『かまいたちの夜2 底蟲村篇』のあらすじとネタバレです。底蟲村篇はメインシナリオのわらべ唄篇を完結させると登場するシナリオで、ホラーでグロテスクな物語です。
あらすじ
三日月島へ向かう途中、透達は船の上で船長から島で行われていた不老不死の研究について知ることになる。研究を行っていたのは岸猿伊右衛門という人物で、伊右衛門は大金をつぎ込んで研究を進めていたようだが、そのうち、島の人間が消失したという。
みのむしぶらりんしゃん美味そにみえる
なんぼ美味そでも喰ろてはならぬ
喰ろたら一生生き地獄みのむしぶらりんしゃん我慢がでけぬ
我慢でけぬなら喰ろうてごろじ
喰ろたらお山に捨てられるみのむしぶらりんしゃんたぢまのもりが
とこよのくにで見つけねばよかった
喰ろたら生きるぞ万万年
船長は島にまつわるわらべ唄をうたい、透達をもの好き呼ばわりする。『かまいたちの夜には常世の虫が目覚める』らしい。不穏な空気が漂う中、一行は館への道程で網張神社(あみはりじんじゃ)をみつける。神社には土蜘蛛や錆だらけの剣が祀られているらしいのだが、クモの巣だらけで荒れ果てていた。神社の茂みには猿らしき生き物も潜んでいるようである…。
館ではキヨという老人の管理人が透達を待ったいた。館には俊夫と美樹本がおり、透、真理、みどり、小林を含めた6名が招待客のようだった。我孫子が到着するまでの間、それぞれ時間を過ごした。透と真理は浜辺で香山と出会う。クルーザーで現れた香山は自分こそが我孫子だという。
「かまいたちの夜」で儲けた香山は徐福伝説やタヂマノモリ伝説、姥捨て山伝説などの伝説に加え岸猿伊右衛門の研究という過去もある不老不死まみれな三日月島を購入し、不老不死について探るつもりだった。
- 徐福とは始皇帝の命令で不老不死の秘薬を探した人物
- 多遅摩毛理(たじまのもり)とは垂任天皇の家来で、天皇によって常世の国に派遣され、食べると不死になるという非時香果(ときじくのかぐのこのみ)を探した人物
香山の話を聞いたあと、透と真理は館の部屋で巨大な蜘蛛と遭遇する。なんとか蜘蛛を追っ払った透は美樹本達と合流し、止めを刺そうとする。キヨの活躍によって巨大蜘蛛は始末されたが…、変な蜘蛛がいる島で過ごさなければならない。迎えの船がくるのは翌日の予定だった…。
底蟲村
巨大蜘蛛がいた部屋で蜘蛛の糸で書かれた「アフナイソトクカヘレ(あぶないぞ、そくかえれ)」というメッセージが見つかる中、真理が底蟲村に行きたいと言い出す。底蟲村は島の廃村で、キヨいわく、絶対に近づいてはいけないらしい。それにも関わらず、真理は底蟲村へと向かい、透、小林、香山もついていくことになる。
底蟲村は蜘蛛の巣だらけで、入口には警告文があった。
ココカラ先底蟲村
常世ノ入リ口ナリ
入ルナヨ…
一行は警告文を無視して村に入り黄色い実をみつける。小林が味見をし、透、真理、香山にすすめる。香山は一口食べ、真理は口に入れたところで透に止められた。結局、透は一切に口にしなかった。その後、透と真理は廃屋で化け物と遭遇し襲われてしまう。それは透が神社で目撃した猿のような生き物だった。さらにそこに大きな蜘蛛が現れる。
蜘蛛の攻撃によってゾンビはどこかへ消え、蜘蛛は小林と香山の加勢によって倒された。恐ろしい目にあった一同は館へと戻るが、途中で小林が「ミミミミ…」と口走りながら発狂し、化け物になってしまう。どうやら、あの実を食べると化け物になってしまうらしい。
なんとか透達が館に戻ると、その様子は一変し、館は蜘蛛の糸で覆われていた。美樹本は既に死んでいた。みどりはまだ息があったが、救出を蜘蛛達に阻まれてしまう。それでも透達はキヨの助けを借りてみどりを助け出し、館の外へと逃げるが、屋外も蜘蛛だらけだった。
化け物たちが現れて蜘蛛を攻撃し始めたが、化け物たちは劣勢だった。するとキヨが神社にある剣であれば蜘蛛を皆殺しにできると言い始める。謎めいたキヨの正体に疑問を抱きつつも、それどころではない透達は神社へ向かい錆びた剣・蜘蛛切丸を手に入れる。蜘蛛切丸の威力は絶大で、蜘蛛どもはことごとく始末されていく。しかし、「ツルキヲタスナ トコヨノムシアラワレ コノヨオワル(剣を出すな 常世の虫現れ この世終わる)」という不穏なメッセージも発見されてしまう。
