「イラストレーター殺人事件(13巻)」のあらすじとネタバレです。このエピソードは犯人がわかっている倒叙形式で描かれており、離れた場所からどうやって人を落下させたのかが謎解きのポイントとなります。
項目 | 内容 |
---|---|
漫画 | 13巻 |
サブタイトル | 落ちる死体 疑惑の自殺 花と蝶 |
アニメ | 60話 |
放送日 | 1997年5月26日 (月) |
あらすじ
画家の花岡兼人(はなおか・けんじん)が愛人の蝶野いずみ(ちょうの・いずみ)を殺してしまう。イラストレーターだった蝶野は花岡のゴーストライターで、そのことを暴露しようとしていた。カッとなって殺人を犯してしまった花岡はあるトリックを仕掛けて、飛び降り自殺に偽装しようとする。
犯行後、花岡は被害者のマンション、すなわち犯行現場の向かいにある事務所ビルへと向かう。そこで花岡は複数の証人とともに、蝶野がベランダから落下する姿を目撃する。その姿はまさに飛び降り自殺のようだった。
内容紹介
花岡が犯人であるというのは間違いありません。そのため、探偵がどのような根拠に基づいて推理し、真相に辿り着くのかが一つの見所となります。視聴者は犯人がわかっているので、どうやって離れた場所にある死体を落下させたのかが謎となります。
手掛かり
真相につながるヒント、伏線などをまとめます。犯人のトリック、すなわち偽の証拠も含まれます。こういった証拠には※をつけています。
状況証拠
- 被害者にはいたずら書きの癖があった
事件発生直前まで、被害者は発売したばかりのマニキュアで犯人にいたずら書きをしていた - 雨にも関わらず、被害者のベランダには布団が干してあった
- 事務所に無言電話があった※
- 被害者からの電話があり、その直後に被害者は落下している※
- 被害者はコンタクトをつけた状態でメガネもかけている
- コンタクトの洗浄液はあるが、あれがない
- 遺書らしきものはない
- 被害者が落下した時刻にバイク便が訪ねてきている
バイク便の男性は玄関のドアが勢いよく開いたと証言
証拠
- 犯人の小指がマニキュアで塗られている
- 被害者はコンタクトをつけた状態でメガネもかけていた
- 被害者の自宅玄関は鍵がかかっていなかった
- 被害者の自宅玄関(犯行現場の玄関)に釘が落ちている
- ベランダで植木鉢が割れている
- 植木鉢の破片が排水溝に向かって散らばっている
- ベッドシーツの足元部分にマニキュアがこぼれている
- ベランダの排水溝に釣り糸
ネタバレ
犯人は丈夫な釣り糸、釘、植木鉢、布団、コンタクトの保存液、バイク便を使って、死体が自動で落下する仕掛けをつくっていました。死体は釣り糸と釘でベランダの手すりに固定されており、バイク便が玄関を開けると、釘が外れ死体が落下する仕組みです。このような単純な仕掛けだと糸が現場に残ってしまうため、犯人は糸が排水溝へ捨てられるように工夫していました。この工夫に使われたのがコンタクトの保存液です。糸の一端を釘で固定し、もう一端に保存液をくくることで、釘が外れると保存液に引っ張られて糸が移動します。なお、布団が干してあったのは死体を隠すためでした。
犯人を追い詰めたのは、新作マニキュアで犯人の足の指に描かれた蝶のマークでした。被害者は犯人のいたるところに落書きをしていたようです。マニキュアは事件が発生した日に発売された商品だったので、事件発生前に犯人は被害者と会っていたことになります。
犯人は自殺偽装をもっとらしくするため、被害者が生きていたようにみせようとしています。無言電話は被害者が事務所に電話をかけたという履歴を残すためで、落下直前に被害者からかかってきた電話は犯人が自身の携帯でかけたものでした。声は留守番電話の録音メッセージが使われています。
考察
『くそぅこんなつもりは…殺すつもりはなかったのに!』…いや、むしろどうするつもりだったんでしょうか。ガラスの灰皿をもってぶん殴ったなら殺意しかないような気もする。仮に半殺しにして生きたまま落下させれば、致命傷がわかりにくくなったはずなので、自殺という偽装にも信憑性が現れたかもしれないわけですが、犯人がそこまで考えていたかは不明です。それにしても、不倫にゴーストライターと弱みを握られ過ぎの犯人でした。
釣り糸を使った機械仕掛けのトリックは割と見かける気がします。再現してみると上手くいかないことも…あったりなかったりです。ここからわかるのは、作者は本当にできるかどうかを確認していないというか、あまり重要視していないということなのかもしれないです。ていうかそっくりな現場をみつけるのが大変だし、そもそも死体が必要なので試しようがないし、もっと言っちゃうと、体が縮んでしまった!とかありえないし。コナン君の存在自体が現実を歪めちゃってるし。
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