「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ(初期版)」のあらすじ・ストーリー、真相です。このゲームは1984年にパソコン用ソフトとして発売されました。
項目 | 説明 |
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ハード | PC-8801 |
発売日 | 1984年12月21日 |
発売元 | アスキー |
ジャンル | 推理アドベンチャー |
2つのストーリー
『オホーツクに消ゆ』のストーリーは2種類あります。ひとつは、このゲームが初めて発売された頃のストーリーで、“初期パソコン版”や“初期版”と呼ばれます。
もう一つはファミコン用ソフトのストーリーです。ファミコン版は初期版の移植ソフトですが、結末などは大きく異なっています。そして、ファミコンのストーリーはパソコンのリメイク版でも使われていたりします。ファミコンやパソコンリメイク版は“後期版”と呼ばれています。
以下では、初期パソコン版のストーリーをご紹介しています。最後に、初期版と後期版との違いも簡単にまとめています。
Switch版
2024年9月12日(木)に発売されたSwitchリメイク版『オホーツクに消ゆ』は、ファミコン版のストーリーがベースになっています。スイッチ版には追加ストーリーが収録されています。こちらの内容については、下記ボックス内に簡単にまとめています。
あらすじ
東京湾で男の死体が見つかる。聞き込みと地道な調査によって、主人公と部下の黒木は被害者が北海道釧路市に住む増田文吉であることを突き止める。被害者の身元を明らかにした主人公達は捜査のため、北海道へと向かう。そこで、釧路署の刑事・猿渡俊介が捜査に加わり、捜査を進めるが、第2、第3と次々に殺人事件が発生してしまう…。
事件概要
東京湾で増田文吉(ますだ・ぶんきち)の死体がみつかり、その後、北海道で飯島幸男(いいじま・ゆきお)と白木雄九朗(しらき・ゆうくろう)の死体がみつかります。飯島も白木もオホーツク海に死体が捨てられていました。
増田の妻の証言によって、増田は飯島から金を受け取っていたということが判明。増田の息子によれば、飯島は誰かに脅迫されていたらしいということもわかります。誰が脅迫していたのかはわかりませんが、とりあえず増田はコロポックリという炉端焼き店の店員・源さんに似ているらしいです。なお、飯島と白木が知り合いだったこともわかります。
捜査途中で第4の死体がみつかります。身元は判明しませんが、地道な調査によって被害者は女性と一緒に加賀屋という旅館に泊まっていたことが明らかになります。宿帳から被害者と思しき人物は白木辰雄(しらき・たつお)で、女は妻の白木郁美(しらき・いくみ)と考えられます。番頭が耳にした『まりもや』という言葉を手掛かりに主人公達は郁美の行方を追い、辿り着いた野村半島で倒れた郁美の姿を発見します…。
ここまでに起きた殺人事件は4件です。東京湾で見つかった増田文吉、オホーツク海でみつかった飯島と白木雄九朗、そして、知床五湖で発見された白木辰雄です。白木雄九朗と白木辰雄の姓が同じこと、白木夫妻が宿泊していた加賀屋にヤクザが現れ、白木雄九郎のことを尋ねていたことなどから、連続殺人であると考えられます。
真相(ネタバレ)
4件目の白木辰雄の殺人は他の3件とは無関係です。辰雄殺しの犯人は白木郁美で、本名は小野徳子(おの・とくこ)でした。被害者の白木辰雄も偽名で本当は井持邦雄(いもち・くにお)という名前でした。なお、動機は痴情のもつれでした。
偽名を使ったのは、話題の連続殺人と関連付けるためで、偽名を提案したのは井持でした。つまり、井持が小野を殺そうとしていたわけですが、逆に殺されていました。意図せずして人を殺してしまった小野は自殺を図りましたが、主人公達に助け出され、一命を取り留めています。
紛らわしいことに第4の殺人は増田、飯島、白木雄九朗の事件とは関係がありませんでした!捜査は振り出しに戻ります。
さらなる調査
白木雄九朗の肺からマリゴケと真水が検出されます。この証拠を手掛かりに、白木は殺される前に屈斜路湖のわごと温泉にいたことがわかります。わごと温泉の浴場の壁には「あくつひでお」「しらきゆうくろう」「むらきすけ(『む』の上は壁が破損している)」「いいじまゆきお」という落書きがあり、あくつひでお以外の落書きにはバツ印が付けられていました。
その後の調査で、二人目の被害者・飯島は元新聞記者だったこと、奥村紀助(おくむら・きすけ)という人物が1週間ほど前に自殺していることなどが明らかになります。さらに奥村の妻からニポポ人形を受け取ります。そのニポポ人形には左目の下に傷があり、まるで涙を流しているようでした。ニポポ人形の製作者は浦田甚五郎(うらた・かんごろう)という服役囚であることがわかりますが、浦田は何も話してくれません。
そして今度はコロポックリの店員・源さんの死体がわごと温泉で発見されます。増田に似ているという源さんが、お湯に浮いています!!
