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刑事コロンボの傑作と駄作・ワースト【名作ランキング】

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 刑事コロンボ(新・刑事コロンボを含む)の傑作と駄作についてです。刑事コロンボには全部で69のエピソードがあります。このうち、24エピソードが新シリーズで、残り45エピソードは旧シリーズと呼ばれます。この全エピソードの中からベスト作品とワースト作品を紹介します。海外レビューサイトを参考にした全話ランキングも記載しています。

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定番の傑作

 コロンボの傑作で必ず登場するのが第19話「別れのワイン」です。この作品に登場する犯人は、ワインセラーの経営者で、ワインを愛する(視点を変えると、ワインに対して異常な執着をもつ)人物です。コロンボの罠にはまって、自分にしか証明できない内容を証言し、追い詰められてしまいます。その後、ラストシーンで海に貴重なワインを投げ捨てます。このシーンが印象的で、さらに、自供後のコロンボとのやり取りも見どころだと思います。

 ミステリー要素について考える前に、このエピソードの特徴を簡単にまとめます。この事件で犯人は、被害者をワインの倉庫で窒息しさせ、その後、死体を海に捨てます。スキューバダイビング中の事故にみせかけるという偽装です。倉庫で窒息死させるために、空調(おそらく換気機能付き)の電源を落としますが、これが重大なミスとなります。

 倉庫で窒息、というのは珍しいかもしれませんが、金庫で窒息させるエピソード(第41話・死者のメッセージ)があり、海での事故をよそおうというのも珍しくはないと思います。窒息させるために空調を切った理由がわかりにくく、犯行に関して納得しにくい部分もあります。このように考えると、特段、トリックがすごいというわけでも、謎解きが鮮やかというわけでもなさそうです。面白くないと主張しているわけではないですが、ミステリーとして傑作ではない気がします。

 ただ、人間ドラマを描いたエピソードとして「別れのワイン」は傑作だと思います。完全犯罪を企む犯人が多いコロンボ作品ですが、この犯人の犯行は、珍しく、突発的なものでした。ワインへの愛情を持つが故の犯行でしたが、その類まれなテイスティング能力が逆に自分を追い詰めるという皮肉があり、さらに最後には、犯行動機といえる大事なワインも失うことになります。

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最高傑作

最高傑作は第41話「死者のメッセージ」です。個人的に一番面白かった作品なわけですが、海外のレビューサイトをみると、このエピソードが最も評価の高い作品になっています。実は「別れのワイン」も同じ評価で、つまり、同率一位ということになります。この「死者のメッセージ」はミステリー作品としての一位だと思っています。

犯人は中高年の女性で、推理小説家です。金庫に閉じ込めて義理の甥を殺害します。事故死を偽装しますが、金庫内でしばらく生きていた被害者がダイイング・メッセージを残します。これが証拠となって、犯人は捕まります。このメッセージが、どうやっても言い逃れできない文字通りの決定的な証拠で、爽快感があります。

余談ですが、古畑任三郎の第一話は「死者からの伝言」というタイトルで、内容もコロンボのエピソードと似ています。脚本家の三谷幸喜さんもこのエピソードがお気に入りなのかもしれません。またしても余談ですが、コロンボの方の原題は「Try and Catch Me」なので、邦題とは全く違います。

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駄作

 コロンボに駄作はないと思いますが、評判が著しく悪い作品はあります(これを駄作と呼ぶのかもしれませんが)。特に評判が悪いのは、倒叙ではない作品です。コロンボは最初に犯人がわかりますが、最後に名探偵ポワロのような謎解きが始まるエピソードもあります。このような傾向で描かれたのは、第37話「さらば提督」が初めてで、評価はとても低いです。このエピソードは第5シーズンの最終話であり、コロンボが去っていくようなシーンがあります。最後の作品として、違ったコロンボを描いたのかもしれませんが、評価は低いです。

 ただ、37話ということもあり、36話分のいつものコロンボをみた視聴者にとっては驚きがあるのではないかと思います。個人の感想になりますが、いつもと違う展開やラストということで、私はかなり印象に残っています。犯人がわからないというコロンボでは珍しいストーリーの中で、コロンボが被疑者を集めて謎解きを披露するわけですが、ここで懐中時計という罠を使って犯人を追い詰めます。そして、旗に書かれた文字の謎も明かされます。犯人を追い詰める根拠がちょっと弱いような気もしますが、ミステリー作品としては、駄作と言われるほどひどい作品ではない気がします。

