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13階段|あらすじ・感想・ネタバレ【高野和明】

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 高野和明さんのデビュー作にして江戸川乱歩賞を受賞した『13階段』は、死刑制度という重いテーマを扱いながらも、読者を飽きさせないミステリー作品です。この記事では、あらすじや感想、ネタバレなどをまとめています。

項目 評価
【読みやすさ】
スラスラ読める!?
【万人受け】
誰が読んでも面白い!?
【キャラの魅力】
登場人物にひかれる!?
【テーマ】
社会問題などのテーマは?
【飽きさせない工夫】
一気読みできる!?
【ミステリーの面白さ】
トリックとか意外性は!?
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あらすじ

 傷害致死罪で服役していた三上純一が仮釈放され、記憶を失った死刑囚・樹原亮の冤罪を晴らすことんなる。手がかりは、樹原が死刑執行の恐怖を感じながら思い出した「階段」の記憶のみ。処刑までのタイムリミットが迫る中、二人は事件の真相を追う。

小説の特徴

 死刑囚の冤罪を晴らすというミステリー要素に、エンターテイメント性も兼ね備えつつ、死刑制度や司法の問題点を浮き彫りにする社会派の要素が加わっています。物語が進むにつれて新たな事実が明らかになっていきます。緻密に張り巡らされた伏線と、ラストの伏線回収もあります。

舞台設定

 千葉県の中湊郡という地方都市が舞台です。のどかな風景とは裏腹に、閉鎖的で陰湿な雰囲気が漂います。増願寺という土砂崩れで埋もれた寺が登場し、それが事件の重要な手がかりとなるなど、舞台設定も物語に大きく影響しています。

テーマ

 死刑制度の是非、冤罪の可能性、そして人が人を裁くことの難しさなどがテーマといえそうです。
 死刑制度は、犯罪抑止力として必要であるという意見がある一方で、誤判のリスクや、執行に携わる人々の精神的な負担など、多くの問題を抱えています。また、冤罪は、一度確定してしまうと覆すことが難しく、無実の罪で命を奪われる可能性も孕んでいます。さらに、人が人を裁くということは、感情や偏見が入り込みやすく、常に正しい判断ができるとは限りません。これらのテーマが、物語を通して深く掘り下げられています。

作風

 高野和明さんの文章は、描写がリアルで、少しグロテスクな部分もありますが、死刑制度の現実、問題、葛藤を忠実に表現しています。死刑執行の場面や、死刑囚の心理描写は、非常に生々しいです。
 専門用語も多く登場しますが、物語の中で丁寧に解説されているため、法律や司法に詳しくない読者でも理解できるようになっています。

主人公

 主人公は、過去に罪を犯した身でありながら、冤罪を晴らすために奔走する三上純一と、死刑執行という重い任務を背負う刑務官 ・南郷正二です。三上は、傷害致死罪で服役した過去を持ち、社会復帰に苦労しながらも、正義感と贖罪の意識を持って事件に挑みます。一方、南郷は、過去の死刑執行の経験から深い心の傷を抱え、死刑制度に疑問を感じながらも、職務を全うしようとします。二人の葛藤や成長が、ひとつの読みどころです。

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感想

 社会的なテーマを深く考えさせられる作品でした。特に、死刑制度の描写は非常にリアルで、執行に携わる人々の苦悩がひしひしと伝わってきました。また、冤罪の恐ろしさや、犯罪者の社会復帰の難しさなど、現代社会が抱える問題についても考えさせられました。

高評価のポイント

  • 緻密なストーリー構成:伏線の張り方や回収の仕方が巧み!
  • リアルな描写:死刑執行の場面や、刑務官の心理描写など、臨場感あふれる描写が素晴らしい!
  • 社会的なテーマを深く掘り下げている点:死刑制度、冤罪、贖罪など、現代社会が抱える問題について考えさせられる!
  • 先の読めない展開:二転三転する展開に、最後までハラハラドキドキ!

低評価のポイント

  • テーマが重く、読後感も重い:死刑や犯罪を扱っているため、読後感が重く、気分が沈む…
  • グロテスクな描写が苦手な人には向かない:死体や暴力シーンなど、グロテスクな描写が苦手な人には向かないかもしれません

ネタバレ

 三上と南郷は真犯人を突き止めて樹原の冤罪を証明し、再審が決まります。
 宇津木夫妻殺害の真犯人はホテルオーナーの安藤紀夫で、過去の犯罪を隠蔽し、ゆすりから逃れるために犯行に及んでいます。そして、樹原に罪を被せようともしていました。
 佐村恭介の父親である佐村光男は、息子を殺した三上に復讐するため、樹原の冤罪を利用しようとしています。

結末

 南郷は、真犯人の安藤を追い詰める過程で、激しい格闘の末に彼を殺害してしまいます。自らが犯罪者となり、南郷は自首することを決意し、逮捕されます。
 三上は佐村恭介殺害の動機が単なる偶発的なものではなく、長年抱き続けていた殺意によるものだったとを告白。友里への強姦という許しがたい行為に対する復讐心が、動機の根源でした。

 最後は、南郷の裁判を暗示する新聞記事で締めくくられます。南郷がどのような判決を受けるのか、そして三上が過去の罪をどのように償っていくのかは、具体的に書かれていません。

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