥遊練無が登場する作品を含む10編を収録。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジーなど様々なジャンルがあり、読者を飽きさせない。日常に潜む謎や、少し不思議な出来事を描いた作品が多い。
85
表紙
今夜はパラシュート博物館へ
森博嗣
講談社
N大学医学部の小鳥遊練無は、構内で出会った風変わりなお嬢様に誘われ「ぶるぶる人形を追跡する会」に参加。大学に出没する踊る紙人形の謎を追う。他に、西之園家の会合でミステリーを解いたり、模型店を訪れたり、8編の短編が収録された珠玉の短編集。
86
表紙
虚空の逆マトリクス
森博嗣
講談社
西之園萌絵にとって特別な夜になるはずが、誘拐事件の謎解きに。「いつ入れ替わった?」、回文同好会のリリおばさんが殺人事件を解決する「ゲームの国」など、7つの短編を収録。犀川&萌絵も登場し、多面性が光るミステリ短編集。
87
表紙
レタス・フライ
森博嗣
講談社
西之園萌絵は叔母と白刀島へ。加部谷、島の出身者である山吹、海月と合流し、島の診療所の幽霊話を聞く(刀之津診療所の怪)。他に、海外出張先で同僚と再会し奇妙な事件に遭遇する「ラジオの似合う夜」や、「砂の街」など、全10編を収録した短編集。
88
表紙
現代ミステリー短編集9 悩める刑事
森 博嗣
岩崎書店
大学のミステリー研究会が企画したミステリーツアーで、参加者が謎に挑む「誰もいなくなった」。ぶるぶる人形を追跡する会で練無が推理する「ぶるぶる人形にうってつけの夜」。表題作「悩める刑事」など、全4編を収録。理系ミステリーが展開される短編集。
89
表紙
僕は秋子に借りがある
森 博嗣
講談社
大学生協の食堂で「僕」は秋子と出会う。少し変わった彼女と授業をサボり、死んだ兄の話を聞かされる。秋子が「僕」に伝えたかった思いとは何か。過去の出来事が鮮やかに蘇る、少し切ない物語。
90
表紙
どちらかが魔女
森博嗣
講談社
西之園家の晩餐会で、木原と大御坊が不思議な体験を語り出す。犀川、喜多も参加し、その謎を解き明かすのが表題作。他に、小鳥遊練無が活躍する「ぶるぶる人形にうってつけの夜」や、S&Mシリーズのキャラが登場する短編を収録。日常の謎を中心に、個性的な登場人物たちが織りなすミステリー。
91
表紙
そして二人だけになった
森博嗣
講談社
巨大な橋を支えるコンクリートの塊にあるシェルターに集まった6人が、一人ずつ殺される。外部と連絡が途絶え、互いを疑心暗鬼になる中、最後に残ったのは偽の兄妹として生きてきた2人。謎と恐怖が渦巻く中、真実が曖昧なまま物語は終結する。
92
表紙
墜ちていく僕たち
森博嗣
集英社
ある日突然、男が女に、女が男に変わる。それは、神出鬼没の摩訶不思議なインスタント・ラーメンが引き起こす現象だった。性転換した人々は戸惑いながらも、新しい生活を模索していく。性に悩む人も、そうでない人も、性差の固定観念から解放され、自由な世界へと足を踏み入れるミステリアスな5つの物語。
93
表紙
奥様はネットワーカ
森 博嗣
KADOKAWA
某国立大学工学部で傷害事件が続発。化学工学科の秘書・内野智佳は、誰かに尾行されたり、メールでラブレターが届いたりと不気味な思いをしていた。友人のルナも被害に遭い、事件は連続殺人へと発展。秘密を抱えた6人が真相を探るミステリー。
94
表紙
探偵伯爵と僕
森博嗣
講談社
夏休み直前、「僕」は公園で探偵伯爵と友達になる。夏休みに日記を書くことになった僕は、父のお古のワープロで日記を綴る。夏祭りの夜、友達のハリィが行方不明に。部屋と秘密基地にはトランプのエースが。伯爵は何者?僕と伯爵のひと夏の物語。
95
表紙
どきどきフェノメノン
森 博嗣
KADOKAWA
大学院生の佳那は「どきどき」を求めて日々奔走。好きな人の家を突き止めたり、公園で気になる人の行動を観察したり…。謎の怪僧・武蔵坊、後輩の水谷と鷹野、指導教官の相澤など、彼女の周りには個性的な人々が集まる。お酒を飲むと記憶をなくしてしまうという悩みも抱えながら、佳那は「どきどき」を探求していくラブコメミステリ。
96
表紙
カクレカラクリ
森 博嗣
KADOKAWA
廃墟マニアの大学生・郡司は、同級生の真知花梨と彼女の故郷、鈴鳴村へ。そこは120年前に作られた「カクレカラクリ」の伝説が残る村だった。村に伝わる言い伝えと石碑を頼りに、郡司たちは謎を追う。絡繰りは何のために作られたのか? 隠された秘密と、爽やかな青春ミステリーが展開される。
