『レイトン教授と超文明Aの遺産』は国内外で人気を博した〈レイトン教授シリーズ〉の第2シリーズ第3弾にして、エルシャール・レイトン教授を主人公とした物語の完結編です!レベルファイブが開発・発売したニンテンドー3DS用アドベンチャーゲームで、2013年2月28日にリリースされ、キャッチコピーは「ナゾトキ×世界旅行」でした。プレイヤーはレイトン教授と共に世界中を旅しながら、数々の謎を解き明かし、古代文明の秘密に迫ります。この記事では、あらすじやネタバレ、登場人物、ゲームの感想などをまとめています。
あらすじ
『レイトン教授と奇跡の仮面』から1年後――考古学者のレイトン教授のもとに一通の手紙が届く。差出人はフォスター・サーハイマン博士で、博士は古代文明発掘の権威。手紙の内容は『生きているミイラ』の調査依頼だった。雪に閉ざされた町スノーラで発見されたミイラを調査するため、レイトンは助手のレミ、そして一番弟子のルークと共に、サーハイマン博士の執事レイモンドが操縦する飛行船ボストニアス号に乗り込み、スノーラへと向かう。
スノーラに到着したレイトン一行は、サーハイマン博士の案内で洞窟の奥深くへ入り込む。そこで彼らが目にしたのは、巨大な氷塊の中に眠る一人の少女だった。博士によれば、この少女こそが「生きているミイラ」であり、有史以前に存在したとされる幻のアスラント文明に関わっているという。
レイトンたちの謎解きによって氷は溶け、少女は長い眠りから目を覚ます、が…そのとき、アスラントの遺産を狙う秘密結社・タージェントが襲来し、少女を連れ去ろうとする。
タージェントから少女を守ったレイトンたちは、彼女が記憶を失っていることを知る。少女はアーリアと名乗り、アスラント文明の使者であること、そしてアスラントの英知へたどり着くための鍵となるエッグの存在をほのめかす。どうやらタージェントのねらいもエッグらしい。レイトンたちはアーリアと共に世界各地に散らばる5つのエッグを探しだそうとする。
準備のため、一旦ロンドンに戻ったレイトンたち。ロンドンにもタージェントの影がちらつく。スコットランドヤードのブルーマイル捜査官はタージェントと繋がっているようだった。そして旅立ちを前に、レイトンは自身の両親と再会し、サーハイマン博士が以前からレイトン夫妻と関わりがあったことを知る。
レイトン達は、飛行船ボストニアス号で、ジャングルの奥地、南の島、荒野の町、風の谷、忘れ去られた遺跡の町などを訪れ、様々な場所で個性的な人々に出会い、その土地に伝わる謎や問題を解決しながら、アスラント文明の遺産である5つエッグを手に入れていく。各エッグにはアスラント文明の技術や知識が隠されており、アーリアの力によってその一部が解放される。
ネタバレ
レイトンたちは最後のエッグがあるタージェントの本拠地・ゴッド街へ向かう。タージェントの巨大ビルに乗り込んだレイトンたちは、最上階で首領ブロネフと対峙する。そして、サーハイマン博士がデスコールであることと、デスコールがレイトンの実兄であることが明らかになる。デスコールはタージェントへの復讐のためにレイトンと行動を共にしていた。
デスコールはブロネフを追ってアスラントの遺跡へと向かう。
デスコールを追ってスノーラに戻ったレイトンたちは、出現したアスラントの遺跡を目の当たりにする。デスコールとブロネフが遺跡の奥におり、ブロネフはアスラントの力を復活させようとしていた。
デスコールはレイトンに、自分とブロネフ、そしてレイトンの関係について語り始める。ブロネフは彼らの実父であり、デスコールは幼いレイトン(本名レパード)をレイトン夫妻に託し、自身は復讐のために生きてきたことを明かす。
- アーリアの正体
氷の中で発見された少女アーリアは、アスラント文明の使者であり、最終的にはアスラントドール(機械人形)であることが判明する - タージェントの目的
秘密結社タージェントは、アスラント文明の遺産である「エッグ」と、その先にあるアスラントの英知を狙っている - サーハイマン博士の正体
レイトンに調査依頼を送ったサーハイマン博士の正体は、シリーズを通しての宿敵である怪人デスコールである - デスコールとレイトンの関係
デスコールはレイトン教授の実の兄である。デスコールの本名はエルシャール、レイトンの本名はレパード・ライネル - ブロネフの正体
タージェントの首領であるブロネフ・ライネルは、レイトンとデスコールの実父である - レミの正体
レイトンの助手であるレミは、ブロネフに恩があり、タージェントのスパイとしてレイトンを監視していた - アスラント文明の遺産の正体
