ガリレオ(ドラマ)第七話「予知る」のあらすじやトリックをまとめ、感想と考察をご紹介します。第七話では自殺の予知が登場します。
あらすじ
今から半年前、食品加工会社の経営者がマンションの部屋で首つりを図る女性の姿を目撃する。その女性は経営者の浮気相手だった。女性は電話で経営者に「結婚してくれないなら死ぬ」と伝え、自分の首つりを目撃するよう仕向けていた。この時、経営者の部屋にいた大学時代の後輩が、女性の部屋に駆け付けたが、浮気相手の女性は既に息を引きとっていた。その後、経営者は浮気を理由に妻から離婚を言い渡され、多額の慰謝料を取られることとなる。不思議なことに経営者は、首つりが発生する1週間前に、自分の部屋の、上の階の部屋で全く同じ光景を目にしていた。この予知ともいえる不可解な出来事に湯川は興味を抱く。
事件概要
経営者は菅原という名前で、食品株式会社の御曹司です。妻は静子という名前でとても美人です。菅原の浮気相手である冬美の首つりは、後輩である峰村が関与しています。峰村は首つり発覚後、浮気相手が自殺につかった道具を処分しています。峰村が犯人といえそうですが、浮気相手が首を吊ろうとした理由や、峰村が部屋から持ち去ったものはなんだったかのかなど、不明な点は多いです。この峰村は静子と怪しげな会話をしており、のちに川で死体となって発見されます。もっとも謎めいているのは、菅原が一週間前に目撃した首つりです。予知ともいえる不可解な出来事ですが、この謎を解くヒントが首つり時の停電です。
ネタバレ
静子、峰村、冬美は菅原から金を巻き上げようとしていました。実は、静子が菅原と結婚した理由は、金でした。静子は夫に冬美と浮気させ慰謝料を請求しようとしていました。浮気の事実を作ったあと、静子は峰村と共謀し、邪魔な冬美を自殺にみせかけて殺しました。なお、実行犯は峰村です。そして、金を独り占めするため、静子は峰村も殺害します。
菅原が予知だと話していた首つりの光景は、峰村や冬美が予行練習している姿でした。停電になったのは、電化製品の使い過ぎでブレーカーが落ちたためです。
トリック
冬美を自殺にみせかけて殺すため、静子と峰村は冬美を狂言自殺に誘います。そして、峰村がハンガーラックを使った自殺方法を冬美に伝えます。このハンガーラックはスイッチを切ると高さが低くなる仕組みでした。本番で、峰村は遠隔操作で冬美のスイッチ操作を無効化し、高さが変わらないようにしました。その後、急いで、ハンガーラックを交換し、変圧器も回収しました。通電しているかどうかで高さが変わる仕組みは、ER流体という液体が使われました。
予知
予知の原因となったのは、峰村、冬美、静子が予行練習です。練習の最中、菅原は知人の部屋にいました。その知人の部屋は菅原と静子の部屋の上の階にあります。菅原は卑猥なビデオをみるため、妻に嘘をついていたので、静子は夫が近くにいることに気付かぬまま予行練習を決行しました。
停電
峰村達は予行練習の際に停電を起こしています。これは変圧器を利用したためです。家庭用の100V電圧ではER流体を使えないため、変圧器を使って100V以上に電圧を変えました。しかし、電力会社との契約が40Aだったため、これをオーバーしブレーカーが落ちてしまいます。犯人らはこれを防ぐため60Aで契約しています。一人暮らしで60Aというのは、やや不自然です。
犯人の行動
冬美の首つり後、峰村は現場へと急ぎ後始末をします。かなり急いだようですが、冬美が菅原にかけた電話の時刻と、通報までの時刻に開きがあり、不審な点が生じてしまいます。さらに峰村は首つりを管理人に伝える際に、うっかり部屋番号を言っています。ガリレオは、この時、彼が汗だくだったことにも違和感を抱いています。
考察
ER流体は微粒子を混ぜた人工的な液体で、電圧をかけることで微粒子が整列し粘弾性が変わります。加えた電圧によって、スライムのようになったり、寒天のようになったりする不思議な液体といえます。この特殊な液体はロボットの関節に使われるらしく、ロボットの会社に勤める峰村にとっては身近で入手しやすい液体だったといえます。
狂言自殺
狂言自殺に誘われて本当に殺される、というのは多い気がします。例えば、古畑任三郎「ゲームの達人」などがそうです*1。もしも誰かに狂言自殺を持ち掛けられたら、誘ってきた相手が自分を殺そうとしていると疑った方がいいかもしれません。
*1:ネタバレではありません
コンセントの罠
湯川、菅原、栗林は決定的な証拠を得るため、静子を罠にはめます。それは、冬美の時と全く同じように、菅原がハンガーラックで自殺する姿を静子にみせるという罠です。菅原は電話で、死期が近いこと、全財産を静子に譲ることを伝え首つりを図ります。静子は、全財産を手に入れる機会を失わないようにするため、菅原の元に駆け付け、ハンガーラックのコンセントを抜きます。これを目撃した湯川に静子は、ハンガーラックのトリックを知っていたことを追及されます。このことがきっかけとなり、静子は峰村殺害についても自供します。自供していますが、ハンガーラックの仕組みを知っていたという事実だけでは、静子が冬美殺害にどのように関わっていたのかはわかりません。そのため、状況証拠といえます。『ラックの仕組みは峰村が話していたので知っていた』という風に言い逃れできたようにも思います。
個人の感想
福山さんのかっこいいスポーツシーンが復活していました。今回はボクシングでした。ガリレオ先生はいつ仕事をしているのだろうか、とちょっと思ったりもします。
前の前のエピソード「絞殺る」で湯川先生のスポーツシーンが伏線になっていたという感想を書き、前のエピソード「夢想る」でスポーツシーンが何かを掘るシーンになっていたという内容を書きました。
佐藤重幸
峰村を演じていた戸次重幸さんの芸名は、この頃、佐藤重幸だったようです。佐藤重幸というお名前は、どうやら、本名のようです。
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