『レイトン教授と奇跡の仮面』は〈レイトン教授シリーズ〉の第2シリーズ第2弾です(通算第5作目)。レベルファイブが2011年2月26日に発売したニンテンドー3DS向けのアドベンチャーゲームで、「ナゾトキ×3D」がキャッチコピーとなっています。本作からキャラクターが3Dモデルになり、立体視に対応。ストーリーは劇場版『レイトン教授と永遠の歌姫』の後の出来事として描かれています。
あらすじ
レイトン教授のもとに、高校時代の友人シャロア・レドールから一通の手紙が届く。手紙には、『奇跡の紳士』と名乗る人物が、シャロアが暮すモンテドールの街で、失われたはずの『奇跡の仮面』の力を使って恐ろしい奇跡を起こしていると書かれていた。レイトン教授はルークやレミ・アルタワと共に、奇跡の謎を解き明かすため、モンテドールへと向かう。
モンテドールに到着したレイトンたちを待っていたのは、街を賑わせるカーニバルだった。その最中、奇跡の紳士が現れ、カーニバルを楽しむ人々を次々と石に変えてしまう。レイトンたちは奇跡の紳士を追うが、魔法のように姿を消してしまい、その姿はどこにも見当たらなかった…。
街では他にも、絵画から人物が消えたり、人がロバに変えられたり、観光客が空中に浮遊して消えたりといった不可解な事件が頻発していた。
調査を進める中で、レイトン教授の高校時代が思い出される。
レイトンが考古学に興味を持つきっかけとなった親友ランド・アスコッドとの出会い、彼が発見した「奇跡の仮面」と古代遺跡アクバーダイン、そしてランドが遺跡探検中に事故に遭い仮面と共に消息を絶った悲しい過去――これらの出来事が、レイトン教授の人生に大きな影響を与えていた。
その頃モンテドールでは、街の創設者である大富豪ヘンリー・レドールと、彼と対立するダルストンという人物の存在が浮上する。ヘンリーはシャロアの夫であり、ランドの幼馴染でもありました。レイトンは、奇跡の紳士の事件と、18年前に失われたはずの奇跡の仮面、そして友人たちの間に隠された真実を探求していく。
ネタバレ
物語の終盤、奇跡の紳士はシャロアを人質に取り、最後の奇跡を起こそうとする。レイトンはヘンリーの書斎に隠されていた本物の奇跡の仮面を発見し、奇跡の紳士の正体がランドであること、そして彼がデスコールに操られていたことを突き止める。
デスコールはランドに、ヘンリーが全てを奪ったと誤解させ、復讐を仕組んでいた。また、奇跡の仮面には対となる「破邪の仮面」が存在し、これら二つが揃うことで遺跡の仕掛けが解けることも判明。レイトンたちは遺跡のナゾを解き、街を救い出す。
- 奇跡の紳士の正体
奇跡の紳士の正体は、18年前にアクバーダイン遺跡で消息を絶ったレイトン教授の親友、ランド・アスコッドです。彼は事故から生還していましたが、記憶を失い、デスコールに利用されていました - 奇跡の仮面の真実
奇跡の仮面自体に魔力はなく、奇跡の紳士が起こした現象は全てトリックやイリュージョンでした。本物の奇跡の仮面は、ランドの帰りを待つヘンリーによって大切に保管されていました。レイトンがヘンリーの書斎で見つけたのがそれです - モンテドールの秘密
モンテドールは、ヘンリーがランドの捜索のために築いた宿が発展した街です。ランドに多額の懸賞金をかけたことで多くの人が集まり、街が形成されました。街全体がランドの帰りを待つヘンリーの思いの結晶でした - デスコールの目的
デスコールは、ランドにヘンリーが全てを奪ったと誤解させる手紙を送り、彼を操ってモンテドールで事件を起こさせました。彼の真の目的は、ランドを利用して奇跡の仮面と対になる破邪の仮面を手に入れ、自身の人生を狂わせたブロネフ・ライネルへの復讐を果たすことでした - レイトン教授の家族関係
本作で、レイトン教授の本名がエルシャール・レイトンではなく、レパードであることが示唆されます。そして、デスコールがレイトン教授の実の兄であり、彼らの実父がブロネフ・ライネルであることが終盤のムービーで明らかになります。レイトンは幼い頃に養子に出され、現在の両親に育てられました - レイトン教授の考古学と口癖
レイトン教授が考古学者になったのは、親友ランドの影響が大きいです。彼の口癖である「この世に解けないナゾはない」は、ランドが遺跡探検中に言った言葉を受け継いだものです - 破邪の仮面
奇跡の仮面と対になる仮面で、遺跡の仕掛けを解く鍵となります。ヘンリーがアクバーダイン遺跡で発見した財宝の一部でした
結末
モンテドールという街は、実はヘンリーがランドの帰りを待ち続けるために築き上げた「奇跡の街」だった。ヘンリーとシャロアの結婚も、ランドを待つための偽装だった。ランドはヘンリーの真意を知り和解することになる。
レイトン教授が考古学者になった理由や、彼のトレードマークであるシルクハットを被り続けるようになった経緯、そして口癖の由来も、ランドとの友情に深く関わっていた。
そして最期に、デスコールと、彼の人生を狂わせたというブロネフ・ライネルの存在が匂わされ、物語は幕を閉じる。
登場人物
- レイトン教授(エルシャール・レイトン)
有名な考古学者で謎解きの達人。冷静沈着だが、時には大胆な行動も - ルーク少年(ルーク・トライトン)
レイトンの自称一番弟子。動物と話すことができる - レミ・アルタワ
レイトンの助手。行動的で格闘が得意な謎の美女 - ランド・アスコッド
レイトンの高校時代の親友。考古学マニア。奇跡の紳士の正体 - シャロア・レドール
奇跡の仮面事件の依頼主。ヘンリーの妻でレイトンの学友 - ヘンリー・レドール
モンテドールを築き上げた大富豪。ランドの幼馴染 - アルフォード・ダルストン
レドール家と対立する大富豪。レイトンの学友 - ジャン・デスコール
仮面をつけた科学者。前作から登場し、本作でも暗躍する - ブロネフ・ライネル
全てが謎に包まれた男。デスコールに関係がある
感想
3DSへの移行に伴い、グラフィックやUIが大きく変化しましたが、慣れてくると3Dモデルのキャラクターも可愛らしく感じられました。特にキャラクターの動きが豊かになった点は魅力的です。乗馬モードや遺跡モードといった新しいゲームシステムは、従来の謎解きアドベンチャーとは異なるテイストで、賛否両論あるかもしれませんが、個人的には新鮮で楽しめました。
ストーリーは過去と現代が交互に描かれ、レイトン教授の過去が深く掘り下げられています。ランドとヘンリーの友情、そしてモンテドールの街に隠された秘密には感動でした!そして、エンディング後のCパートで描かれるデスコールとブロネフのシーンは非常に衝撃的で、次作への期待感を高める素晴らしい演出だったと思います。
UIの変更や一部のナゾのテイストの変化はありましたが、シリーズの魅力である温かいストーリーとユニークなナゾは健在で、最後まで楽しくプレイできました。
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