乾くるみの著作まとめ

乾くるみは1963年静岡県生まれ、静岡大学理学部数学科卒の男性推理作家。1998年『Jの神話』でメフィスト賞を受賞しデビュー。代表作『イニシエーション・ラブ』は150万部超のベストセラーとなり映画化もされた。「必ず2回読みたくなる」と評される本作に代表されるように、緻密に計算された構成、大胆な叙述トリック、そして読者の予想を根底から覆す鮮やかなどんでん返しが最大の魅力。一見すると普通の恋愛小説や青春小説に見せかけ、最後に驚愕の真実が明かされる仕掛けを得意とする。『セカンド・ラブ』『リピート』『匣の中』など、再読必至の作品を多数発表し、ミステリファンを唸らせ続けている。

小説一覧

1
表紙
Jの神話
乾 くるみ
文藝春秋
全寮制ミッションスクールで安城由紀が謎の自殺。「ジャック」という言葉を残し、生徒会長・朝倉麻里亜も胎児なき流産で死亡。女探偵・黒猫と新入生・坂本優子は真相を追ううち、学園に封印されたおぞましい記憶と「ジャック」の正体に迫る。
2
表紙
匣の中
乾くるみ
講談社
探偵小説愛好家グループの中心人物・伍黄零無が謎の言葉を残し密室から消失。その後、グループの一員・仁行寺馬美が書くモデル小説どおりに密室殺人が連続する。衒学的な装飾と暗号、推理合戦の果てに明かされる全世界を揺るがす真相とは。竹本健治『匣の中の失楽』に捧げるオマージュ作品。
3
表紙
マリオネット症候群
乾 くるみ
徳間書店
バレンタイン後、女子高生の里美は自分の体が勝手に動き出すことに気づく。なんと、憧れの森川先輩の精神が乗り移っていた。しかし、森川先輩は既に殺されていた。里美は先輩を殺した犯人を突き止めようとするが、事態は予想外の方向へ進んでいく。奇妙なパラサイト・ストーリー。
4
表紙
クラリネット症候群
乾くるみ
徳間書店
高校生の犬育翔太は、育ての親であるクラリネット奏者の関夏彦と暮らす。ある日、憧れの先輩、本庄絵里に気を引こうと無断でクラリネットを持ち出し演奏するが、不良に壊される。その後、翔太は音階が聞こえなくなる「クラリネット症候群」を発症。さらに、関が失踪し、事件に巻き込まれたことが判明。翔太は絵里と共に事件の真相を追うことになる。
5
表紙
スリープ
乾くるみ
角川春樹事務所
人気番組のレポーター羽鳥亜里沙は、冷凍睡眠装置の研究施設へ取材に。地下で冷凍睡眠装置を発見するが、所長に捕まってしまう。30年後、亜里沙は冷凍睡眠から目覚めるが、そこには驚愕の事実が。研究所からの逃亡、過去の仲間との再会、そして衝撃の結末が待つ。
6
表紙
北乃杜高校探偵部
乾くるみ
講談社
創立百周年を迎えた京都・宇治市の北乃杜高校。寮生活を送るサッカー部員の清水克文は、級友たちと学園で起きる様々な謎に「探偵」として挑戦する。修学旅行での殺人予告、文化祭、卒業式での嫌がらせなど、学校行事にも不思議な事件が発生。清水たちは解決に乗り出す。
7
表紙
セブン
乾くるみ
角川春樹事務所
7つの短編からなる短編集。「ラッキーセブン」では、7人の女子高生がカードゲームで生死をかけた心理戦を繰り広げる。「小諸-新鶴343キロの殺意」では、新興宗教幹部7人のうち5人が殺害される。各作品で数字の7が物語の鍵となる、トリッキーで驚愕のミステリー。
8
表紙
物件探偵
乾くるみ
新潮社
高利回りのマンションを手に入れたはずが、オーナー生活は4ヶ月で終了。新幹線の座席が残された部屋、覚えのない録画が流れるHDD、バルコニーの鳩の死骸…。格安、駅近などの好条件に潜む「謎」を、宅建を持つ不動尊子が解き明かす。不動産ミステリー短編集。
9
表紙
ジグソーパズル48
乾 くるみ
双葉社
私立曙女子高等学院の問題児クラス、通称マルキューに、学費を稼ぐためバイトがバレた生徒が転入。彼女が特待生資格を取れるよう、クラスメイト達は一致団結する。各話タイトルはAKB48の楽曲名、登場人物名もメンバーのアナグラムになっている短編集。
10
表紙
ハートフル・ラブ
乾 くるみ
文藝春秋
大学生の克己は、実習グループの紅一点である亜紀に惹かれる。彼女を狙う他の男子もいる中、亜紀から二人で会いたいと誘われる(書き下ろし「数学科の女」)。他に、日本推理作家協会賞候補となった「夫の余命」など、驚愕の結末が待ち受けるミステリー短編集。
