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悪魔の手毬唄|あらすじ・ネタバレ解説

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金田一耕助シリーズ『悪魔の手毬唄』のあらすじ、真相、感想などをご紹介します。原作は横溝正史氏の推理小説で、古谷一行さん主演のドラマは二種類あり、1977年と1990年に放送されました。

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あらすじ

岡山県警の磯川警部に誘われ、金田一耕助は等々力警部と共に鬼首村(おにこうべむら、「おにこべ」とも)を訪れる。村には由良家、仁礼家、別所家という旧家に加え、青地家の営む湯治場『亀の湯』があった。村に到着した金田一は多々羅放庵という老人と知り合ったのだが、その老人が姿を消し、老人の住処から大量の血痕がみつかる。

その後、由良泰子、仁礼文子が次々と殺害されてしまう。死体の状況いずれも、村に古くから伝わる手毬唄の歌詞に酷似していた。見立て殺人を疑う金田一は次の犯行を阻止するため、歌詞の続きを調べようとするが、手毬唄を知るお婆さんが歌詞を思い出せず…、捜査は滞ってしまう。そこに、

登場人物・キャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。

名前 キャスト
(1990年版)
説明
金田一耕助 古谷一行 私立探偵
青池源治郎 死んだとされる
温泉宿「亀の湯」を営む
青池リカ 有馬稲子 源治郎の妻
青池歌名雄
あおいけ・かなお
石黒賢 源治郎の息子
青池里子 浅野愛子 源治郎の娘
顔に痣が広がっている
多々羅放庵
たたら・ほうあん
汐路章 庄屋の末裔
由良敦子 江波杏子 由良卯太郎の妻
由良家の屋号は枡屋
由良泰子 小沢幹子 敦子の娘
歌名雄と恋仲
仁礼嘉平 加藤武 仁礼家の当主
仁礼家の屋号は秤屋
仁礼咲枝 白川和子 嘉平の妹
仁礼文子 夏海京子 咲枝の娘
歌名雄との結婚を望んでいる
別所春江 大橋芳枝 千恵子の実母
別所家の屋号は錠前屋
別所千恵子 伊藤つかさ 春江の娘
大空ゆかりという芸名で活躍
恩田幾三 西園寺章雄 モール製作の副業を勧めた人物
源治郎殺害の犯人とされる
等々力 ハナ肇 警部
磯川 藤岡琢也 警部
立花 光石研 警部補

事件概要

鬼首村では青池源治郎という人物が殺害されています。犯人として恩田幾三という人物が疑われますが恩田は行方不明になってしまい、真相ははっきりしていません。恩田幾三は村を訪れ、由良家の当主・卯太郎にモール製作の副業を勧めた人物です。しかし、詐欺師の嫌疑をかけられ行方を暗まします。[モールはクリスマスツリーなどの飾りつけに用いる電飾です]

源治郎が死んで、恩田が行方不明になったというのがおおよその見解ですが、磯川警部は恩田が死んで、源治郎は生きていると考えています。そのため、独自に捜査を進めており、金田一に協力を要請することになります。

金田一が村にやってきた後、村の大家である由良家の令嬢・由良泰子と仁礼家の令嬢・仁礼文子が殺されます。いずれも宿屋「亀の湯」の青池歌名雄と結婚するしないで揉めていました。

村には別所家の別所千恵子(芸名・大空ゆかり)が帰郷しており、千恵子の命が狙われていると考えられますが、殺されたのは、亀の湯の娘・青地里子でした。泰子、文子、里子は、いずれも行方不明の多々羅放庵がまとめた手毬唄に見立てられていました…。[多々羅放庵は何者かに殺され、埋められていることが視聴者にははっきりしています]

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ネタバレ

放庵、泰子、文子、里子を殺した犯人は青池リカです。夫である青池源治郎を殺したのもリカで、源治郎と恩田幾三は同一人物でした。源治郎はいろんな村の女性に子をはらませていました。詐欺をはたらき、いろんな女性と浮気した上に、浮気相手の一人である別所春江(千恵子の母親)と逃げようとしたため、妻のリカに殺されます。

その他の殺人の動機についてですが、放庵はリカの夫殺害を知っており、リカをゆすっていました。泰子あるいは文子は青池歌名雄と結婚しようとしていましたが、実は異母兄妹(源治郎の子供)です。この事実を明らかにしてしまうと、リカの犯行が発覚する恐れがあります。そこでリカは口封じのため犯行に及んでいます。

リカは実の娘である里子を間違えて殺しています。本当のねらいは別所千恵子(大空ゆかり)で、千恵子もまた源治郎の娘でした。千恵子殺害(未遂)の動機は、顔に痣があり、不遇の里子に対する異母姉妹への嫉妬です。そして、見立てを完結させるために、殺す必要があったとも考えられます。

放庵を殺したのは罪をなすりつけるためです。手毬唄の見立てにすることで、放庵が犯人であるかのうようにみせています。

結末

真犯人の青池リカは、殺しそこねた千恵子も殺害しようとしますが、金田一達に阻止されます。その直後、入水をはかり、再び金田一に阻止されますが、結局、放庵殺害に使った毒を飲んで自殺してしまいます。

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感想

『悪魔の手毬唄』は映像化作品が多いです。どれが優れているかというのはさておき、初めて見た作品がどれか(あるいは印象に残っている作品など)で年齢がバレてしまいそうです。

歌詞を忘れてしまったお婆さんには、思わず笑ってしまいました。磯川警部はだいぶ飽きれていましたが、金田一は温かく見守っている感じでした。人柄が現れていた気がしますね。

原作小説は登場人物が多く、家系や村の人間関係が把握しにくいです。基本文章だけですので、相関図だけではなく、地図も欲しいところです。その他、手毬唄の歌詞と実際の殺人の様子が符合して不気味だったり、登場人物それぞれの心情描写に加え村の雰囲気や当時の価値観なども上手く描かれていると評判です。横溝ミステリの名作といえる作品だと思います。

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