no murder, yes life
金田一耕助

霧の山荘|あらすじ・ネタバレ解説

4.0
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 金田一耕助シリーズ「霧の山荘」のあらすじと真相、感想などをご紹介します。原作は横溝正史氏の推理小説で、古谷一行さん主演のドラマは1985年に放送されました。

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あらすじ

 これまでに解決した事件を整理するため、金田一は静養も兼ねて信州を訪れる。ゆっくりするつもりだった金田一だが、等々力警部からの電話がありゴルフに連れ出されてしまう。

 ゴルフ場で大女優の紅葉照子と知り合った金田一は照子に母の面影を感じていた。その後、照子の姪である容子を通じて、二十年前に起きた事件の調査を依頼される。午後八時頃という約束で紅葉照子の別荘を訪ねる予定だった金田一だが、道に迷ってしまう。迎えの男に連れられて別荘へとたどり着くが、応答はなく、窓からのぞくとそこには血を流した照子の姿があった。金田一は急いで警察に知らせるのだが、警察が到着すると、別荘では楽し気なパーティーが開かれていた…。

登場人物・キャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。

名前 キャスト 説明
金田一耕助 古谷一行 私立探偵
等々力 ハナ肇 警部
紅葉照子 岡田茉莉子 大女優
水木健二 冨家ノリマサ 俳優。故人
上条 織本順吉 監督
渡瀬 平野稔 カメラマン
秋葉 田中明夫 宣伝部長
山本武彦 西田健 紅葉照子の甥
江馬容子 松本留美 紅葉照子の姪
岡崎平太 山本昌平 照子の運転手
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事件概要

紅葉照子が刺されて安楽椅子で死んでいたようにみえたのは、お芝居です。紅葉照子は金田一耕助を試すために、殺人劇を演じていました。別荘は二つあり、金田一が死体をみた別荘と、パーティーが開かれていた別荘は別の別荘です。金田一は柱の穴の数の違いで、このトリックを見抜いています。

紅葉照子が姪を通じて依頼したのは、二十年前に水木という名前の俳優が亡くなった事件でした。当時、紅葉照子と水木は『死の接吻』という映画で共演していましたが、撮影の最中に、水木が自宅で死亡します。原因はガス漏れで、自殺などの噂も流れますが、事故死として処理されることになります。照子と水木は単なる共演者ではなく、結婚を考えるほどの恋仲でした。水木の死後、照子は深い悲しみを抱え、半年ほど行方不明となって俳優を引退し、田島という実業家と結婚します。

二十年の月日が経ち、照子の夫・田島が亡くなります。照子によれば、臨終に田島が遺した言葉は「水木の死は事故ではない」だったらしく、これがきかっけで照子は金田一に事件の調査を依頼することになります。

水木は亡くなる前、自宅に監督、カメラマン、宣伝部長らを招いており、照子はその三人を疑います。『死の接吻』の撮影を口実に三人を集めた照子は、水木にそっくりな岡部達彦という青年と、甥や姪をキャストに加え撮影を進めます。

順調に進んでいた撮影ですが、山中での撮影の最中に、凶暴化した犬に追われて姪の江馬容子が滑落して死んでしまいます。さらに、甥の山本武彦も、撮影中に小道具で使った銃が暴発して死んでしまいます。いずれも、水木の死について調査する照子を狙った末の不運な事故と判断されますが、金田一はいくらかの疑問点を抱いています。

事件の謎を整理してまとめると次のようになります。紅葉照子の姪と甥の死は事故死と考えられており、目立って不可解な点はありません。

  • 二十年前に死んだ水木健二は他殺か自殺か事故か
  • 水木の死後、紅葉照子が半年間姿を暗ましたのはなぜか
  • 暴発事件のとき、紅葉照子が岡部達彦をかばったのはなぜか(台本では、岡部が照子をかばうはずだった)
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ネタバレ

姪の江馬容子と、甥の山本武彦は事故ではなく、紅葉照子によって殺害されました。紅葉照子は自分の息子だけに財産を渡すため、相続人である姪や甥を殺害。水木にそっくりな岡部達彦は、実は紅葉照子と水木の子供でした。照子が半年間姿を隠していたのは出産のためです。

紅葉照子は犬に興奮剤を飲ませて、姪を崖へと追い込み、転落死を誘発しました。そして、銃に実弾を入れて甥も殺しました。岡部を咄嗟にかばってしまったのは、実弾が入っていることを知っていたからです。

二十年前の真相は明らかになりません。もしかすると、監督やカメラマン達が結託してガス漏れ事故にみせたのかもしれませんし、本当にただの事故かもしれません。間違いないのは、照子の夫は死に際に水木の死について何も言い残していないという事実だけで、照子の夫が言った「水木の死は事故ではない」は照子の嘘です。

照子の犯行計画は、水木の死について調べる照子が狙われ、運悪く姪と甥が死んでしまうというものでした。計画は概ねうまくいきますが、犬が暴走した時やけに運転手の行動が素早かったこと、設定を無視して照子が岡部をかばったことなどが、金田一の目に不自然な行動としてとらえられ、看破されてしまいます。

なお、運転手の岡崎平太は照子に協力していました。犬に興奮剤を飲ませたのは運転手です。

最後照子は金田一や警部の前で自白します。そして、毒を飲んで死んでしまいます。

トリック

事件の犯人や動機、トリックを簡単にまとめます。

  • 犯人:紅葉照子
    死期を悟り、未完の映画を完成させつつ、遺産相続のために、殺人を犯す。
  • 動機:遺産相続
    息子に遺産を渡すため、他の相続人を殺害。母として何もしてやれなかったことを後悔し、なにかできることはないかと考えた様子。
  • トリック:事故死偽装
    殺人劇という刷り込みを行った上で、自分が狙われたようにみせて標的を殺害する。自分が狙われる理由に過去の事件を利用し、同時に殺人犯も捏造する。具体的な容疑者を捏造しているため、濡れ衣を着せる効果もあった。

原作小説とドラマの違い

原作は横溝正史氏の小説「霧の山荘」です。原作とドラマが似ているのは冒頭の部分だけです。照子の相手役だった水木の死や、撮影の再会、水木にそっくりな人物の登場などなど、中盤以降の内容は全てドラマオリジナルです。

感想

金田一だけではなくて紅葉照子も、そんな恰好でゴルフするのかと、ちょっと思ってしまいました。森に現れた変な人達とか、うまく(かどうかはわからないが、とりあえず)隠れている入浴シーンとか、いろいろ衝撃的な映像があったと思いますが、個人的な一番は倒れた犬のシーンだったりします。後味としては、あれ親子だったの?ということで、みてはいけないものを見てしまった気分になっています。

最初の殺人劇がトリックだったりと、なかなか面白い作品だったと思います。二十年前の事故については神のみぞ知るという終わり方だったので、スッキリしないと思う方もいるかもしれません。

まとめ

 「霧の山荘」について、あらすじ、真相などをご紹介しました。

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