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かまいたちの夜3|ネタバレ徹底解説【あらすじ・ストーリー・犯人など】

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かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』はチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)が開発したサウンドノベルシリ ーズの第3作目です。前作までの登場人物たちが再び三日月島に集まり、新たな事件に巻き込まれます。本作では、複数の主人公の視点から物語が進行する「ザッピングシステム」が採用されており、それぞれのキャラクターの心情や行動が多角的に描かれるのが特徴です。この記事ではあらすじや登場人物、ネタバレ、感想などをまとめています。

  • ジャンル:サウンドノベル
  • プラットフォーム:PlayStation2(オリジナル版、リメイク版あり)
  • 特徴
    複数主人公によるザッピングシステム、タイムチャートによる進行管理、前作までの事件の真相に迫るストーリー
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あらすじ

『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』の事件から数ヶ月後、香山誠一は亡き妻・夏美の魂を供養するため、事件の舞台となった三日月館を修復し、関係者たちを再び島に招集する。しかし、その供養の裏には、香山自身の夏美への深い想いと、館にまつわる古くからの呪いの存在があった。

各主人公はそれぞれの目的や悩みを抱えながら三日月島を訪れる。

  • 香山誠一
    亡き妻・夏美の夢に悩まされ、彼女の魂を成仏させるために三日月館を修復し、供養を計画する。元妻の春子に協力を依頼する
  • 矢島透
    前作の事件後、真理と共にペンション「シュプール」の経営を手伝っている。香山の供養に招かれ島を訪れる
  • 久保田俊夫
    妻・みどりが前作の事件で服役中であり、離婚届を突きつけられ荒んだ生活を送っている。みどりを取り戻すための何かを探しに島へ向かう
  • 北野啓子
    親友の可奈子と美樹本の関係に悩み、自身の恋に決着をつけるため供養に参加する

香山はケマルーア彦田という祈祷師の指示に従い、館に水晶玉や鶴亀の置物を配置し、宿泊者の部屋割りも厳密に決める。しかし、祈祷を開始した香山は、何者かに襲われ命を落としてしまう。この香山の死をきっかけに、三日月島で新たな惨劇の幕が開く…。

登場人物

矢島透(やじま とおる)
主人公のひとり。真理のペンション「シュプール」を手伝っている。探偵役を務めることが多い
小林真理(こばやし まり)
透のガールフレンド。「シュプール」の新オーナーとして奮闘中
久保田俊夫(くぼた としお)
主人公のひとり。妻・みどりの服役により荒んだ生活を送る。みどりとの関係に苦悩する
久保田みどり(くぼた みどり)
俊夫の妻。前作のひき逃げ事件で服役中
香山誠一(かやま せいいち)
主人公のひとり。大阪の会社社長。亡き妻・夏美の供養のため三日月館を修復した張本人
香山夏美(かやま なつみ)
香山の後妻。前作の事件の被害者のひとり。夢の中で香山に助けを求める
香山春子(かやま はるこ)
香山の元妻。香山の依頼で供養の料理を振る舞う
北野啓子(きたの けいこ)
主人公の一人。お菓子好きのOL。可奈子と美樹本の関係に悩む
渡瀬可奈子(わたせ かなこ)
啓子の親友で元同僚。美樹本のアシスタントをしている
美樹本洋介(みきもと ようすけ)
フリーのカメラマン。香山に三日月館の写真を提供した
小林二郎&今日子(こばやし じろう&きょうこ)
真理の叔父夫婦。「シュプール」の元オーナー。前作ラストで行方不明に
村上つとむ(むらかみ つとむ)
今日子の弟。作曲家。前作ラストで行方不明に

事件概要

香山誠一が殺害された後、物語は各主人公の視点で進行し、事件の謎が深まっていきます。
香山誠一殺害事件について

  • 密室の謎
    管理人室は密室であり、鍵は部屋の中にあった。マスターキーを持つ啓子でも開けられなかった
  • マスターキーの謎
    啓子が持つマスターキーが、なぜ管理人室を開けられなかったのかが大きな疑問となる
  • コートの男
    俊夫が館内で見かける謎の人物。事件との関連が疑われる

サバイバルルート(バッドエンド)

特定の選択肢を選ぶと、事件は連続殺人へと発展します。香山に続き、美樹本が食堂で殺害され、館は水没。可奈子と啓子は 自殺(に見せかけられた死)、真理も水流に飲まれるなど、次々と犠牲者が出ます。このルートでは、透が最後に「あんた…なんで生きてるんだ…」という言葉を残し、謎の人物に殺害されます。

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真相(ネタバレ注意)

香山誠一殺害の実行犯は村上つとむです。そして、香山春子が共犯者です。

村上は前作の大津波で死んだことになっていましたが、実は生きていました。しかし、まともな生活ができず、岸猿家の財宝を狙うことになります。彼は今日子(姉)の復讐を手伝うことで、彼女がいなくなった後に財宝を独り占めしようと企んでいました。

春子は香山との関係がうまくいっていなかった時期に今日子に助けられていました。前作の事件で村上が死んだことになった後も、彼を助けようと協力していました(殺人までは想定していなかった)。

