「赤鬼村火祭殺人事件(2巻)」のあらすじとネタバレです。毛利小五郎が尾行していた男性が死体となって発見され、完璧なアリバイが作られるエピソードです。
項目 | 内容 |
---|---|
漫画 | 2巻 |
サブタイトル | 割のいい尾行 完璧なアリバイ 写真は語る |
アニメ | 38話 |
放送日 | 1996年11月18日 (月) |
あらすじ
毛利小五郎はある男を三日間見張り、50万円という大金を手に入れる。すこぶる割りのいい依頼だったのだが、仕事を終えた翌日の夜、テレビでその男の死亡が報じられる。
男の名前は根岸正樹(ねぎし・まさき)で、赤鬼村火祭(あかおにむらひまつり)の矢倉の中で焼死体となって発見される。被害者には5億円もの生命保険が掛けられており、その受け取り人は単なる友人の阿部豊(あべ・ゆたか)という男だった。そして、阿部こそが小五郎に尾行を依頼した人物だった。小五郎は阿部を疑うが、阿部には鉄壁ともいえるアリバイがあった。
内容紹介
3話分のエピソードですが、コナン君が小学校に転校したり、キック力増強シューズが初登場したりするため、赤鬼村火祭の事件そのものはより短くなっています。
あらゆる状況証拠から犯人がほぼ確定しているため、倒叙のような構成になっています。ただし、犯行そのものが描かれるなどして、明確に犯人が示されているわけではありませんので、半倒叙というようなかたちです。
手掛かり
真相につながるヒント、伏線などをまとめます。
状況証拠
- 被害者の保険金は阿部豊が受け取る
阿部豊の会社は借金を抱えている - 被害者は「誰かに狙われている」と話していた
この話を聞き、阿部豊は尾行を毛利小五郎に依頼した - 依頼料の50万円は破格
- 毛利小五郎が尾行していたのは月曜の朝から水曜の夜まで
群馬で死体が発見されたのは木曜の夕方 - 阿部豊は水曜の朝から金曜の夜まで九州旅行に出掛けていた
- 旅行中、阿部豊が一人になった時間は2時間程度
(群馬と九州の往復は不可能)
証拠
- 焼死体が発見された矢倉のそばに被害者の免許証が落ちていた
(免許証があったので死体の確認が円滑に進んだ。根岸正樹であることは間違いない) - 阿部豊が撮った旅行の写真には時計が写っている
- 小五郎が尾行中に被害者の姿を写真に収めている
月曜火曜の二日間は右利きなのに、水曜日は左利きになっている - ※自供のテープ
ネタバレ
小五郎のおっちゃんが『水曜の夜まで被害者は生きていた』と証言したため、容疑者・阿部豊にアリバイが成立しています。実は被害者が死んだのは木曜の夕方ではなく、火曜の夜でした。焼死体だったため、死亡推定時刻が割り出されず、小五郎の被害者生存の証言によって水曜の夜から木曜の夕方という偽の犯行時刻が浮かび上がっていました。
小五郎は最初の二日間、言い換えると月曜と火曜は被害者の根岸を尾行していました。被害者は火曜の夜に殺されています。すなわち、小五郎が水曜日に尾行していたのは阿部豊の共犯者でした。この共犯者は左利きで、被害者は右利きだったので、小五郎の写真に明らかな違いが生じています。
結末
犯人の阿部豊はコナンにぶちのめされて逮捕されます。阿部はガキにやられたと証言しますが、誰もそのガキというのがコナン君だとは思っていない様子です。
考察
被害者は「誰かに命を狙われている」と話していました。これがきっかけで毛利小五郎に依頼がなされます。ただし、被害者の状況を語ったのは犯人(阿部豊)だったので、尾行の理由をつけるための嘘にも思えます。真偽は不明ですが、尾行のねらいはアリバイ工作だったので、本当のことを話していないのは間違いなさそうです(本当のことを話すはずがないわけですが)。
犯行については詳しく語られていません。火曜の夜に殺して群馬に移動し、矢倉に死体を入れておいたということで、具体的な期間はわかりませんが、木曜の夕方までは放置されていたようです。なぜ見つからなかったのか?と思ったりもしますが、うまくやったんでしょう。被害者にそっくりな共犯者を探し、共犯者に謎の仕事を頼み、小五郎には尾行を依頼し、誰にも見られないように犯行に及び、死体を運び、矢倉に入れて群馬を去って、九州へ旅行にいき、写真をとって…おそらく、犯人たちの事件簿風にいうなら『やることが…やることが多い…!!』になるでしょう。
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