11
表紙
塔の断章
乾 くるみ
講談社
小説ゲーム化のため湖畔の別荘に集まった8人。社長令嬢・香織が塔から転落死。妊娠も判明し、自殺か他殺か?作家・辰巳まるみは事件を小説にすることに。事件の裏側、登場人物の関係が明らかになるにつれ、別の話も進行。様々な断片がパズルのように組み合わさり、驚愕の真相が浮かび上がる。
12
表紙
イニシエーション・ラブ
乾 くるみ
文藝春秋
1980年代後半、静岡で大学生の鈴木は、合コンで知り合った歯科助手のマユと恋に落ちる。鈴木はマユにふさわしい男になろうと努力し、就職で東京へ。遠距離恋愛となるが、鈴木は職場の女性に惹かれていく。やがて二人の関係は変化し、衝撃的な結末を迎える。最後の一行で物語は全く違う様相を見せる。
13
表紙
リピート
乾 くるみ
文藝春秋
ある日、毛利圭介は見知らぬ男から電話を受ける。男は風間と名乗り、10ヶ月前に戻る「リピート」に誘う。人生をやり直す機会を得た10人の男女。しかし、「リピート」参加者は一人、また一人と不審な死を遂げていく。犯人は誰なのか? なぜ「リピート」した者を狙うのか? 驚愕のラストが待ち受けるタイムトラベルミステリー。
14
表紙
セカンド・ラブ
乾 くるみ
文藝春秋
1983年元旦、正明はスキー旅行で春香と出会い恋に落ちる。幸せな日々を送る中、春香と瓜二つの美奈子が現れ、正明は翻弄される。清楚な春香と大胆な美奈子、二人の間で心が揺れ動く。しかし、美奈子は春香が演じる二重人格であり、衝撃の結末が待つ恋愛ミステリー。
15
表紙
嫉妬事件
乾 くるみ
文藝春秋
城林大学ミステリ研究会の部室で、年末恒例の犯人当てイベント当日、部室の本の上に「ウンコ」が置かれる。部員たちは悪臭に気づき、密室状態の部室で犯人捜しを開始。サークル一の美人・赤江静流の彼氏も巻き込み、内部犯を推理する。
16
表紙
林真紅郎と五つの謎
乾 くるみ
光文社
元法医学者の林真紅郎が、日常で遭遇する5つの事件を「シンクロ推理」で解決する連作短編集。「いちばん奥の個室」ではコンサート会場で起きた密室殺人、「ひいらぎ駅の怪事件」では駅での転落事故とカメラ盗難、「陽炎のように」では友人の妻の急死の真相に迫る。日常に潜む謎を鮮やかに解き明かす。
17
表紙
六つの手掛り
乾 くるみ
双葉社
雪深い山荘での殺人、プレゼントに隠された謎、カードが示す真実、手紙に秘められた嘘、掛け軸の二枚舌、そして過去を語る古い日記。6つの物語で、元大道芸人の探偵・林茶父が、鮮やかな推理で事件の真相を解き明かす連作短編集。
18
表紙
蒼林堂古書店へようこそ
乾くるみ
徳間書店
ミステリ専門古書店「蒼林堂」を舞台に、店長の林雅賀と常連客たちが日常の謎を解く連作短編集。バツイチの大村、高校生の五葉、小学校教師の茅原らが集い、コーヒーと猫と共にささやかな謎解きを楽しむ。各話にはミステリに関する蘊蓄が散りばめられ、読者も推理に参加できる。14ヶ月後、驚くべき最後の謎が明らかになる。
19
表紙
カラット探偵事務所の事件簿1
乾くるみ
PHP研究所
謎解き専門の「カラット探偵事務所」所長・古谷が、助手の井上と共に依頼人が持ち込む謎を解決する連作短編集。浮気調査、暗号解読、宝探し、怪文書事件など、日常に潜む様々な謎に挑む。全編に仕掛けがあり、最後に驚きの展開が待つミステリー。
20
表紙
カラット探偵事務所の事件簿2
乾 くるみ
PHP研究所
謎解き専門の探偵社、カラット探偵事務所。所長の古谷と助手の井上が、日常に潜む謎を鮮やかに解き明かす連作短編集。年上の女性からの誘惑、密室からの盗難、駐車場の追突事故、ネットのクイズ記事、36年前の絵画、秘伝のタレ、ストーカー疑惑。7つの事件を収録。
21
表紙
カラット探偵事務所の事件簿3
乾 くるみ
PHP研究所
「謎解き専門」のカラット探偵事務所に、墓参者の正体追跡、謎作り依頼などが舞い込む。所長の古谷と助手の井上が、日常に潜む謎を解き明かす。8年振りのシリーズ第3弾は、「秘密は墓場まで」「遊園地に謎解きを」など、文庫オリジナル短編を収録。