  • 隠し通路
    三日月館の食堂にある装飾用の暖炉は、2階の物置部屋へと繋がる隠し通路になっていました。村上はこの通路を使って館内を自由に移動し、犯行を行っていました
  • 鍵のすり替え
    春子が自身の部屋(3号室)の鍵とマスターキーのタグをすり替えていました。啓子が鍵をなくした際、香山が「マスター」のタグが付いた鍵(実際は3号室の鍵)を啓子に渡してしまいます。春子はこの状況を誤魔化すため、啓子の部屋(2号室)と自身の部屋(3号室)を入れ替え、啓子には3号室を2号室だと偽って使わせていました。鍵の検証時には、春子が手の中で啓子の鍵とマスターキーを重ね、本物のマスターキーで開けることで誤魔化していました

かまいたちの夜1&2との関連

  • 春子と村上の出会い
    春子は今日子(岸猿家)の身内の調査を探偵に依頼し、今日子の弟である村上と出会っていました
  • 河村亜希のシュプール訪問の真相
    河村亜希がシュプールを訪れたのは偶然ではなく、春子と村上が今日子には内緒で、実の娘である亜希を宿泊させるつもりだったためでした
  • 菱田喜代の監禁と死
    村上は今日子の復讐を手伝う中で、本物の菱田喜代を監禁していました。その後、菱田喜代は不幸が重なり亡くなっています
  • 村上の生存
    村上は津波の際、高台の人造湖脇の小屋(菱田喜代を監禁していた場所)に隠れて生き延びていました
  • 村上の動機(補足)
    村上は今日子の復讐によって彼女がいなくなることで、岸猿家の財宝を独り占めできると考え、今日子の復讐を手伝っていました

結末(エピローグ)

香山誠一は仮死状態でした。死んでいません。
香山誠一は幽体離脱し、夏美や2で亡くなった人々と協力して、三日月島を呪っている岸猿伊右衛門の怨霊と戦っていました。伊右衛門を打ち破り、呪縛霊を成仏させた後、自らも復活して戻ってきます。

事件解決後、各登場人物はそれぞれの道を歩みます。

  • 透と真理
    透は正式にシュプールに就職し、数年後には「小林真理・透」の名前でオーナー を務めるようになります
  • 啓子
    恋を諦め、可奈子と友人関係に戻ります。趣味で書いていたグルメノートが出版社の目に留まり、グルメリポーターとして活躍します
  • 香山
    手に入れた財宝を使い、三日月館を正式に取り壊します。数年後、跡地には夏美が好きだった桔梗の花畑が広がっていました
  • 俊夫
    真理から、みどりが刑務所内で俊夫の子供を出産していたこと、そして面会を拒否していたのは俊夫に重荷を背負わせないためだったと聞かされます。俊夫は涙し、みどりを愛していることを再確認します。数年後、仲の良い家族写真が残されていました

真犯人

連続殺人ルートにおける真犯人は北野啓子です。
啓子は、美樹本ではなく親友の可奈子に歪んだ愛情を抱いていました。香山が殺害されたことで、可奈子に想いを伝える「チャンス」が失われたと感じた啓子は、「もっと想いの伝わる手段」として、皆殺しという特異な状況を作り出すことを決意します。彼女は可奈子と二人きりで話せる時間と場所、そして最高の状況を確保しようとしたのです。

  • 村上殺害と死体遺棄
    村上が美樹本を絞殺した直後、啓子が村上を絞殺し、彼が水を張っていた中庭へと投げ捨てました。水没時に流れてきた死体は村上のものでした
  • 美樹本の死体移動
    美樹本の遺体を隠し通路(暖炉)を通して食堂へ運び、鎌で心臓を貫きました
  • 春子殺害
    春子と対面し、事件の真相について語り合った後、春子も鎌で殺害しました
  • 自殺偽装
    可奈子と自身の死を偽装するため、首吊りに見せかけながらも紐を余らせて首が絞まらないようにしていました
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感想と考察

『かまいたちの夜×3』は、前作までの謎を解き明かし、新たな衝撃的な真相を提示しています。特に、真犯人の意外性や、各事件が複雑に絡み合う構成には引き込まれますね。

  • 複数主人公とタイムチャート
    複数の視点から物語が展開するザッピングシステムは、ひとりの主人公では見えない「一緒にいなかった時間のこと」を補完してくれます。フローチャートではなくタイムチャートが導入されたことで、時間と場所が一目で把握しやすくなり、読み戻し・読み送りもスムーズに行えました
  • ボリュームと追加要素
    全体のボリュームは前作『2』に比べるとやや少ないかもしれませんが、クリア後の「ピンクのしおり」や「黒のしおり」で追加されるシナリオには満足できます。特に黒のしおりで明かされる真犯人の存在は衝撃的です
  • 音楽の良さ
    BGMが物語の雰囲気を大いに引き立てています!
  • エピローグの評価
    香山が夏美に語りかけるエピローグは感動的でした。その後の追加シナリオは、キャラクターのその後を描く上で重要ですが、本編の感動的な余韻も大切にしたいところです

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