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ミイラの花嫁|あらすじ・ネタバレ解説

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 金田一耕助シリーズ『ミイラの花嫁』のあらすじと真相、感想などをまとめています。原作は横溝正史氏の推理小説で、古谷一行さん主演のドラマは1983年に放送されました。

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あらすじ

 下宿先で金田一は小包を受け取る。中には、結婚式の招待状と不気味な花嫁の人形が入れられていた。式を挙げるのは鷲尾正道と鮎沢京子という人物で、花婿と花嫁はもちろん、両家とも金田一には面識のないだった。

 翌日、興味を抱いた金田一は結婚式に出席するため、汽車で京都へと向かう。招待客ということで式場内に入り着替えを済ませるが、靴下を忘れたことに気付く。ちょうど姿を現した鮎沢家の当主・鮎沢慎一郎に声を掛けると、奇妙なことが発覚する。鮎沢は金田一に招待状を出した覚えはなかった。

 招待状の件はいたずらということで片付き、式が始まる。招待されていなかった金田一は式場を後にする。花嫁が盃を交わすと、天井から血が滴り落ちてきて、花嫁の絶叫が響く。悲鳴を耳にした金田一が駆け付けると、天井は真っ赤に染まっていた。すぐに鮎沢慎一郎の書生である栗田が屋根裏へと向かい、首の切られた死体を発見する。

登場人物・キャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。

名前 キャスト 説明
金田一耕助 古谷一行 私立探偵
日和勇 ハナ肇 警部
鮎沢慎一郎 田村高廣 鮎沢家の当主
鮎沢京子 根本律子 花嫁
鷲尾正道 三ツ木清隆 花婿
緒方代助 速水亮 京子の元恋人
緒方八重子 松岡明美 緒方の妹
朝吹佐和子 茅島成美 生花の先生
栗田 野上祐二 慎一郎の書生
田上松雄 天本英世 過去の事件の被害者
神城トメ 紅萬子 蚕農
吉本 西園寺章雄 捜査課長
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事件概要

金田一が見ず知らず人物から結婚式の招待状を受け取り、式場に足を運ぶと、死体が発見されます。死体の身元ははっきりしませんが、警察は緒方代助であると断定。緒方は鮎沢家に恨みを抱いており、復讐のために結婚式で自殺したと判断されます。

緒方は慎一郎が面倒をみていた人物で、鮎沢京子の恋人でもありました。そんな緒方には京子を連れ去ろうとした過去があり、これが原因で慎一郎が激怒し絶縁されます。この出来事が自殺の動機と推測されることになります。

ところが、のちに死体は緒方ではないことがはっきりとします。身元は不明のままですが、復讐という動機をもった緒方が生きている可能性があるといのは間違いないようでした。実際、別荘で静養中の京子のもとに怪しい包帯男が現れ、京子の結婚相手だった鷲尾が京子の目の前で絞殺されてしまいます。さらに、別荘を訪れていた生花の先生も死体となって発見されます。

一方、金田一は緒方の妹と接触し、繭の谷の事件について調べ始めます。20年前、繭の谷と呼ばれる野沢村では、結婚式で発生した集団食中毒で花婿ら八名が死亡し、花嫁は行方不明になっていました。実は鮎沢慎一郎は野沢村の出身で、しかも、村を支配する地主の息子でした。

金田一は真相を探るため、京子と共に野沢村へと向かいます。しかし、村人達の態度はひどく冷淡で、これといった情報は手に入りません。そんな中、金田一と京子は突然村人達に襲われてしまいます…。

事件の謎を整理してまとめると次のようになります。

  • 結婚式で見つかった死体は何者だったのか?
  • 緒方はどこにいるのか?包帯男は緒方なのか?
  • 京子の結婚相手である鷲尾と、慎一郎と男女関係にあった朝吹が殺された理由は?
  • 結婚式の事件と繭の谷の集団食中毒事件のつながりとは?
  • 村人達が非協力的な理由とは?
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ネタバレ