アスラントの英知とは、かつてアスラント文明を滅亡させた機械人形「アスラントドール」のことである。アスラントドールを止める方法は遺跡の動力源である聖閃石の光を、人間が身を挺して遮ること
結末
ブロネフによってアスラントの遺跡は完全に復活した。すると遺跡から人類を滅亡させた機械人形『アスラントドール』が大量に現れた。
アーリアによれば、アスラントドールを止める唯一の方法は、遺跡の動力源である聖閃石の光を人間が身を挺して遮ることだという。レイトン、ルーク、レミ、デスコール、そしてブロネフも協力し、光を遮ることでアスラントドールを停止させるが、その代償として命を落としてしまう…。
しかし、アーリアの力によって彼らは蘇生。アーリアはアスラントの遺跡と共に永遠の眠りにつくのだった。
デスコールは遺跡の崩壊に巻き込まれたかのようにみえたが、執事と共に飛行船で旅立っていた。ブロネフはグロスキー警部に逮捕され、レミはレイトンのもとを離れ、それぞれの道を進むことに。物語はレイトンとルークが初めて出会うシーンで幕を閉じ、シリーズの始まり『不思議な街』へとつながる。
登場人物
- エルシャール・レイトン
冷静沈着な英国紳士で考古学教授。シルクハットがトレードマーク。本作で自 身の出生に関わる秘密を知ることになります - ルーク・トライトン
レイトンの一番弟子。動物と会話できる特殊な能力を持ち、レイトンの良き相棒として旅を支えます - レミ・アルタワ
レイトンの有能な助手。格闘技に長けており、一行の危機を救うことも。本作では彼女の意外な過去が明らかになります - アーリア
氷の中で発見された謎の少女。アスラント文明の秘密を握る存在であり、物語の中心人物となります。記憶を失っていますが、アスラントの遺産に触れることで記憶を取り戻していきます - ジャン・デスコール
レイトン教授の宿敵。仮面をつけた科学者で、アスラント文明の力を狙っています 。本作でレイトンとの因縁の理由と、その正体が明かされます - ブロネフ・ライネル
秘密結社タージェントの冷酷な首領。アスラントの遺産を手に入れ、世界を支配し ようと企んでいます。レイトンとデスコールの実父という衝撃的な真実が明かされます - フォスター・サーハイマン
著名な考古学者。レイトンに調査依頼の手紙を送ります。その正体はデスコ ールであり、レイトン夫妻に恩がある人物として登場します - レイモンド
サーハイマン(デスコール)の忠実な執事。飛行船の操縦など、様々な能力で一行をサポー トします - ブルーマイル
スコットランドヤードの捜査官。ロンドンでのタージェントの暗躍に関わっています
感想
第1作目『不思議な街』から続くシリーズの集大成として非常に力の入った作品でした!まずグラフィックが進化しました。ソフト開発が直接グラフィックの向上に貢献したわけではないと思いますが、3DSの立体視を最大限に活かした背景は息をのむほど美しく、まるで絵本の世界に入り込んだような没入感を与えてくれました。世界各地を旅するというテーマも素晴らしく、多様な文化や風景が丁寧に描かれており、探索するだけでも楽しめます。
謎解きも健在で、6作目とはいえども、バラエティ豊かなナゾに魅了されます。出題画面のアニメーションなど、細かい演出も凝っており、謎解きをより魅力的なものにしています。ミニゲームもそれぞれユニークで、本編の息抜きとして楽しめました。
ストーリーは、過去作から張り巡らされた伏線が一気に回収され、レイトン教授自身の過去や、デスコール、ブロネフとの関係性が明らかになる点が最大の魅力ですね。特に終盤の展開は衝撃的で、キャラクターたちの複雑な感情や絆が描かれるシーンは感動的でした。レミの隠された使命や、デスコールの悲しい過去など、それぞれのキャラクターに深みが増し、物語をよりドラマチックにしています。
一方で、一部の伏線が唐突に感じられたり、悪役であるブロネフの動機がやや分かりづらいと感じる部分もありました。また、ゲーム全体のテンポが、探索パートでの細かいタッチ操作やメッセージ表示の遅さなどにより、少しもどかしく感じられる場面もありました。すれちがい通信限定の特典に過去作のミニエピソードが含まれているのは、後からプレイする者としては少し残念に感じました。
しかし、それらを差し引いても、本作はレイトン教授の物語を締めくくるにふさわしい、感動的で壮大なまさに謎解き冒険活劇です!キャラクターたちの成長や別れ、そして未来へと繋がるエンディングは、シリーズファンにとって忘れられないものになりました。レイトン教授の「ナゾはすべて解けた!」という言葉と共に、長い長い旅が終わったわけですが、寂しさもありつつ、大きな満足感を得られる作品でした。
コメント