 とはいえ、コロンボでこの作品をやる必要はなかった、というのが低評価の原因だと思われます。36話ではなく、第一シーズンの最終話手前や第二シーズンの最初の方、くらいで放送していれば、評価が違った気がします。

評価の低い作品

 その他、評価が低いのは、やはり、コロンボっぽくない作品です。第60話「初夜に消えた花嫁」や第55話「マリブビーチ殺人事件」などが該当します。初夜に消えた…は花嫁の誘拐犯を追うというエピソードで、コロンボのスピンオフみたいな作品です。これはけなしているわけではなく、確かにコロンボではない気がしますが、これはこれで面白いと思っています。マリブビーチは犯人がわからない作品で、怪しい人物が二人登場します。比較的有名なトリックが登場するので評価が低いのかもしれませんが、当時、ミステリーをあまり知らなった私は、結構驚きました。

新・刑事コロンボの評価が徹底的に低いかというと、そういうわけではありません。確かに、評価ランキングTOP10は旧シリーズがほとんどですが、第62話「恋におちたコロンボ」は評価が高いです。個人的には「幻の娼婦」、「だまされたコロンボ」、「かみさんよ、安らかに」などなど、好きな作品が結構あります。

ランキング

最後に、海外レビューサイトのランキングを表にして紹介します。なお、ランキングはIMDbのランクページを参考にしています。

1~45話が旧シリーズで、46~69話は新シリーズです。3位にランクインしている「魔術師の幻想」はタイトルの通りマジシャンが犯人のエピソードです。同率3位の「権力の墓穴」は警察官が犯人となっています。

順位 話数 タイトル
1位 41 死者のメッセージ
1位 19 別れのワイン
3位 36 魔術師の幻想
3位 25 権力の墓穴
5位 24 白鳥の歌
6位 1 殺人処方箋
6位 44 攻撃命令
6位 32 忘れられたスター
6位 27 逆転の構図
6位 15 溶ける糸
11位 62 恋に落ちたコロンボ
11位 28 祝砲の挽歌
11位 21 意識の下の映像
14位 56 殺人講義
14位 53 かみさんよ、安らかに
14位 51 だまされたコロンボ
14位 42 美食の報酬
14位 29 歌声の消えた海
14位 17 二つの顔
14位 10 黒のエチュード
14位 4 指輪の爪あと
14位 6 二枚のドガの絵
23位 40 殺しの序曲
23位 30 ビデオテープの証言
23位 20 野望の果て
23位 7 パイルD-3の壁
23位 2 死者の身代金
23位 3 構想の死角
29位 67 復讐を抱いて眠れ
29位 66 殺意の斬れ味
29位 59 大当たりの死
29位 52 完全犯罪の誤算
29位 43 秒読みの殺人
29位 34 仮面の男
29位 26 自縛の紐
29位 22 第三の終章
37位 58 影なき殺人者
37位 54 華麗なる罠
37位 38 ルーサン警部の犯罪
37位 31 5時30分の目撃者
37位 16 断たれた音
37位 12 アリバイのダイヤル
43位 47 狂ったシナリオ
43位 45 策謀の結末
43位 14 偶像のレクイエム
43位 11 悪の温室
47位 61 死者のギャンブル
47位 57 犯罪警報
47位 46 汚れた超能力
47位 33 ハッサン・サラーの反逆
47位 7 もう一つの鍵
52位 69 虚飾のオープニング・ナイト
52位 63 4時02分の銃声
52位 48 幻の娼婦
52位 50 殺意のキャンバス
52位 18 毒のある花
52位 8 死の方程式
58位 65 奇妙な助っ人
58位 39 黄金のバックル
58位 23 愛情の計算
58位 13 ロンドンの傘
62位 64 死を呼ぶジグソー
62位 5 ホリスター将軍のコレクション
64位 49 迷子の兵隊
65位 68 奪われた旋律
65位 35 闘牛士の栄光
67位 55 マリブビーチ殺人事件
68位 60 初夜に消えた花嫁
68位 37 さらば提督

記憶を消してもう一度みたいエピソード

『記憶を消してもう一度みたい刑事コロンボ』というタイトルでYoutubeに動画を投稿しています。記憶を消して…というテーマで、5つの作品を選んでいます。

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