一連の事件の犯人および黒幕は鮎沢慎一郎で、書生の栗田が共犯者です。実は慎一郎と京子は血のつながった親子ではありませんでした。京子を女としてみてた慎一郎は、自分のものにすべく邪魔な人物を始末していました。

20年前、鮎沢慎一郎は田上仁助の婚約者だった神代麗子に横恋慕しますが、うまくいかず、逆恨みして麗子に硫酸を浴びせていました。顔が焼けてしまった神代ですが、結婚式は執り行われることになります。この式に鮎沢が日本刀をもって乱入し、式の参列者を皆殺しにします。この惨劇の最中に神代麗子が出産し、その子供が京子でした。

麗子や他の参列者は死んでしまいますが、田上仁助の親戚である田上松雄だけは生き残り、身を潜めることになります。この田上松雄が襲われた金田一らを助けた人物で、20年前の事件で亡くなった親戚や麗子の遺体を隠していました。

包帯男と思われていた緒方代助ですが、既に殺されていました。緒方は慎一郎の起こした虐殺事件に気付き、京子ともに逃げようとしていました。しかし、殺されて埋められてしまいます。田上松雄はこの死体を見つけ出し、隠すことになります。

京子と結ばれようとしていた鮎沢慎一郎にとって、京子の結婚相手である鷲尾と、慎一郎に言い寄っていた朝吹は邪魔な存在でした。なお、結婚式のときに屋根裏で栗田に殺されたのは野沢村の村人で、緒方に真相を話してしまったため殺害されます。

村人達は鮎沢慎一郎に支配されており、逆らうことができませんでした。金田一達に対して冷たかったのはそのためで、田上松雄が死体を隠していたのも、権力者である鮎沢から証拠を守るためであったと考えられます。

トリック

事件の犯人や動機、トリックを簡単にまとめます。

  • 犯人:鮎沢慎一郎
    ある女性に恋をしたが、うまくいかなかったので女性の顔に硫酸をぶちまける。さらに、その女性の結婚式に乗り込んで花婿や親戚一同を切り殺す。権力者の息子だったので、どういうわけか、大量殺戮事件は食中毒事件として処理されることになる。その後、事件のきっかけとなった女性の娘を引き取り、のうのうと暮らす。
  • 動機:女
    殺した女の娘を引き取って、自分の子供のように育ててきたが大人になり、恋をする。娘は母親にそっくりになったのである。
  • トリック:変装
    変装して別の人物の犯行にみせようとする。共犯者を使い、さらに、動機がある人物を仄めかすなどして、罪をなすりつけようとした。

原作小説とドラマの違い

原作は横溝正史氏の作品ですが、金田一耕助シリーズではなく、由利麟太郎シリーズの短編「木乃伊(みいら)の花嫁」です。1983年に放送された古谷一行版ドラマはこの短編小説を原作としており、ドラマ化にあたって内容が加えられています。

結婚式の最中に屋根裏で死体がみつかる点や、死体の身元が判明しないという展開などが原作小説とドラマで共通する内容です。しかし、原作に村の惨劇は一切登場しません。

感想

狂った村の権力者が刀一本もって結婚式に乗り込み皆殺しにするというのが、金田一っぽいなと思ったりしました。白い包帯で隠された不気味な顔も、金田一作品を思い起こさせます。これは「八つ墓村」や「犬神家の一族」のイメージが強いからですが、こういった有名な作品の内容を取り込んで制作されたドラマなのかもしれません。

BS11の放送では裸体にぼかしが入っておりました。青少年への影響を考慮してのことだと思いますが、むしろ、そこになにか見てはいけないものがあると強調しているような気もします。いろいろ事情があると思いますのでその辺はさておき、個人的には、うねうねしてる蚕ちゃん達もぼかして欲しかったです。

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