麻耶雄嵩の著作まとめ

麻耶雄嵩は1969年三重県生まれの推理作家です。京都大学推理小説研究会出身で、綾辻行人、法月綸太郎、島田荘司の推薦を受け1991年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューしました。緻密な論理と破天荒なトリック、読者の予想を裏切る結末を特徴とし、「問題作」と評されることも多い独特の作風で知られています。寡作ながら熱狂的なファンを持ち、『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞、『さよなら神様』でも同賞を受賞しました。代表作には他に『貴族探偵』シリーズなどがあり、2022年からは本格ミステリ作家クラブ会長も務めています。

小説一覧

1
表紙
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶 雄嵩
講談社
京都近郊の蒼鴉城で、今鏡伊都が首なし死体で発見される。さらに、別人の首が見つかるという異常事態が発生。私立探偵の木更津は事件の調査に乗り出す。やがて名探偵メルカトル鮎が登場し、複雑怪奇な連続殺人事件の真相に迫る。しかし、その結末は壮絶なものだった。
2
表紙
夏と冬の奏鳴曲
麻耶雄嵩
講談社
20年前に死んだ美少女・和音を偲び、孤島「和音島」に集まった男女を惨劇が襲う。雪が降り積もった夏の朝、首なし死体が発見される。雪密室を皮切りに島の均衡は崩れ、暴走が始まる。ラストは、大破局。
3
表紙
麻耶 雄嵩
講談社
和音島の事件で記憶を失った如月烏有は、記憶を取り戻そうと寺社に放火。すると焼け跡から焼死体が発見される。「今度は何処に火をつけるつもりかい?」という手紙が届き、烏有は自分が連続放火殺人犯なのか苦悩する。名探偵メルカトル鮎が真相に迫る。
4
表紙
あいにくの雨で
麻耶雄嵩
集英社
雪に囲まれた廃墟の塔で密室殺人が発生。殺されたのは、発見者の高校生・祐今の父親だった。彼は8年前、同じ塔で祐今の母親を殺害した容疑で失踪していた。祐今の親友である烏兎と獅子丸は、事件の真相を追う。やがて塔で3度目の殺人が起こり、生徒会の権力闘争も絡み合い、事件は複雑化していく。
5
表紙
メルカトルと美袋のための殺人
麻耶雄嵩
集英社
推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に恋をするが、彼女は密室で死体となって発見される。第一容疑者となった美袋は、名探偵メルカトル鮎に事件の解決を依頼する。脱出不能な密室殺人や、関係者全員にアリバイがある不可能犯罪など、様々な難事件にメルカトルと美袋が挑む連作短編集。
6
表紙
麻耶雄嵩
幻冬舎
兄・珂允は、弟・襾鈴の死の謎を追って地図にない閉鎖的な村へ。そこは現人神「大鏡様」に支配され、異質な者を拒む排他的な場所だった。無数の鴉に襲われながら、村で起きた殺人事件の真相、そして弟の足取りを追う珂允。閉ざされた村で、彼は数々の謎に翻弄され、驚愕の結末へと向かう。
7
表紙
木製の王子
麻耶 雄嵩
講談社
比叡山の麓に隠棲する白樫家で、若嫁・晃佳が殺害された。首はピアノの上に飾られ、一族の証である指環が持ち去られる。出版社に勤める烏有の同僚が同じ指輪を持つことが判明。関係者全員に完璧なアリバイがある中、惨劇が続く。閉ざされた一族の謎と、複雑なアリバイの真相とは?
8
表紙
名探偵 木更津悠也
麻耶 雄嵩
光文社
資産家・戸梶康和が自宅で刺殺。相続問題が絡む遺族には完璧なアリバイが。甥の彰敏が幽霊を目撃したことから、名探偵・木更津悠也が真相に迫る(「白幽霊」)。白い幽霊の出現と連動する事件を、木更津と助手・香月実朝が解決する4編を収録。交換殺人や時間外返却など、一癖ある謎に木更津が挑む。
9
表紙
メルカトルかく語りき
麻耶雄嵩
講談社
探偵・メルカトル鮎と作家の美袋三条が遭遇する5つの難事件を収録した短編集。窓から学生が落ちた事件、旅行先での殺人、孤島での連続射殺、密室状態の高校での教師殺害、そして密室の別荘での死体発見。メルカトルは常識破りの解決を提示し、美袋は怒りすら覚える。アンチミステリーとも言える、真相が読者の予想を裏切る問題作。
