貴志祐介の著作まとめ

貴志祐介は大阪府出身、京都大学卒の小説家。1996年『十三番目の人格 ISOLA』でデビューし、翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞。ホラー、ミステリー、SFなどジャンルは多岐にわたり、人間の心理や悪意、恐怖を深く掘り下げる緻密な描写と、リアリティのある世界観構築に定評がある。代表作に『黒い家』『青の炎』『硝子のハンマー』『新世界より』『悪の教典』『鍵のかかった部屋』シリーズなど多数。日本推理作家協会賞、日本SF大賞、山田風太郎賞など受賞歴も豊富で、多くの作品が映像化されている。エンターテインメント性と文学性を兼ね備え、読者を惹きつけてやまない人気作家である。

小説一覧

1
表紙
十三番目の人格 ISOLA
貴志 祐介
KADOKAWA
人の感情を読み取れる賀茂由香里は、阪神大震災後のボランティアで多重人格の少女・森谷千尋に出会う。千尋には12の人格に加え、「ISOLA」という13番目の人格が生まれていた。千尋の叔父が謎の死を遂げ、街では彼女に関わる者の不審死が相次ぐ。
2
表紙
黒い家
貴志 祐介
KADOKAWA
生命保険会社勤務の若槻は、契約者の家で子供の首吊り死体を発見。保険金が支払われるも、父親の態度に不審を抱き調査を開始。過去に遡り、指を切り落として保険金を詐取していた事実を知る。恋人の協力でサイコパスだと判明するも、関係者が惨殺され、若槻自身も脅迫を受ける。保険金は支払われるが、今度は父親が事故で両腕を切断。若槻は真相を追ううちに、想像を絶する恐怖に直面する。
3
表紙
天使の囀り
貴志 祐介
KADOKAWA
精神科医の早苗の恋人である作家の高梨は、アマゾン調査隊に参加後、人が変わったように自殺。調査隊のメンバーも次々と異常な死を遂げる。高梨が残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉の意味を早苗が追ううちに、アマゾンで起きた恐るべき出来事が明らかになる。
4
表紙
クリムゾンの迷宮
貴志 祐介
KADOKAWA
バブル崩壊で失業した藤木は、見知らぬ赤い異世界で目を覚ます。「火星の迷宮へようこそ」というゲームが開始され、クリアすれば地球に帰れるという。他の参加者と協力、裏切り、騙し合いながら、食料や情報を集め、迷宮からの脱出を目指すサバイバルホラー。
5
表紙
青の炎
貴志 祐介
KADOKAWA
湘南に住む高校生・秀一は、母と妹と平穏に暮らしていた。しかし、母の再婚相手だった曾根が現れ、その生活は一変。曾根は暴力的で妹にまで手を出そうとする。家族を守るため、秀一は曾根の殺害を決意。綿密な計画を立て実行するが、警察の捜査が迫る。追い詰められた秀一は、家族を守るため自らの命を絶つことを決意する。
6
表紙
新世界より
貴志祐介
講談社
1000年後の日本。人々は呪力という超能力を持ち、平和に暮らしていた。早季は同級生と禁断の知識に触れ、社会の歪みに気づく。バケネズミとの抗争が勃発し、早季たちは戦いに巻き込まれる。仲間と知恵を頼りに、過酷な運命に立ち向かう物語。
7
表紙
悪の教典
貴志 祐介
文藝春秋
私立高校教師・蓮実聖司は生徒から慕われる人気者だが、実は共感能力のないサイコキラー。学校の問題を解決するため、邪魔者を殺害し、地位を確立していく。しかし、あるミスから犯行が露呈しそうになり、クラスの生徒全員を殺すことを決意。文化祭の夜、惨劇が幕を開ける。
8
表紙
ダークゾーン
貴志 祐介
KADOKAWA
プロ棋士を目指す塚田は、異形の戦士として闇の中で目覚める。そこは謎の廃墟で、青い軍団との闘いが始まる。敵は倒すと強力化し、奇妙なルールの下で七番勝負が続く。頭脳戦、心理戦、奇襲戦が展開される中、塚田は“軍艦島”で地獄のバトルを繰り広げる。
9
表紙
雀蜂
貴志 祐介
KADOKAWA
八ヶ岳の山荘で目覚めた小説家の安斎は、スズメバチの大群に襲われる。過去に蜂に刺され命の危険を経験した安斎は、逃げようとするも吹雪で身動きが取れない。妻は姿を消し、通信手段も断たれた状況で、妻が仕組んだ罠ではないかと疑心暗鬼になる。安斎はスズメバチとの死闘を繰り広げる。
10
表紙
罪人の選択
貴志 祐介
文藝春秋
1946年8月21日、磯部武雄は佐久間茂に殺されようとしていた。佐久間が出征している間に、その妻を寝取ったからだ。磯部の前に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。どちらかを口にして生き延びられたら罪は許されるという。