真犯人
真相には永福丸沈没事故が関連しています。永福丸は米軍の救援物資を横流しするだけではなく、旧日本軍の遺産も横領していました。これを指揮していたのがもうすぐ大臣になると評判の阿久津です。
阿久津は横領がバレそうになったため、オホーツク海で永福丸を事故にみせかけて沈めました。横領や沈没事件には奥村紀助、飯島幸男、白木雄九朗が関わっており、奥村は船を準備し、白木は物資を売りさばき、元新聞記者だった飯島は沈没を事故として報道していました。
飯島と白木を殺したのは永福丸の事故で死んだ野村安吉(のむら・やすきち)の遺族・野村鉄二(のむら・てつじ)です。猿渡は鉄二が父親のかたき討ちのために飯島と白木を殺害し、犯行を知らしめるため、オホーツク海に死体を捨てたと推理していますが、実際は鉄二が命を狙われ、実行犯の飯島と白木を返り討ちにしたようです。
増田文吉は刑務所で浦田から阿久津の悪事を知り、阿久津を脅迫しようとしていました。ところが、逆に殺されて死んでしまいます。そして源さんも阿久津に殺されています(実行犯は阿久津の手下と考えられる)。源さんと増田は実は双子の兄弟で、源さんは兄の文吉が阿久津をゆすっていたことを知っていました。文吉が死んだあと、源さんは阿久津を脅迫しようとして殺されてしまいます。
結末
真相が明らかになる中、北竜会のヤクザが摩周湖へ向かったという情報が主人公達のもとに届く。摩周湖には鉄二の娘・真紀子がいた。真紀子によれば鉄二はカムイッシュ島へ向かったといういう。
主人公達がカムイッシュ島に辿り着くと、ちょうど、鉄二がヤクザと阿久津に脅されていた。しかし猿渡刑事の活躍によって鉄二は窮地を脱する。
その後、事件の経緯が発覚する。事件の発端は阿久津の指示にあった。阿久津は鉄二と真紀子の殺害を企てていた。何度も殺害されそうになった鉄二は同じく命を狙われてしまった真紀子を守るため、阿久津の殺害を企てカムイッシュ島へ向かったのだった。
後日談
猿渡刑事が真紀子と結婚します。主人公のもとに猿渡とウェディングドレス姿の真紀子の写真が送られてきます。
ありゃ、ボス、どーしたんですか。しんみりしちゃってー
ストーリーの違い
初期版と後期版ではニポポ人形発見後のストーリーが異なります。
初期版
初期版ストーリーの犯人は野村鉄二です。鉄二は悪事の発覚を恐れた阿久津に殺害を企てられます。実行犯は飯島や白木で、この二人に殺されそうになったので鉄二は殺人に及びました。最初に死んだ増田と源さんは双子という設定で、二人は阿久津を脅そうとして返り討ちにあっています。なお、増田が阿久津の悪事を知ったのは、囚人の浦田から聞いたためでした。
後期版
まず増田と源さんこと野村源次は双子ではなく、何の接点もないただのそっくりさんです。初期版では野村鉄二が沈没事故で死んだ船員の遺族でしたが、後期版では源さんが死んだ船員の息子という設定になっています。
源さんにそっくりな増田は初期版と同様に、囚人の浦田から阿久津の悪事を知り、脅迫しようとします。しかし、逆に殺されてしまいます(ここは初期版と同じです)。後期版では、増田に脅迫された阿久津が、源さんに脅迫されたと勘違いします。
沈没事故の遺族である源さんが復讐にやってきたと思い込んだ阿久津は、手始めに源さんの娘・野村ゆかりをひき逃げにみせかけて殺害(この事件はニポポ人形発見後に明らかになります)。阿久津は源さんのもう一人の娘である真紀子も殺そうとします。しかしながら、主人公達の活躍により真紀子は助け出され、源さんは逮捕されます。なお、猿渡刑事と真紀子が結婚するというラストは同じです(初期版の真紀子は野村鉄二の娘という設定でした)。
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