ガリレオ2・ドラマ第6話「密室る(とじる)」のあらすじ、真相、トリック解説、考察感想です。このエピソードでは、山ガールデビューした岸谷が密室の証言者となります。
項目 | 内容 |
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ゲスト | 夏川結衣 |
放送日 | 2013/5/20 |
原作 | ガリレオの苦悩 |
原作者 | 東野圭吾 |
あらすじ
山歩きイベントに参加した岸谷美砂は主催者の野木裕子、そして他の参加者とペンションで食事を楽しんでいた。野木の同僚である篠田真希も参加者の一人だったが、疲れているという理由で部屋に籠ったまま姿をみせなかった。心配した野木が篠田の部屋をノックするが返事はなかった。さらに野木は岸谷を連れ、ベランダを確認するが、窓には鍵がかけられている様子だった。翌日、篠田の死体がペンション付近の渓流で発見される。地元警察は吊り橋から飛び降り自殺したと判断するが、岸谷は前夜の野木の発言に、ある違和感を抱いていた。
事件概要
岸谷は野木裕子の浴槽で寝そうになった、という発言に違和感を抱きます。野木は最初に風呂に入り、その後、岸谷が入浴しました。このとき、岸谷は自分の肌に気泡が付いていることに気付きます。気泡が肌につくのは、最初に風呂に入った人だけのはずです。そのため、二番目の岸谷の肌に気泡が付着したということは、野木は入浴していないということになります。これを根拠に岸谷は野木の犯行を疑います。しかし、野木が風呂に入ってた時間は約20分で、その時間内に、吊り橋まで行って、ペンションまで戻ってくるのは不可能でした。
ネタバレ
野木が入浴したとき、既に被害者の篠田は殺されていました。篠田の部屋の扉と窓には鍵がかかっていましたが、窓の鍵はホログラムで鍵が施錠されているように見えていただけでした。野木は入浴時、浴室を抜け出し、窓に貼り付けたホログラムシートを回収していました。
トリック
犯人はホログラムを使って部屋が密室であることを証言者(岸谷)に確認させました。これにより、犯人は証言者に被害者がまだ部屋にいると思い込ませることができます。ホログラムは懐中電灯の光を当てるだけで再生できるため、特殊な装置は必要なく、その後、シートを回収するだけで後始末を済ませることができます。犯人はホログラムだけではなく、ベランダのサンダルも用意し、部屋の中に人がいるということを信じさせるように細工していました。
風呂の気泡
刑事が犯行に気付くきっかけとして、風呂の気泡が登場しました。水道水には空気が溶けており、風呂では、これが人の入浴という刺激によって気泡に変わります。この現象が生じるのは一番風呂だけです。
考察
密室を作り出した理由は被害者が生きているようにみせることにあったと考えられます。この事件の場合、密室確認後(ホログラムを見た後)、野木に完璧なアリバイがあれば容疑者になることはありません。犯人は、事件発覚を促すことやトリックの証拠を回収するなどの目的で、風呂場から抜け出しています。犯人が被害者の部屋の窓を開けておいたことで、夕食後早々に、オーナーが開け放たれた窓に気付き、犯行時刻が推定されています。この結果、アリバイを用意すべき時刻も短くなっています。実際の犯行はこれよりも前に行われています。
密室の条件
被害者の部屋の窓と扉に鍵がかかっていたため、被害者は部屋にいるということになります。窓の鍵は外からはかけられないと思いますが、廊下へ通ずる扉は鍵をかけられるはずです。そうなると、被害者が扉の鍵をしめて出て行ったという可能性も生じてしまうため、被害者がホログラム確認時に生きていたかどうかははっきりしなくなってしまいます。部屋の扉の鍵については、作中で詳しく描かれておらず、湯川が少し調べているだけです。おそらく、扉の鍵は内側からしかかけられない、扉から出て行くとペンションの主人が気付くような間取りになっている、などの条件が加わり、被害者はずっと部屋にいたということが、もっともらしくなってくるのだと思います。
証言者の行動
ホログラムだけではなく、証言者の行動もそれとなく制御する必要があるように思います。とはいえ、ドアが本当に閉まっているかどうかを詳しく調べるような行動は、むしろ不自然といえそうです。
感想
ホログラムの映像、かなりリアルでした。トリックアートみたいな感じかなと思いますが、光の当て方を工夫する必要はあっても、見る位置で大きく見え方が変わるということはなさそうです(とはいえ、部屋の内部からみたら、バレると思います)。
美人とかわいい
かわいいは化粧や髪型などで何とかなるけれども、美人は骨格の問題なので、生後に、これを修正するというのはかなりの困難を伴う、ということだったと思います。美人も主観的ではないかと思ったりしますが、左右の対象性とか、パーツの間隔が特定の数値であるとかに、美人の定義があるようです。同じように、かわいいの定義も作れる気がしていますが…。
死亡推定時刻
被害者が死んだのは、ホログラムによる密室確認よりも前でした。解剖されていれば、検死による死亡推定時刻と、岸谷などの証言が食い違うことになります。解剖の流れは、警察が検視し、警察医が死体をみます。死因が明らかでない場合は解剖し、死因を究明します。このエピソードの死体は、吊り橋から転落死したことが明らかで、誰かが突き落としたという証拠や痕跡もなかったようなので、警察が自殺と断定し、警察医もそれに応じて、解剖はしなかったのだと思います。解剖率が低いというのはドラマ「アンナチュラル」で語られています。
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