ミミミ
蜘蛛は一掃されたが、今後は香山がおかしくなってしまう。「体が言うことをきかんのや!実をくれ!実……ミミミミミミミ…!」。そう叫んで香山はどこかに姿を消す。モウテオクレという不吉なメッセージがみつかる中、透と真理はみどりを追って底蟲村を目指した。村では化け物たちがあの実をむさぼり食っていた。そこには香山の姿もあった。
実を口に入れた真理も化け物になろうとしているようだった。必死に止める透に真理は「殺してくれ」と頼むのだった。そこにキヨが現れ、真相を語り始める。
怪異の真相(ネタバレ)
キヨいわく、あの実は粘膜から人を侵すという。植物の果実にみえたあの実は『常世の虫』の卵で、食べた者は理性を失いスクナビコナという化け物になってしまう。スクナビコナは幼体なのだが、稀に常世の虫に成熟する。底蟲村の地下にはかつて誕生した常世の虫が土蜘蛛達によって封印されていた。ところが、透達のよって蜘蛛は皆殺しにされてしまった…。
すべてを知っている様子のキヨの正体は多遅摩毛理(たじまのもり)で、常世の国から非時香果(ときじくのかぐのこのみ)を持ち帰った人物だった。島にもとからいた化け物(スクナビコナ)は飢饉で非時香果を食べた底蟲村の村人達と、不老不死を研究していた岸猿家の一族だという。
キヨは蜘蛛の結界によって神社の蜘蛛切丸に手を出すことができなかった。そこで、透達を誘導し蜘蛛切丸を使わせたのだった。蜘蛛ん太刀の夜(くもんたちのよる)が訛って『かまいたちの夜』らしい。
結末
透はキヨに無理矢理あの実を食べさせられそうになるが、真理がキヨを一本背負いでぶっ倒す。キヨが倒れているうちに透と真理はその場から逃げ出したのだが、突然大地が激しく揺れ始め、透は真理を見失ってしまう。
地下から常世の虫が現れる。封印がとけて歓喜する常世の虫に立ちはだかったのはみどりだった。みどりの体内から小さな蜘蛛が無数にあらわれ、すぐに一匹の巨大な蜘蛛が生まれた。館で生き残ったようにみえたみどりだったが、実は蜘蛛に卵を植え付けられおり、自我を失っていた。
常世の虫と超巨大蜘蛛の対決の影で、香山はキヨと闘った。香山以外のスクナビコナの加勢により、キヨは常世の虫を助けることができず、常世の虫と蜘蛛は相討ちになる。
透と真理は底蟲村から脱出する。透は香山に会社を継いでくれと頼まれ、快諾する。すると香山は礼をいいながら底蟲村へと消えていった。村の地下から火柱があがり、何もかもが消え失せた。
気付くと透と真理は迎えの船の上にいた。なんとか生き延びた二人だったが、真理は自分がスクナビコナに変貌しなかった理由を考えていた。飲み込まなかったにせよ、真理が口に入れたのは間違いない。あの実は人の粘膜に触れただけで人をスクナビコナにしてしまう。ただし例外があり、一部は成熟して常世の虫になる。
透が気付いたとき、真理は看板に両手と膝をついて四つん這いになっていた。真理の背中が避けて、真っ黒な虫が誕生した。その虫は透を一瞥して飛び去った。残されたのは、真理の抜け殻と立ち尽くす透と青白い月あかりだけだった。
エンディングの種類
上記の内容はゲーム上で完エンド/トゥルーエンドとされているエンディングで、真理が常世の虫になり、透は人間のままという結末です。この他、真理も透も人間のままというエンディングと、真理は常世の虫になって、透は化け物(スクナビコナ)になってしまうというエンディングがあります。
物語の途中で選択肢を誤ると途中で死んでしまうようなエンディングもいろいろとあります。ゲームオーバーという感じです。
まとめ
底蟲村篇は登場する化け物がグロテスクで気色悪いです。物語はホラーパニックという感じで、敵だと思っていた化け物が実は味方だったという仕掛けがあります。そしてヒロインが化け物になっちゃうという結末も用意されています!常世とかが登場するので、「サイレン」を思い出したりもします。
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