「大怪獣ゴメラ殺人事件(13巻)」のあらすじ、伏線、ネタバレなどのまとめです。特撮映画ゴメラの撮影現場にやってきたコナン達はプロデューサーを刺し殺すゴメラを目撃します。
項目 | 内容 |
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漫画 | 13巻 |
サブタイトル | 逃亡者 怪獣ゴメラの悲劇 去りゆく後ろ姿 |
アニメ | 63話 |
放送日 | 1997年6月16日 (月) |
あらすじ
コナン、歩美、光彦、元太は阿笠博士のコネで大怪獣ゴメラの撮影現場を見学していた。10年続いたゴメラシリーズだが、映画プロデューサーの意向により現在撮影中の映画が最後だった。打ち切りに乗り気なプロデューサーに対して、監督はもちろん、俳優やスタッフも最後の撮影を惜しんでいる様子だった。しかし、ゴメラ役の俳優・松井秀豪(まつい・しゅうご)だけはゴメラを終わらせることに賛同していたらしかった。
コナンや歩美たちが特撮の小道具を見学していると、突然、松井の悲鳴が響く。コナン達が駆け付けると、松井は足を押さえて痛そうにしていていた。松井によれば、犯人はナイフをもったゴメラで、ゴメラは撮影現場へ逃げたという。
コナン達がゴメラを追ってミニチュアセットのあるスタジオに辿り着くと、そこには映画プロデューサーが立っていた。そして、近づいてきたゴメラに刺されて死んでしまう。コナンは屋上へ逃げたゴメラを追ったのだが、屋上には誰もおらず、空っぽのゴメラの着ぐるみは地上で燃えていた…。
内容紹介
阿笠博士と映画監督の三上大輔(みかみ・だいすけ)は友人同士らしく、この関係で少年探偵団は撮影現場を見学することになります。
この事件では阿笠博士がスピーカー役になって謎解きをします。コナンの正体を知っている阿笠博士が眠ることはなく、口パクするだけですが、いろいろと余計なことを呟きまくります。最初コナン君は目暮警部に麻酔を使おうとしていましたが、時計を忘れてきたみたいです。
目暮警部と阿笠博士はこの事件まで面識がなかった様子です。警部は博士の噂を工藤新一から耳にしていたようですが、新一の博士に対する評判が「いつも妙ちきりんな発明をしている」だったことがバレています(笑)。
手掛かり
ゴメラ事件の真相について、ヒント、伏線などをまとめます。
事実
- コナン達が見学した日の午後にラストシーンの撮影が予定されている。
- 美術スタッフの安達僚太(あだち・りょうた)は子供達がミニチュアセットに触れようとしただけで怒鳴っている。
- 俳優の坂口友美(さかぐち・ともみ)は次の仕事が決まっているらしい。
- 俳優の松井秀豪(まつい・しゅうご)も次の仕事が決まっているらしい。
- ゴメラの手だけや足だけを再現した小道具がある。
- 松井がいた倉庫からスタジオへ向かうルートは2つある。
証拠
- 小道具を見学しているとき、歩美が松井にジュースをぶっかけている
(松井のTシャツが汚れた) - スタジオにペンキの缶が放置されており、犯行時に犯人(ゴメラ)が蹴り飛ばしている
ペンキをひっくり返したたため、現場にゴメラの足跡が残った - ゴメラの着ぐるみは地上で燃やされていた
(ゴメラの着ぐるみは1つしかないため、犯人が身に着けていたものが燃やされた) - コナンや坂口が角を曲がるゴメラのしっぽを目撃。屋上へ向かう階段に足跡が残っていたため、屋上へ逃げたと判断する
- 屋上へ向かう階段にゴメラの足跡は残っているが尻尾を引きずった跡はない
- しっぽが目撃された場所から階段をおりると近くに物置がある。物置の窓の下はちょうど着ぐるみが燃えていた場所になる
- 倉庫の刃物入れに本物の刃物が入っている
証言
- 松井がゴメラに刺されたと証言
- 坂口が逃亡中のゴメラとぶつかったと証言
ゴメラの背中にあるファスナーは開いていたようだが、暗くて犯人は目撃できなかった - ペンキの缶を放置したのは安達だったらしい
安達は否定していたが、坂口に「ペンキを置いた」といわれ証言を変えている - 松井は「ゴメラはもう限界」とプロデューサーに話していたらしい
アリバイ
- 監督の三上、俳優の松井と坂口、スタッフの安達は犯行時刻のアリバイがない
その他の関係者は全員ラッシュ(未編集のフィルム)をチェックしていた - 三上はひとりでコンテのチェックをしていた
集中するため冷房等は使わずに作業をしていたため汗だくらしい - 松井は倉庫で一人だった
事件後に松井の傷を確認すると、歩けないほどの重傷だったことが判明する - 坂口はラッシュに誘うため、プロデューサーを探し回っていた
- 安達はラッシュを5分程度抜けているが、犯行は不可能と考えられる
ネタバレ
真犯人は松井です。コナン達が駆け付けたとき松井は負傷しておらず、刺されたふりをしていただけでした。松井はコナン達がゴメラを追ったあと、着ぐるみを着て犯行に及び逃亡。屋上に逃げたようにみせて、下の階へ移動し、物置の窓から着ぐるみを投げ捨てています。その後、本当に自分の足を刺し、使った刃物を倉庫の刃物入れに隠しています。
屋上へ通じる階段にあった足跡は松井が予め準備していたものです。このとき、足だけの小道具を使ったため、尻尾を引きずった跡はありませんでした。松井は屋上へ向かったようにみせるため、ペンキの缶をスタジオに置いています。坂口が安達のせいにしたのは、坂口が犯人に気付いていたからで、安達は坂口と咄嗟に口裏を合わせています。
松井は犯行後に汗で濡れたTシャツを隠すため、シャツを着替えています。これにより、松井のシャツからジュースの染みが消えていました。このことを指摘された松井は犯行を認めます。松井が「ゴメラはもう限界」と話したというのは、プロデューサーの捏造でした。これが松井の殺意を生み出す結果となります。
結末
事件から二ヶ月後、撮影中だったゴメラは無事に公開されます。ゴメラが死ぬラストシーンはカットされ、撮影済みの映像で構成されたシーンになっていました。
考察と感想
怪獣の着ぐるみを着た犯人が刃物片手に人を刺し殺します。架空の世界と現実世界が入り混じってシュールなシーンになっていたと思います。
犯人消失や真犯人が被害者ぶるトリック(ミステリー用語ではバールストン・ギャンビットと呼ばれたりします)など、いろいろと仕掛けられていました。
小ネタ
- このエピソード以降も『最後の上映殺人事件』や『白鳥警部、桜の想い出』などでゴメラの映画が登場する
- 原作13巻の表紙はこのエピソードがモチーフ
- 後に描かれるエピソード『大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー』では、この事件でスーツアクターが変わったことにより、作品の質が落ちたとファン(遠山和葉)から指摘されている
- アニメでは、この回の直前に放送されたオリジナル回『幽霊船殺人事件』にも三上という人物が登場していた
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