『クスノキの女神』は東野圭吾先生の推理小説で、『クスノキの番人』の続編です。前作を読んでいなくても楽しめそうですが、まずは1作目『クスノキの番人』を読むことをオススメします。
項目 | 説明 |
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タイトル | クスノキの女神 |
評価 | |
著者 | 東野圭吾 |
出版社 | 実業之日本社 |
シリーズ | 2作目 |
発行日 | 2024年5月 |
Audible版 | 未発売 |
あらすじ
少女と少年には秘密があった——。不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。累計100万部突破!待望のシリーズ第2弾!
神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
実業之日本社 公式HP
累計100万部突破しているらしいです。2作しか出版されていないはずなのに100万部って凄すぎる気がします。東野圭吾さんの書籍はご本人の意向により、本でしか読めない(電子書籍が発売されていない)はずなので、紙の本だけで、100万部発行されたということになります。恐るべし、東野圭吾先生。
登場人物
- 直井玲斗
月郷神社のクスノキの番人 - 早川佑紀奈
高校三年生。母親は脳脊髄液減少症。翔太という弟がいる - 針生元哉
中学二年生。脳腫瘍の手術後に記憶障害を発症。母親は冴子、父親は藤岡 - 大場壮貴
『たくみや本舗』の跡取り息子 - 岩本義則
弁護士。直井玲斗が過去に起こした事件の弁護人 - 久米田康作
無職。久米田松子の息子 - 森部俊彦
強盗致傷事件の被害者 - 中里
刑事
前作『クスノキの番人』
2023年4月に発売された『クスノキの番人』は既に文庫化されて、お求めやすい価格になっています。こういった人気の本は図書館でも予約待ちで借りれなかったりしますね…。『女神』は2024年5月に発売されたばかりですので、ちょっとお高めのハードカバーです。
感想
繰り返しになりますが、今作『クスノキの女神』は『クスノキの番人』の続編です。クスノキシリーズと勝手に名付けるなら、シリーズ第一弾が番人で、第二弾が女神です。今作のテーマは記憶障害や認知症でしょうか?読んでいて、「今を生きることの大切さ」みたいなテーマを感じとったりしました。ちょっと重たいテーマのような気もします。
前作にも登場したクスノキの番人・直井玲斗が女子高生や記憶障害を持つ少年と出会います。女子高生は貧乏で詩集を売ろうとしており、一方少年は眠るとその日の記憶をすべて失ってしまうという特異な障害を抱えています。この二人が絵本作りを始め、互い成長してくわけです…。おや、ミステリーというよりは、読書感想文の課題図書になりそうな雰囲気ですね。
人間ドラマが描かれているのは間違いないですが、ミステリー要素もあります!強盗致傷事件が起きて、それが物語に絡んできます。ただ、メインは明らかにミステリーではないです。
総じて、『クスノキの女神』は読後に心温まる感動を与えてくれる作品でした。前作を読んでいなくても十分に楽しめる内容ですが、前作を読んでいるとさらに深く楽しめるはず。東野圭吾先生の巧みなストーリーテリングとキャラクター描写が見事に融合した一冊です。
ネタバレ
最終的に元哉は脳腫瘍の難病で亡くなってしまいます。そして、千舟は玲斗のことを忘れてしまいます…。なかなか悲しい結末になっています。
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