97
表紙
少し変わった子あります
森 博嗣
文藝春秋
大学教授の小山は、失踪した後輩・荒木から奇妙な料理店の情報を得る。その店は場所が毎回変わり、客は一人で訪れ、毎回違う若い女性が食事に相伴うという。戸惑いつつも店に通う小山は、次第にその雰囲気に惹かれていく。店に隠された謎、そして荒木の行方は。
98
表紙
ゾラ・一撃・さようなら
森博嗣
集英社
探偵の頸城悦夫は、美女から母が元政治家・法輪に預けた美術品「天使の演習」奪還を依頼される。法輪は殺し屋“ゾラ”に狙われ厳戒態勢。頸城は自伝執筆名目で接触するが…。美術品、複雑な人間関係、真相解明に挑む、洒脱でスリリングな新感覚ハードボイルド。
99
表紙
もえない
森 博嗣
KADOKAWA
突然死んだクラスメイトの遺品に、僕の名前が刻まれていた。それを機に、僕は記憶の曖昧さに気づき、やがて殺人が起こる。記憶と罪の在処を巡る、森博嗣の真髄が溢れるミステリー。残るのは名前だけ。名前は、燃えない。
100
表紙
銀河不動産の超越
森博嗣
講談社
気力と体力不足の高橋は、下町の「銀河不動産」で働くことに。省エネ青年である彼のもとに、奇妙な要望を持つ客が訪れる。物件を紹介するうちに、高橋自身が不思議な家の住人となっていた。「幸せを築こうとする努力」が奏でる、あたたかい物語。
101
表紙
喜嶋先生の静かな世界
森博嗣
講談社
文字を読むのが苦手な「僕」は、大学で喜嶋研究室に配属され、研究に没頭する日々を送る。喜嶋先生は純粋な研究者で、その生き方は「僕」に大きな影響を与える。初めての恋や、喜嶋先生の言葉を通して、学問の深遠さ、研究の純粋さを知る。しかし、研究者としての幸せと人としての幸せの狭間で揺れ動く自伝的小説。
102
表紙
相田家のグッドバイ
森博嗣
幻冬舎
紀彦にとって相田家は普通の家庭に見えたが、両親は変わっていた。整理整頓に情熱を燃やす母と、孤独を愛する建築家の父。母が癌で亡くなり、父も後を追うように施設で亡くなる。その後、家の中から母が隠したヘソクリが見つかる。家族のあり方を描いた、私小説のようなミステリー。
103
表紙
実験的経験
森博嗣
講談社
小説であり、小説でない。ミステリであり、SFであり、SSであり、詩作であり、そのどれでもない。奇抜なミステリ、ショートショート、くだらないダジャレ、エッセイが脈絡無く並ぶ。既存の小説の枠組みにドロップキックを放つ、実験的な作品。
104
表紙
神様が殺してくれる
森博嗣
幻冬舎
パリで女優が殺され、現場にいたリオンは「神が殺した」と証言。彼は以前、僕のルームメイトで、僕を神として名指す。ミラノでもピアニストが殺され、またもリオンが現場に。インターポールの僕は捜査を開始するが、リオンの美しさが手がかりとなるのみ。事件はフランクフルト、東京へと広がり、真相に迫っていく。
105
表紙
暗闇・キッス・それだけで
森 博嗣
集英社
探偵でライターの頸城悦夫は、伝説的なPC業界の天才が所有する巨大な別荘を仕事で訪れる。そこで予期せぬ不可解な事件が発生。頸城は事件の真相を追うことになる。ミステリーとしての面白さだけでなく、恋愛小説としての趣もあり、主人公の思想や生き様を感じさせる文学的な味わいも持つ作品。
106
表紙
イデアの影
森博嗣
中央公論新社
主と家政婦と暮らす「彼女」の家には、男たちが訪れては去っていく。彼女は男たちと過ごす中で、知覚と幻想の狭間を彷徨う。夢と現実が混ざり合い、彼女は次第に狂っていく。彼女の周りでは死が相次ぎ、まるで彼女に近づきすぎると死に誘われるかのよう。美しくも儚い幻想的な物語。
107
表紙
オメガ城の惨劇
森博嗣
講談社
孤島のオメガ城に、マガタ・シキの名で各界の天才たちが招待される。そこにはサイカワ・ソウヘイも。晩餐の夜、マガタ・シキ本人が現れるが、忠告を残し去る。その夜、密室で3人の研究者と見知らぬ女性が殺害され、1人が行方不明に。通信も途絶え、島は閉鎖空間となる。残された人々は事件の真相を追う。
108
表紙
トーマの心臓
森博嗣
講談社
雪の降る日、ギムナジウムの生徒トーマが事故死。クラス委員のユーリ宛に、トーマから「これが僕の愛、心臓の音」と遺書が届く。トーマの死は自殺だった。その後、トーマにそっくりなエーリクが転校してくる。ユーリは罪悪感に苛まれ、エーリクに冷たく当たるが、次第に心を開いていく。