『死はすぐそばに』はAnthony Horowitz(アンソニー・ホロヴィッツ)の推理小説で、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの最新刊です。この小説でシリーズ作品は5作目となりました。
項目 | 説明 |
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タイトル | 死はすぐそばに CLOSE TO DEATH |
著者 | Anthony Horowitz (アンソニー・ホロヴィッツ) |
訳者 | 山田蘭 (やまだ・らん) |
シリーズ | ホーソーン&ホロヴィッツ 5作目 |
発行日 | 2024年9月 ※日本国内 |
Audible版 | なし (2024年12月時点) |
出版社 | 東京創元社 |
評価 |
あらすじ
ロンドンはテムズ川沿いの高級住宅地で、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。理想的な住環境を騒音やプール建設計画などで乱してきた新参者の被害者に、容疑者の住民たちは我慢を重ねてきていた。誰もが同じ動機を持つ難事件を前に、警察は探偵ホーソーンを招聘(しようへい)する──。あらゆる期待を超えつづける〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ第5弾!
東京創元社
ジャイルズ・ケンワージーがボウガンで喉をうち抜かれてお亡くなりになります。ケンワージー家は高級住宅地に引っ越してきたばかりの一家で、なにかと揉めていました。街で嫌われている人物が、住民のクロスボウで殺されたわけです。容疑者は全員同じ動機を持っている……厄介そうな事件ということで警察はダニエル・ホーソーンに協力を求めます。
シリーズについて
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズは本作で5作目です。シリーズ通してクオリティが高いです。『死はすぐそばに』の解説によれば、シリーズは10作ほどでの完結を想定しているとのことです。終わってしまうのは悲しいですが、ラストの一冊というのも、魅力的ではあります。
これまでのシリーズ作品については別のページにまとめています。
感想
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの新たな展開を示す作品で、これまでとはだいぶ違った構成になっています。謎解きはもちろんですが、ホロヴィッツの執筆過程が交互に描かれる形式、ホーソーンの過去と新しい人物の登場などが特徴です。事件はホロヴィッツがホーソーンと出会う前の過去の事件が描かれており、時間軸や視点もいろいろです。この作品にはダドリーという人物が登場し、ホーソーンにとって非常に重要な役割を果たします。ホーソーンの違った一面が明かされる点なども楽しめました。
シリーズの全体的な印象は、クラシックなミステリー小説に現代風のアレンジが加わっている感じです。次作が待ち遠しいシリーズですね。ホーソーンとホロヴィッツの関係や、ホーソーンの謎がさらに深まることを楽しみにしているようです。
謎解きと結末
謎解きは、読者が真犯人を予想するのが難しい複雑な構造が特徴です。完璧な計画と実行に伴う予期せぬ出来事、というと抽象的すぎて、どのミステリーもそんな感じではないかという気がしてきますが、これがうまく描かれていると面白かったりします(トリックの細かい部分が気になることもありますが、その辺はエンタメ性のために省かれたということなのかもしれません)。結末は意外で、さすが『このミス』ランキングの常連作という感じでした。読んでいて、オリエント的なことなのかなと思ったりしましたが、そうではなかったです。
みんなの感想
ネタバレ注意
ケンワージーの殺害事件は近隣住民全員が容疑者になりますが、真犯人はアダム・シュトラウスでした。アダムは前妻のウェンディ・シュトラウスを殺害し庭に埋めていました。プール建設で死体がみつかりそうになったので、犯行に及んでいます。
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