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死仮面|あらすじ・ネタバレ解説

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 金田一耕助シリーズ『死仮面』のあらすじ、真相、感想などをご紹介します。原作は横溝正史氏の推理小説で、古谷一行さん主演のドラマは1986年に放送されました。

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あらすじ

 嵐の夜、川島学園にレインコートとレインハット姿の山内君子が現れる。君子は傷害事件を起こし、逃亡中だった。君子の姉である上野里枝はしばらく姿をくらましていた君子に優しく接する。しかし、長女の川島夏代はひどく冷淡だった。翌朝、君子は再び姿を消してしまう。君子と一緒だったはずの夏代は「どこかに逃げた」とだけいい、学園の理事長を務める夏代は妹よりも学園を心配し、捜索願は出されなかった。

 三ヶ月後。岡山の美術品店で女性の腐乱死体が発見される。死体のそばには手紙が落ちており、そこに、腐乱死体は葉山京子という女性であると書かれていた。手紙を書いたのは店舗を借りた野口慎吾という人物で、倒れていた女性を助け、そのまま亡くなったという。奇妙なことに、死体の近くには不気味なデスマスクも落ちていた。

 不可解な事件に遭遇した等々力警部は相談のため、金田一耕助の事務所を訪れる。デスマスクから複願したところ、デスマスクの主は指名手配中の山内君子であると判明。君子が死に、野口がデスマスクを作ったと考えられる。同じ頃、川島学園にデスマスクが届く。その顔は君子の顔に違いなく、さらにその夜、夏代の部屋に、君子らしき人物が姿をみせる。

登場人物・キャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。川島夏代、上野里枝、山内君子は異父姉妹です。

名前 キャスト 説明
金田一耕助 古谷一行 私立探偵
川島夏代 冨家ノリマサ 長女。学園の理事長
上野里枝 加茂さくら 次女。理事長の秘書
山内君子 イヴ 三女。指名手配中
加藤静子 初井言榮 三姉妹の母。車いす
川島圭介 速水亮 夏代の養子
白井澄子 小林聡美 生徒
等々力 ハナ肇 警部
山口 江藤博利 刑事
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事件概要

葉山京子の死体が発見され、近くに落ちていたデスマスクから死体は山内君子であると推定されます。ところが、君子の姉である夏代のもとにデスマスクが届き、君子らしき人物が姿をみせます。デスマスクはともかく、死んだはずの君子が現れるというのはおかしいので、君子を看取った野口という人物が君子の代わりに、夏代に嫌がらせをしていると推測されます。

野口らしき人物が学園に現れる中、夏代が浴室でレインコート姿の君子をみて発作を起こし、死亡します。夏代には持病があり、既に幾度か倒れていました。病死と考えられますが、夏代が倒れていたベッドにはデスマスクが置かれていました。その後、君子は姉の夏代に暴力を振るわれていたことが判明します。君子は夏代を恨んでいたらしく、これが動機だと言えそうでした。

野口という人物が実行犯のはずなので、警部らは野口を追います。夏代への復讐だと考えると事件は続かないように思えましたが、学園に怪しい男が現れ、澄子と里枝が襲われます。さらに、岡山で見つかった死体が別人であることや、夏代が遺言書で自分の娘である澄子だけを相続人にしていたこともわかります。

事件の謎を整理してまとめると次のようになります。野口の犯行ということで事件は片付いているため、それほど大きな謎はありません。

  • レインコートの人物は誰なのか?野口の変装なのか、死んだはずの君子なのか
  • 君子は死んだのか、生きているのか
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ネタバレ

川島夏代を死に追いやったのは上野里枝と川島圭介です。二人は君子に変装して夏代の前に姿を現し発作を誘発しました。動機は、里枝と圭介は好き合っていたが夏代に反対されていたこと、夏代が静子や君子につらく当たっていたことなどです。圭介は夏代の財産もねらっており、遺言で相続できないことを知り澄子を襲います。

君子は嵐の夜に学園へとやってきたとき、夏代に殺されています。あの日の夜、夏代は君子を地下へと連れていき暴力をふるっていました。その行為がエスカレートし、夏代は君子の顔を固まっていないコンクリートに押し付け、窒息死させてしまいます。このとき生じたのがデスマスクの型です。なお、君子の死体は学園にある銅像の台座に隠されています。

夏代の君子殺しについては、目撃者がいました。詳しく語られていないので具体的にはわかりあませんが、里枝もしくは圭介(あるいは両方)が夏代の犯行を目撃し、デスマスクの存在を知ります。そして、圭介がデスマスクを使った犯行計画を企てます。

岡山で見つかった死体は君子ではなく、別の女性でした。圭介は岡山で上記だった女性を監禁して殺し、デスマスクや手紙などを残して君子にみせました。その後、圭介と里枝は野口になりすまして夏代を脅かし、ついに死へと追いやります。夏代死後、里枝を襲ったのは圭介で、このことについて里枝は野口の犯行にみせるためだったと話しています(容疑者から外れる効果を狙っていたとも考えられます)。デスマスクやレインコートの切れ端などをあえて残したのは、すべて野口の犯行にみせるためだったと考えられます。

トリック

事件の犯人や動機、トリックを簡単にまとめます。このエピソードには犯人が三人登場します。君子を殺したのは川島夏代で折檻が原因でした。

  • 犯人:川島圭介および上野里枝
    圭介が計画を立て、計画を知った上で里枝が協力する。実行犯は圭介であり、最終的に逮捕される。共犯者ともいえる里枝だが、大きく関与したのは姉の自然死だけなので、逮捕されることはなかった。
  • 動機:遺産と復讐
    動機は家族を滅茶苦茶にした姉への復讐。恋人という立場の圭介は里枝に共感していたようだが、実は遺産を狙っていた。
  • トリック:替え玉死体
    デスマスクを使って全く無関係の人物を被害者にみせ、関係ない他人を犯人に仕立て上げた。殺人のトリックは被害者の持病や過去の犯罪を利用して発作を誘発するというものだった。

原作小説とドラマの違い

原作は横溝正史氏の小説「死仮面」です。デスマスクが登場する点などは共通していますが、原作とドラマは異なる部分があります。

感想

デスマスクと手紙で君子の死が判断されていたため、本当に死んでいるのかどうか怪しかったです。死んでいないとデスマスクにならず、ライブマスクになっちゃうということで、そこはマスクでいいんじゃないかなと思ったりもしました。確かに、石膏や蝋で顔を覆ったら、空気穴などを設けない限り、窒息死しそうです。

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