11
表紙
我々は、みな孤独である
貴志祐介
角川春樹事務所
探偵・茶畑徹朗は、大企業の会長から前世の夢で自分を殺した犯人を捜してほしいという奇妙な依頼を受ける。調査を進めるうちに、茶畑自身も不可思議な体験をし、目に見えない世界、過去、そして意外な人々とのつながりへと導かれていく。ヤクザやマフィアとの抗争、失踪した恋人の死の謎も絡み合い、物語は複雑に展開する。
12
表紙
兎は薄氷に駆ける
貴志 祐介
毎日新聞出版
嵐の夜、資産家が死亡。甥の日高英之が一酸化炭素中毒で殺害を自白するが、それは15年前の殺人事件に端を発する復讐劇の始まりだった。弁護士の本郷、調査員の垂水、恋人の千春、それぞれの思惑が絡み合い、事件は二転三転していく。
13
表紙
さかさ星
貴志 祐介
KADOKAWA
戦国時代から続く名家・福森家の屋敷で一家惨殺事件が発生。死体は凄惨な手口で破壊され、屋敷には儀式の痕跡が。福森家と親戚関係の中村亮太は、霊能者の賀茂禮子と屋敷を訪れ調査を行う。賀茂によれば、福森家が収集した名宝は恐るべき呪物であり、事件を引き起こしたという。亮太はYouTuberとして屋敷を撮影することに。賀茂は呪物を一つずつ調べていくが、そこには人間の意志が介在していた。
14
表紙
秋雨物語
貴志 祐介
KADOKAWA
『秋雨物語』は、貴志祐介による4つの地獄譚を収録したホラー短編集。「餓鬼の田」では、前世の罪で恋人と結ばれない男の物語が語られる。「フーグ」では、無意識に瞬間移動してしまう男が霊能者に相談する。「白鳥の歌」は、幻の歌手のSPレコードに隠された秘密を描く。「雨の日の特別料理」では、連続殺人事件の真相が、食人という形で明らかになる。全体を通して、人間の業や絶望が描かれている。
15
表紙
梅雨物語
貴志 祐介
KADOKAWA
「皐月闇」では、自殺した教え子の句集に隠された秘密を元教師が解き明かす。「ぼくとう奇譚」では、奇妙な花魁と遊ぶ夢を見る男が、夢の謎を解かないと命が危ない。「くさびら」では、庭を埋め尽くすキノコに意思を感じた男が呪法の儀式を行う。各話で罪を犯した者が報いを受け破滅する様を描いたホラーミステリー短編集。
16
表紙
硝子のハンマー
貴志 祐介
KADOKAWA
株式上場を控えた介護サービス会社で社長が密室で撲殺される。オフィスは厳重なセキュリティで守られ、専務が逮捕されるが、弁護士の青砥は彼の無実を信じ、防犯コンサルタントの榎本に密室の解明を依頼する。榎本は様々な可能性を検証し、驚くべきトリックを解き明かす。事件の背景には、真犯人の過去と犯行に至る動機が隠されていた。
17
表紙
狐火の家
貴志 祐介
KADOKAWA
長野県の旧家で長女が殺害。現場は密室で、第一発見者の父親に容疑が。弁護士の純子は弁護を担当するが、密室の謎に苦戦。防犯コンサルタントの榎本に協力を依頼し、密室を破る方法を見出すが、それは新たな事件の幕開けだった。
18
表紙
鍵のかかった部屋
貴志 祐介
KADOKAWA
元空き巣の会田が、甥の自殺現場に遭遇。密室状態の部屋で発見された甥の死に疑問を持った弁護士の純子は、防犯コンサルタントの榎本と真相を追う。「鍵のかかった部屋」の他、欠陥住宅、舞台本番中の密室など、様々な状況下での密室トリックに榎本が挑む連作短編集。
19
表紙
ミステリークロック
貴志 祐介
KADOKAWA
人里離れた山荘での晩餐会。招待客たちが超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じる最中、山荘の主、女性作家の森怜子が書斎で変死を遂げた。巻き込まれた防犯コンサルタントの榎本と弁護士の純子は、密室の謎に挑む。
20
表紙
エンタテインメントの作り方 売れる小説はこう書く
貴志 祐介
KADOKAWA
ベストセラー作家・貴志祐介が「売れる小説」の創作テクニックを伝授する創作論。アイデア、プロット、キャラクターなど小説を書くための必須テクニックを解説。アイデアをまとめるには、メモをこまめに取る。取材では、場所の雰囲気と事実確認を意識する。
21
表紙
極悪鳥になる夢を見る
貴志 祐介
青土社
『極悪鳥になる夢を見る』は、貴志祐介のエッセイ集。ホラー、ミステリー、SFなど幅広いジャンルに挑戦する著者の、作家としての思索、社会への提言、ホラーな体験、ブラックユーモア、日常、野球愛などを綴ったエッセイを収録。著者の意外な素顔が垣間見える一冊。