『禁忌の子』は、衝撃的な展開と深いテーマ性が魅力的なおすすめの医療ミステリーです。本屋大賞にもノミネートされたミステリー界の話題作ですので、ぜひ、手に取って読んでみてください!
あらすじ
救急医の武田航は、搬送されてきた身元不明の溺死体を見て愕然とする。その顔は、まるで鏡に映った自分自身のように瓜二つだ った。武田は同僚の医師、城崎響介と共に、この謎めいた死体の身元を突き止めようとする。調査を進めるうちに、武田は自身の出生に隠された衝撃的な秘密を知ることになる。それは、生殖医療の倫理的な境界線を揺るがすものだった。
小説の特徴
- 衝撃的な導入と予測不能な展開
- 医療現場のリアルな描写
- 倫理的なテーマへの深い考察
- 魅力的なキャラクター造形
感想
単なるミステリーとしてだけでなく、人間の業や家族のあり方、生命倫理といった普遍的なテーマを深く考えさせられる作品でした。特に、主人公が自身の出生の秘密を知り、苦悩する姿は、読者の心に強く訴えかけるものがあります。また、探偵役の城崎の冷静かつ人間味あふれるキャラクターも魅力的で、物語に深みを与えていました。
『禁忌の子』は、読者に多くの問いを投げかける作品だと思います。例えば、
- 生命倫理の境界線はどこにあるのか?
- 親とは何か?家族とは何か?
- 科学技術の進歩は、本当に人間を幸せにするのか?
これらの問いに対する答えは一つではなく、読者自身の価値観や経験によって異なると思いますが…、こういった問題について深く考えるきっかけになりそうです。社会派ミステリーとしての側面もあるという感じですね。
ポジティブな感想
- 物語の展開がスリリング!
- 医療現場の描写がリアル!臨場感がある!
- 倫理的なテーマについて深く考えさせられる
- キャラクターが魅力的で感情移入できる!
ネガティブな感想
- 結末が倫理的に受け入れられない
- テーマが重すぎて…読後感が微妙
- 展開が都合のいい部分がある気がする…
ネタバレ
武田と瓜二つの溺死体は、実は過去の医療技術によって生まれた存在であり、武田とは遺伝子レベルで繋がっていました。実は武田は、不妊治療によって生まれた子供であり、溺死体はその過程で生まれたもう一人の子供でした。
武田の妻である絵里香もまた、同じクリニックで生まれた信也の妹であることが判明します。信也は、過酷な環境で育ち、犯罪に手を染めるようになっていました。信也を殺害したのは絵里香です。
絵里香の妊娠が発覚しますが、その子供は近親相姦によって生まれる『禁忌の子』ということになります…。
密室
他殺が疑われていたようですが、結局のところ、自殺でした。
まとめ
本作は衝撃的な設定と複雑に絡み合った人間関係が魅力のミステリー小説でした!医療現場のリアルな描写や、倫理的な問題提起など、読み応えのある作品となっています。物語の展開や結末には賛否両論があるかもしれませんが…それも含めて、読者に深く考えさせる作品であるといえますね!
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