10
表紙
メルカトル悪人狩り
麻耶雄嵩
講談社
悪徳探偵メルカトル鮎に、作家が「命を狙われている」と調査依頼。殺人予告を匂わせるトランプが毎日届く。助手・美袋三条との推理で事件を解決する「メルカトル・ナイト」や、独自の論理で難事件を切り崩す「メルカトル式捜査法」など、驚愕の結末が待ち受ける短編集。
11
表紙
神様ゲーム
麻耶雄嵩
講談社
神降市で猫殺し事件が発生。そんな中、「神様」と名乗る転校生・鈴木太郎が現れ、犯人を言い当てる。彼の予言通りに殺人事件が起こり、主人公の芳雄は鈴木を信じるべきか疑うべきか葛藤する。事件の真相に迫るにつれ、芳雄は驚愕の事実に直面する。
12
表紙
さよなら神様
麻耶雄嵩
文藝春秋
久遠小学校の桑町淳は、クラスメイトで自称神様の鈴木太郎に、教師殺人事件の犯人を尋ねる。神様はクラスメイトの父親だと告げるが、接点がない。探偵団仲間と真相を追う淳。各話冒頭で神様が犯人を名指し、探偵団が調査する連作短編集。神様の言葉を覆すべく奔走するも、衝撃的な展開と後味の悪さが待ち受ける。
13
表紙
貴族探偵
麻耶雄嵩
集英社
謎の紳士「貴族探偵」は、推理をせずに、召使いに事件を解決させる。彼は「貴族」、趣味は「探偵」。生真面目な執事、可愛いメイドなどの使用人を使い、難事件を華麗に解決する。知的スリルに満ちたミステリー。
14
表紙
貴族探偵対女探偵
麻耶雄嵩
集英社
新米探偵・愛香は、親友の別荘で殺人事件に遭遇。「貴族探偵」と名乗る謎の男が現れ、執事やメイドらに推理を披露させる。愛香は探偵の誇りをかけ、型破りな貴族探偵に挑む。事件を解決するのはどちらか?精緻なトリックとどんでん返しが満載のミステリー。
15
表紙
化石少女
麻耶雄嵩
徳間書店
良家の子女が集う名門高校で次々と起こる事件。古生物オタクの部長・神舞まりあが、男子部員・桑島彰を連れ、奇妙な推理を繰り広げる。学園の壁に映る影が恐ろしい場面を映し出す。古生物部の存続をかけ、生徒会との対立も勃発。まりあの天然推理に、彰は危惧と焦りを覚える。
16
表紙
化石少女と七つの冒険
麻耶雄嵩
徳間書店
古生物部を率いる化石オタクの女子高生探偵・神舞まりあと、彼女のワトソン役である後輩・桑島彰が、学園で起こる様々な怪事件に遭遇する連作ミステリー。縁結びのクスノキの傍で発見された生徒の遺体、男子制服を着た女子生徒の死、焼かれた書道教師など、奇怪な事件に、新入部員やライバル探偵も現れ、予測不能な結末へと向かう。
17
表紙
麻耶雄嵩
幻冬舎
オカルトスポット探検サークルの学生6人が、10年前に作曲家が6人を殺害した曰くつきの黒いレンガ屋敷「ファイアフライ館」へ肝試しに訪れる。その屋敷では、半年前にもメンバーの一人が未解決殺人鬼によって殺されていた。嵐の山荘で最初の殺人が発生し、仲間たちは疑心暗鬼に。10年前の事件をなぞるように殺人が続く中、隠された真相が明らかになる。
18
表紙
隻眼の少女
麻耶 雄嵩
文藝春秋
山深い村で首切り事件が発生。大学生の種田静馬は犯人と疑われるが、隻眼の少女探偵・御陵みかげに救われる。二人は連続殺人事件を解決するも、18年後、再び惨劇が。みかげは新たな事件に挑むが、過去の事件との繋がりが明らかになり、驚愕の真相が浮かび上がる。
19
表紙
あぶない叔父さん
麻耶雄嵩
新潮社
霧ヶ町で「なんでも屋」を営む叔父は、高校生の優斗にとって特別な存在。鬱々とした町で奇妙な殺人事件が続発し、優斗は叔父に謎を打ち明ける。すると叔父は鮮やかに推理を披露するのだが、事件の真相はいつもどこか奇妙で、穏やかな余韻を残しつつも、読者を惑わせる。
20
表紙
友達以上探偵未満
麻耶 雄嵩
KADOKAWA
三重県伊賀市の高校に通う伊賀ももと上野あおは、地元の謎解きイベントで殺人事件に巻き込まれる。探偵好きの二人は、ももの直観力とあおの論理力を生かし事件を推理していく。女子高生名探偵・桃青コンビが、周囲で起こる事件に挑む本格ミステリ。